続・悩む力 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
3.55
  • (39)
  • (112)
  • (95)
  • (29)
  • (4)
本棚登録 : 948
レビュー : 128
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206470

作品紹介・あらすじ

これまでの幸福像とはどのようなものだったか? 食べるに困らない収入、伴侶と何人かの子供、健康、老後のたくわえ――。それら既存の「幸福像」は、今まさに瓦礫へと化した。しかも、3・11後、神仏はおろか、現代社会の宗教とも言える科学への不信も極まり、寄る辺ない私たちの孤立はさらに深まった。ある意味、第二次大戦後よりも憂鬱なこの時代のただ中で、私たちがふたたび、幸福の感情に浸ることなど、果たして可能なのだろうか? そのヒントは、夏目漱石の100年前の予言と、「二度生まれ」というキーワードにこそある!
悩み抜いた末でなければ見いだすことのできない大切なものを、漱石、ウェーバー、ウィリアム・ジェイムズなど、偉大な先人たちの言葉を通して掴み取る。90万部のベストセラー『悩む力』の待望の続編!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 作者は政治学者ですが、文学に情熱を持っている人だと思いました。特に夏目漱石に深い思い入れがあると感じました。作者は、例えばA・B二つの事実がある時に、それらの類似点を顕すのが上手いと思います。この作品で作者が主張している事は、文学を読んで身につく考え方と似ていると思います。「悩む事」が作品のキーワードですが、それに関連して一番気になった所は、「二度生まれ」という考え方です。「悩む事」を悩み抜いてそれを突き抜けた時、その人に新しい価値が生まれる。個人的な体験を突き詰めて真摯に引き受けていった先にすばらしい新世界がある。おそらく、文学作品でもよく素材に取り上げられる「精神的な跳躍」と関係している考え方だと思います。作者は「悩む事」に思い入れがあるのだと感じました。

  • 驚くほど、空っぽの、本。

  • 2016/11/4

  •  
    ── 姜 尚中《続、悩む力 20120615 集英社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4087206475
     
     姜 尚中  東洋政治学 19500812 熊本  /Kang Sang-jung/在日韓国人二世/通名=永野 鉄男
    ♀姜 □□   尚中の妻 195,‥‥ ‥‥  /旧姓=?
     姜 □□  尚中の長男 1986‥‥   千葉 200906‥ 26 /自殺?《続、悩む力》執筆前
     
    ── 姜 尚中《知られざる「家庭崩壊」長男の死、妻との距離 20121004 週刊文春》
    https://twitter.com/inosenaoki/status/253188867157540864
     
    (20161007)
     

  • 社会を見る目が斬新でとても良い刺激を受けた。鋭い視点で社会を読み解くが、どこか暖かい感じが文面から読み取れる。

  • 「悩む力」に続いて読んでみた。
    幸福とは何か、について書かれている。
    前作に続いて夏目漱石の小説を引き合いに出し、漱石が人生や幸福についてどう考えていたのかを、小説の主人公の語った言葉から読み解き、解説している。
    第7章で紹介されるデンマークの作家ヤンネ・テラーの「人生なんて無意味だ」と、終章で解説される、フランクルの人生の3つの価値の中の「態度」は心に残った。

  • 落ち着くことば。

  • 悩む力の続編。
    東日本大震災の後に発刊された。

    楽観論・ポジティブな論調の書籍が多い中、
    人間ではどうしようもない問題もあるんだというスタンスで
    書かれており、悲観論とどう向き合うか、書かれている。

    しかし、漱石もウェーバーも読んでいない私には
    共通言語として成立していないので、本当の意味は理解できていない。

    漱石くらいは読んでみようかな。

  • 『悩む力』(集英社新書)の続編。前著に引き続いて、漱石やウェーバーに現代の社会を生きるための秘訣を学ぶことがテーマになっています。

    とくに本書では、東北の大震災以降、「液状化する近代」の不安が人びとの意識に暗い影を落とすようになった時代状況の中で、「それでも人生にイエスと言う」ための生き方について語られています。

    V・E・フランクルは、「意味のあるもの」探しに取りつかれた人生ではなく、「人生のほうから投げかけてくるさまざまな問い」に対して、一つひとつ答えていくことを説きました。「おまえはこの忍びがたい屈辱を忍ぶことができるか?」「おまえはこの別れの悲しみを乗り越えられるか?」という問いに対して、一つずつ、「イエス、自分は受け入れる」「イエス、それも受け入れる」と責任をもって答えることが、フランクルの説く生き方です。

    本書では、楽観的な幸福論ではなく、深い悩みの中にあってそれでも生きていくことを肯定する生き方が、一貫して追求されています。

  • 「心の力」を読み始めて、今一つ漱石の位置付けが分からず、筆者の著作を遡って読むことにした一冊。「三四郎」「それから」「門」と、確かに昔読んだ記憶がある。その頃は主人公の悩みや戸惑いが何となく若い自分の思いとシンクロして、それ以上深く考えることはなかった。姜尚中という人は、60を過ぎても漱石の憂鬱と向き合い、マックス・ウェーバーまで引き合いに出して、近現代を相対化し、我々を覆う憂鬱や絶望を解析しようとする。自由、科学といった近現代の基本的概念に切り込もうとする筆者の姿勢から、気づかされる点はいくつかあった。

    分かれ目があるとしたら、「現代の憂鬱や絶望」をどう捉えるかだろう。憂鬱や絶望は常にあるものだし、今の自分にも無い訳ではない。しかし、それが社会を覆っていると見て良いのだろうか。それは会社員勤めを十何年も続けてきた自分だから言えることで、今大学生からやり直すとしたらどう感じるのだろうか。そして姜尚中は絶望と向き合う力を持っているのだろうか。それとも垂れ流しているだけなのだろうか。

    この短い一冊では結論は出ない。しかし、心をこういう角度から眺める機会も、現状肯定から一歩引く謙虚さも時には必要だ、と感じた一冊。漱石もまた読み返してみよう。

全128件中 1 - 10件を表示

プロフィール

姜 尚中(かん・さんじゅん)
1950年、熊本県熊本市に生まれる。国際基督教大学準教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、聖学院大学教授、同学長を歴任。東京大学名誉教授。専攻は政治学、政治思想史。

続・悩む力 (集英社新書)のその他の作品

姜尚中の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
東野 圭吾
宮部 みゆき
ウォルター・アイ...
有効な右矢印 無効な右矢印

この作品に関連するサイト

続・悩む力 (集英社新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする