自分を抱きしめてあげたい日に (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206524

作品紹介・あらすじ

わたしたちはいま、昨日までとは違う生き方を、そして、その思想と姿勢を必死で模索し続けている。そんななか、七年間の自宅介護のすえ母を看取った著者が、自らの喪失感を埋めてくれたさまざまな絵本や詩集、小説、そして、勇気ある人々の姿や行動に託して、再生のメッセージをおくる-。現代日本を代表する行動する作家が、この非常な時代と社会を超える、希望への道筋を照らし出す。「孤独」の時を大切にすることで「孤立」を超えるという、新しい生き方のヒント。

感想・レビュー・書評

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  • 落合恵子さんは様々な視点から、意図せずに社会の中心からはず
    れ、周辺から声なき声を上げいる人々を支援し続けているのだと
    思う。勝ち組、強者、自己責任などが声高に叫ばれていた時代に
    も、常にマイノリティーを声を代弁してきた。

    本書の全体に多くの分野で声を上げてきた方たちの生き方、考え
    方を伝えています。詩、歌、著作の紹介も多く取り上げられ、主
    流ではないかも知れないが、確固たる意思を持って、静かに力強
    く生きてきた方たちの声が聞こえてきます。

    エミリ・ディキンソンの詩の一文が紹介されていました。
     
     人のこころがこわれるのをとめられるのなら
     "私が生きることは無駄ではない"
     ひとつのいのちのうずきを軽くできるなら
     ひとつのいたみを鎮められるなら

     "I shall not live in vain"

    平凡な人生ではあるが、このように感じられる瞬間があるのなら
    それは日々賞賛を追い求める暮らしよりも、どんなに尊いことか
    と思います。

  • 昨年の図書館イベントでいただいた本。落合恵子さんは「絵本処方箋」依頼。多くの言葉、詩、本を紹介しているので、読書意欲が高まる。

  • big bear hug
    花咲山
    ふとしたことばにおどろくほど癒やされ涙する

  • 元気なほうのわたし、
    いつものわたしこそ、
    無理をして作っている、
    わたしなのかもしれない。

    水底に落ちたわたしも、
    そこから浮上するわたしも、
    元気なわたしも、すべてわたしだ、
    と最近は考えるようにしている。

    (落合恵子/作家
    『自分を抱きしめてあげたい日に』より)

    * * *

    いつも元気でいたいけど
    へこんでしまうこともある

    いつも笑顔でいたいけど
    気難しい顔のときもある

    いつも自分らしくいたいけど
    肩に力がはいることもある

    へこんでいる わたし
    気難しい わたし
    肩に力がはいる わたし

    それは きっと

    がんばっている証拠

    がんばっているから
    傷つくし 考えすぎるし

    力がはいってしまう……

    どれも大切なわたしだから

    優しく抱きしめて
    受け入れていきたいな

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  • 914

  • 講演後に貰った裏表紙へのサインには「自分を生きる」の言葉。。そして著者が出会った絵本や詩集からの引用。日々の歩みを一歩一歩すすめていく時の、ヒントとなるエッセイが満載だ。

  • わりと元気なほうだと思われている。
    元気でない時のわたしは、誰にも見せたくないと意地をはっている。

    それでもたまには、ひどく落ち込むことがある。
    原因が思い当たるときもあれば、なぜだかそうなってしまうこともある。

    (中略)
    そんなとき、あなたならどうするだろう?
    それがいいことかどうかわからないが、わたしは放っておく。

    無理して気分転換をしようとはしない。
    気分転換に束の間成功しても、すぐに元に戻るであろうことは容易に想像できるからだ。

    女友だちに話す場合もまれにはあるが、ほとんどの場合は話さない。相手に負担をかけるようで、そのことに今度は疲れてしまうからだ。

    落ち込むなら、とことん落ち込め、と自分に宣言する。

    どこまで落ちるか、みてやろうじゃないか! そんな風に、自分を突き放す。

    そうしてしばらくの間、水底に落ちている。
    またしばらくすると、落ちた気持ちに多少の浮力がつきはじめたことに気づく。
    ここまできたら、あとは浮上するだけだ。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    落合恵子さんが、新書「自分を抱きしめてあげたい日に」に書いていた言葉です。

    なるほど。と思います。

    気持ちが落ちているときでも、こんなふうに自分を受けとめて、やり過ごすことができるのが、「オトナの女」。

    私は、もう少し修行が必要かな。

    でも、もしも、自分自身ではなく、友達や知人が、
    言葉にできないくらいのつらさや、苦しさのなかにいるように見えたとき、
    どうしたらいいのかな?
    と考えます。

    言葉をかけたら、負担になるかもしれない。
    でも、言葉をかけなかったら、孤独を感じる人かもしれません。

    つらさ、苦しさのなかにいても、「独りじゃない」ということ。
    それを、心に留めておいてもらえたらいいな。
    それを、うまく伝えることができたらいいな。
    と思っています。

  • タイトルはめちゃくちゃあったかいけど、内容はよくわからんかったです。残念。
    いちばん最初らへんはええこと書いてるなあとか思ったけども、ちょっと読み進めたら何について話してるのかわからへんくって困った。

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著者プロフィール

1945年 栃木県生まれ.
[現職]作家.子どもの本の専門店クレヨンハウス,女性の本の専門店ミズ・クレヨンハウス主宰.『月刊子ども論』,『月刊クーヨン』発行人.『Women's Eye』編集人.『週刊金曜日』編集委員.
『ザ・レイプ』講談社,1982.『セカンド・レイプ』講談社,1994.『あなたの庭では遊ばない』講談社,1992.『「わたし」を好きになるために』海竜社,1997.『雪の贈りもの』集英社,1997.その他,女性問題をテーマにした翻訳多数.

「1998年 『ゆらぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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