名医が伝える漢方の知恵 (集英社新書)

著者 : 丁宗鐵

• 集英社 (2013年7月17日発売)

作品紹介・あらすじ

なかなか成功に縁が無い人は、自分の体質を知り、適性に応じた選択ができれば人生が変わります。漢方の見地から中高年からでも才能の開花と生活の質を高める事が可能な生き方を漢方の名医が伝授。

感想・レビュー・書評

[nobさんの感想 · 2021年4月9日]

漢方でいう「実証」「虚証」の体質に分けて、虚証の人向けの本。

昔の自分は、徹夜での仕事も、深夜特急的な一人旅もなんでもござれのザ・実証タイプ。しかし30を過ぎ、出産後一気に体力は急降下。恐らくこの本でいう「虚証」気味になっている。子育てもあり仕事もフルスイングというわけにはいかないし、産後復帰後にはわけのわからない部署にとばされるし‥。まるで子育てを人質に取られているような気分で、やり場のない気持ちを抱えていた数年間。転職しようにも、ポジティブな動機が思い浮かばん。でもこのままじゃ、川の流れに身を任せすぎのような‥。

で、この本はそんな私にピッタリなアドバイス満載でした。目からウロコ。以下メモ

・虚証も実証も未病。中庸がベスト
・中庸に近づくには、生活習慣を規則正しく、暴飲暴食をせず、適度な運動（お馴染みですか）
・虚証は長距離ランナー
・自分の好きな仕事を見つけることも大切だが、自分の体質にあった仕事を見つけるほうが大事
・組織を成長させる力より、組織を維持する力
・人々に与えられたあらゆる能力は不平等だが、それを受け入れて生きるしかない
・「努力が足りない」ではなく「その分野があってない」
・仕事があるから自分があるのではなく、健康な自分がいるから仕事ができる
・起床後の1分あたりの脈拍が73を超えていれば緊張状態＝仕事があっていないということ
・虚証タイプは体に無理なく定時で上がれる仕事なら給料安くてもそのまま続けたほうがよい場合もある
・趣味の時間は早起きしてその時間を充てるといい
・こどもの体質は12-13才頃に見極められる（給食の食べ方とその後の過ごし方）
・「生き型」ルーティンをきめる
・競争社会になるべく飲み込まれないようにしつつ、隙間を探す
・実証タイプはレンガ
・完璧を求めない
・無理なく定時で働きながら、徐々に軸足を移す
・趣味を最低３つ持つ
・虚証タイプの友人はペースメーカーになる

[NORISさんの感想 · 2013年10月30日]

今の日本はスピード重視の「実証型」社会ゆえ、
瞬発力がなく無理の聞かない「虚証型」の人は
劣等感を抱いたり心身の健康を害しがちだが、
短距離型か長距離型か、自分の体質を見極めることで、
長い人生の後半にもう一花二花咲かせて生活をたのしむことはできる、
とはげまし、そのための考え方や暮らし方のコツを伝授。
印象深いところを拾うと、
・男女でも上司部下でも最強のコンビは実証＋虚証
　（自分とは証の違うパートナーや友人を持つべし）
・人生の長期戦略として趣味を最低3つ持つ
・からだはとにかくあたためよ
・スーパー老人はごく例外的存在なので健康法を真似するな
など。

[tokutaroさんの感想 · 2013年10月13日]

20131013 自分も第二の人生を考える歳になったのか。実証にせよ虚証にせよ、前向きな気持ちが大事ということだと思う。

著者プロフィール

日本薬科大学学長

「2022年 『長生きショウガ新健康法大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」