同期生 「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年 (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206562

作品紹介・あらすじ

最強の「同期生」が語る知られざる日本漫画史。
一条「ライバルはもりたじゅんちゃんだった」
もりた「二人が先に成功して、寂しかった」
弓月「ボクはいつでも離れ小島なんだ」
 一九六七(昭和四二)年、集英社の少女漫画誌「りぼん」が催した「第一回りぼん新人漫画賞」は三人の入賞者を輩出した。
後の一条ゆかり(準入選)・もりたじゅん(佳作)・弓月光(準入選)の三人である。
一条は『砂の城』『有閑倶楽部』などのミリオンセラーを生み出し、少女漫画に不動の地位を築く。もりたはいち早く<レディーズコミック>の分野を切り拓く一方、本宮ひろ志夫人としてその活動を支える役割も担った。三人のうちで唯一の男性であった弓月は、少女誌→少年誌・青年誌と媒体を移しながら、一貫してコメディのヒット作品を出し続けている。
今まであまり語られることのなかった彼らの45年間の漫画人生をたどることで、戦後少女漫画の歴史を描き出す!

感想・レビュー・書評

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  • 知ってはいるけど、全く読んだコトのないお三方、、、しかし、45年って超凄いです。

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    「1967(昭和42)年、集英社の少女漫画雑誌「りぼん」が募集した「第1回りぼん新人漫画賞」は三人の入賞者を輩出した。

    後の一条ゆかり、もりたじゅん、弓月光である。

    一条は、『デザイナー』『砂の城』『有閑倶楽部』『プライド』などの大ヒットを生み出し、少女漫画界に不動の地位を築いた。
    もりたは、いち早く「レディースコミック」の分野を切り拓く一方、漫画家・本宮ひろ志夫人として大作家を支える役割も担った。
    三人のうちで唯一の男性である弓月は、少女誌から少年誌・青年誌へと媒体を移しながらも、
    『エリート狂走曲』『みんなあげちゃう』『甘い生活』など一貫してコメディのヒット作品を生み出し続けている。

    今も昔も新人発掘を目的とした漫画賞は数多いが、三人ものヒット作家を、それも一度に輩出した例は、稀有なのではないだろうか。 漫画界最強の「同期生」である。

    時は学生運動華やかなりしころ、同じスタートラインから漫画家人生を歩み始めた三人だが、その歩んだ道は三人それぞれ、 波乱と紆余曲折の道であった。
    彼らの漫画家人生45年とは、どのようなものだったのか。これは日本の漫画史における貴重な証言である。」

    • ひよりさん
      一条ゆかりさんのファンなので、とても興味深いです。それにしても、45年も一線で活躍できるってすさまじいです。
      一条ゆかりさんのファンなので、とても興味深いです。それにしても、45年も一線で活躍できるってすさまじいです。
      2012/09/09
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「45年も一線で活躍」
      先ず人気がなければ描きたくても描かせて貰えない。そして、アイディアが枯渇すれば望まれても描けない。そう言ったコトを考...
      「45年も一線で活躍」
      先ず人気がなければ描きたくても描かせて貰えない。そして、アイディアが枯渇すれば望まれても描けない。そう言ったコトを考えると、気が遠くなる年月ですね。どうやってモチベーションを維持しているのか興味深いところです。
      2012/09/11
  • りぼんの第一回新人漫画賞で準入選、佳作を受賞してデビューした三人の漫画家が、これまでの漫画人生を振り返る。

    三人ともよく見知った名前で、その作品を一番読んでないのが一条ゆかりさんだというちょっと変わった漫画読者な自分w
    それぞれの漫画に対する思いがビシバシ伝わってきて、非常に面白かった。
    漫画家になりたい奴じゃなくて、漫画を書きたい奴が漫画家になれるという弓月光さんの言葉は重いな。

    あと、やっぱり漫画界は狭いよね。

  • 少女まんが雑誌「りぼん」から生まれ「りぼん」で育った漫画家3人の随筆集。各々が個人史や漫画家になった頃の様子、その後の少女マンガの推移などを語っておられます。

    女王様一条ゆかりさんはまさに女王。全編自分、自分、自分。他の漫画家の名前が出てくることもあったが、間違っても作品を賞賛することはない。だからといって自分の作品を持ち上げるわけでもない。やはり正直な人なんだろうと思う。またプライドも高い。作品に関してもだが、女としてのプライド、職業人としてのプライド。こうでなくては一条ゆかりじゃないだろう。

    対照的なのはもりたじゅんさん。さっと自分史を語るも、当時(60年代終わり頃)の大学生というもの、漫画の技法、自分らに続いてりぼんから生まれた才能、旦那様の本宮ひろ志氏とのなれそめ、数多くの才能あるアシスタントのことなどなど、幾多の角度から漫画とその育まれた時代の流れを語ってくれている。

    実は、この3人の中では読んだ漫画が一番少ない漫画家さんで、レディスコミックへ発表の場を移してからはその著作はほとんど読んだことがないのだが、この本の中では一番面白く読めた章です。当時のりぼんと週刊マーガレットの確執なども興味深い。

    また、同じ年ながらりぼんでは後輩に当たる山岸凉子さんをなんのてらいもなく褒め上げているのには好感が持てる。嫉妬や競争意識というものを越えて、同業者としてその才能をかなりの早い時期から見抜いていたのがこの文から推察される。また、人気商売でもある漫画はその人気で待遇が変わってしまうことなどの苦悩も正直に吐露している。その上、もりたさん自身理解できなかったと告白している「乙女チックまんが」の席巻。巻末の作品リストでは昭和49年をもってリボン誌への発表は最後となっている。この「乙女ちっく」には一条さんも弓月さんも苦労したみたい。しかし、この「乙女ちっく」十代の女の子には身近で最大の関心事であったのは否めないな。

    最後の弓月ひかる氏。この人は絵がうまかった。文中りぼんの中では浮いていたという表現が何度も見られたが、少女マンガ特有のお目目きらきらバックに花が咲いているという画風ではなかっただけで、デビュー当時から画力は素晴らしかったと思う。普通、漫画家さんはデビューを果たすと同時に刻一刻と絵が変化、いや成長していくものだが、弓月氏の場合は最初から完成されていたので、あまり絵の変化を感じないのが特徴だった。これはパタリロの魔夜峰央さんにも感じる。絵の変化が極めて少ない。

    弓月さんの章も自分のことを訥々と語っておられるのだが、一条さんほどに「自分」を前面に押し出している感はない。それは漫画のことだけを語っておられるからだろう。氏いわく、漫画家になりたいじゃなくて、漫画が書きたいだろう。なるほど。これほどまでに漫画を愛してこそ、初めて漫画家になれるのだな。

    表紙のカバーイラストがすばらしい。女性3人のデコルテ、鎖骨の表現や皮膚の感じがそれぞれ違ってます。みんな違ってみんないい。

  • 一条ゆかりともりたじゅんと弓月光が、それぞれのデビュー以来の45年について語る。

    そう言えば、高校生くらいまでは少女マンガも読んでたなぁ。
    『りぼん』と『週刊マーガレット』『週刊少女コミック』。
    この三人の作品も読んでましたね。

    一条ゆかり『有閑倶楽部』はまだ実家にあるな。
    でも、やっぱり一番好きなのは弓月光か。
    『ボクの初体験』『エリート狂走曲』『みんなあげちゃう』全部面白かった。
    『甘い生活』は途中で読まなくなっちゃったけど、先日まだ連載しているのを知ってビックリしました。

    久しぶりに、また読み返してみようかなぁ?

    本書については、3人の対談とかあるともっとよかったのになぁ。

  • 新書
    創作論

  •  自分の中で、読んでみてまずハズレの無いジャンルがある。獄中記、漂流記、そしてマンガ家の自伝。
     5年前に読んだ本だが、久々にひもといたら三者三様おもしろいことこの上ない。
     もりたじゅん担当パートは、本宮ひろ志の仕事ぶりもうかがえていっそう興味深い。

  • 読み始めるまで、三人の対談かと思っていたのだけれど、それぞれがそれぞれに語ってるんですね。これはこれで興味深いけれど、今(本書が出た当時)の三人が顔を合わせて当時をどう語るのかを見たかったような気もする。

  • ボクはいつでも離れ小島なんだ

  • 面白かったー!

    1963年小学館の少女児童雑誌『りぼん』の第一回新人大賞で受賞したという出自をもつ"同期生"三人。
    現代とは作家の生まれ方もその評価もまったく違う時代。
    私は一条ゆかり、もりたじゅんの単行本を親戚のお姉さんからもらって読んだことがある。もりたじゅんの『うみどり』も…!
    時の流れのなかで処分してしまったのだけれど、とても勿体無かったなあ。
    一条ゆかりは当時(発行から15年くらい経っていたと思う)とにかくカッコイイもの、新しくておしゃれなものを描いている意気込みが伝わってきました。欄外のおまけイラストでも、作家の自分もおしゃれに彼氏と仲良くやってますよといういわゆるリア充アピールが痛々しいくらいでした。作家の社会的評価を上げ読者の意識を牽引しようという意識があったのだと思います。
    時を経てもりたじゅんは夫であり共同制作者である本宮ひろ志との"おまえもうダメだな""うん、本当にダメ"というやりとりを機に完全引退。

    一条ゆかりと弓月光は50年以上経つ今もなお現役!
    すごすぎる。

  • 「りぼん」で同時期にデビューした3人の漫画家による自分史。

    3人のデビューはわたしが生まれる以前。3人の話を合わせて読むと、そのころの漫画家同士のつながりや、漫画界の空気がわかる。

    同時期にデビューした3人だが、それぞれに漫画に対する考え方や、向き合い方が違う。
    それぞれに違っていても、それぞれのスタイルを作り上げて45年間第一線で描き続けてきたというのはすごいことだ。(もりたさんは現在は引退されているが)

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