荒天の武学 (集英社新書)

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レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206715

作品紹介・あらすじ

現代思想家・内田樹は合気道七段の武道家でもある。その内田が注目するのが中国武術韓氏意拳の光岡英稔。光岡は十一年にわたるハワイでの武術指導歴を持ち、きれい事ではない争闘の世界を歩いてきた。本書はふたりの対話を通じ、護身、闘争という狭い枠にとどまらない、武術に秘められた荒天の時代を生きぬくための知恵を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 読了しました。内田先生の対談本は微妙にずれているのが面白いです。

  • 5/10うてなの先生が貸してくださった。

    内田せんせいが光岡先生の話を聞いて「分かりません」と言うところが2カ所くらいある。
    分かりませんと言えるせんせいを見習いたい。

    さて、前半はあまり印象に残らなかったのだが、後半、引き込まれる。
    日本は「知識基盤社会」を提唱しているが、数値化されパッケージされた知識や情報を社会活動のベースにするのは危険だと。知識や情報が重んじられ過ぎると、潜在的な感覚で「これはまずい」と感じたことがだんだんぼやかされてしまう。と内田せんせい。

    この流れで、光岡先生が知識や情報は過去知だから、未来の確定にはつながらない、感覚のみが一寸先を読むものだ、という話をされる。おっしゃりたいことは分かるが、この意見にはちょっと同意できない。
    これはまずいんじゃない、と感じたときに、過去知をどう使うか、だと思うのだ。

    まあ、この対談の主眼ではない部分。

  • 頭より体の方が実は賢い。
    感覚、言葉、記憶…これまでの自分を振り返るのによいきっかけを与えてくれた。

    武についての論にとどまらず、随所にお二方特有の論調が散りばめられており、それもまた頭・体に染み入る心地がした。

    体に聞く機会を増やし、皮膚感覚的なものを鍛えていきたい。

  •  ものすごく奥深い話が続き、中々理解できない。しかし、何度も読むうちに少しずつわかってくるのでは?という期待感が持てる対談集ととった。少し武道はかじったことがあるが、本書にあるような境地はおろか、ろくすっぽな思考もなく、ただ練習?してた気がする(もっとも当時このような書があっても間違っても読みはしなかっただろう)。
     今、あらためて武道経験を振り返ってみて、当時の道場の雰囲気を想像しつつ読みすすめた。武道こそ、体験の学と思うので、再開してみようか。
     本書はただ、難しい。いろいろ。でも再読するだろう、という書でもある。
     
    2回目:
     言語的入力内容はすぐに消える。一方身体的に出力したことは長く残る。という記述がしっくりした。これをベースにしばばらく読んでみて、少し理解が進んだ気がした。観念的な師匠と具体的、方法論的な弟子との対話のように取れる構成も良い。1回目と異なり、急激な感覚的理解が得られた。もういっぺんか。

  • 自分が やってきたこと してきたことに執着が ある人は 新しい出会い
    武運には恵まれない!

    生き延びるための知恵と力を高めること
    それが武術修行の目的

    過ぎたことは もう過ぎたことだから考えても仕方ない。
    まだ起きてないことは まだ起きてないんだから考えても仕方ない。
    どちらも武道的には禁忌です。

    あんなこと、しなければ よかった
    こんなことが、起きたら どうしよう
    取り越し苦労する人は 想定内 の未来に縛りつけられて、いかなる想定外の事態が起きても、不意を突かれてしまって
    対応できない。

    想定内の対応なら凡人でも できます。
    想定外の ことばが ぱっと出てきたときに
    ふさわしい判断が できるように普段から自分を磨いておく。
    そこに おそらく武の存在意義が あるのだと思います。

  • 現代に稀有であろう身体を使って思考する武道家御二方の対談本。身体感覚として実感されているからこその表現が随所に有り実感を伴っていないものとしては理解し難い部分も正直あります。でも、そういった感覚を言語化すること自体が本来の武道からすると不要なのだろうことから考えるとそれを言語化しようとする試みは意義深いものと考える。
    個人的には合気道を最近始めた事もあり、様々な示唆に富む大変参考になる内容でした。図書館で借りたけど、何度も読み返ししたくなる名著だと思います。

  • 今の私にとって、かけがえのない1冊になった。内田樹さんと光岡英稔さんの対談は、ふにおちる宝のような言葉ばかりで、一気に読んだ。透明な感覚で自分の内側をかんさつし、外側を感知していきたいと思う。

  • 現代社会は晴天の時期ではない。「荒天」の時代の武学とは・・。
    武に対して造詣のない私としては、うなずいてはみるものの、どうもよくわからない。再読しないと。

  • 内田樹さんと光岡英稔さんの対談。
    よくわからない部分が多いけど、おもしろい。そんな本。
    特に武道の話をしているときは、本当に異世界の話。
    めちゃくちゃ抽象的な話やけど、そんな話で対談ができるほどにお二人の感覚が研ぎ澄まされている。
    人間の振舞い方など、身近な話になるととたんにわかりやすくなる。そしてそこが個人的には白眉でした。
    想定外に対応できる力、感覚を優先していく。
    めちゃくちゃ武道をやりたくなる。

  • ハワイと武術のイメージがなかったですが、ケンボーなど漢字そのままの音で使われていました。サモアンの喧嘩、相手の本気度と対等のテンションで戦うシーンが印象に残りました。相手の気をそぐ、内包してしまう方法としては、パーティで会ったことあるよね、と刃物を振り回す男に近づく話など。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学院大学を 2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の現代思想』(文春文庫)、『サル化する世界』(文藝春秋)、『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書・第6回小林秀雄賞受賞)、『日本辺境論』(新潮新書・2010年新書大賞受賞)、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』(以上、ミシマ社)など多数。第3回伊丹十三賞受賞。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2020年 『日本習合論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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