- 集英社 (2014年2月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784087207279
作品紹介・あらすじ
1970年代から現在まで様々な国際交渉の場で通訳者として立ちあってきた著者が、多くの要人・著名人とのエピソードをまじえながら、言語を超えたコミュニケーションの普遍的「法則」を紹介する。
感想・レビュー・書評
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・「発言する」と「伝える」は、イコールでは結ばれない。「心」まできちんと届いて、初めて「伝える」といえる。
・心は熱く、頭は冷たく、言葉を武器に。
・何百年残る言葉もあるのに、ゆってもいないような残らないことはまは社会のエネルギーの消費。
・通訳の作業。
①聞く
②理解する
③分析する
④翻訳する
⑤話す
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いまや、仕事の準備をする上での軸になっている。伝える(伝わる)ために必要なこと。内容はあるか、熱意はあるか、論理・構成力はあるか。
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「発言する」と「伝える」は、イコールで結ばれない。学生時代の東京五輪を初めに、国際学会やダッカ事件、サミットの同時通訳を歴任した著者の言葉にはっとさせられた。
永らく英語を得意とし、英会話サークルにも参加してきた自分自身は、"英語を話していただけ"なのか、英語を道具に"何かを伝えようとしていた"のだろうか。
佐藤栄作首相の"善処します"は「最大限努力する」のか「何もしない」なのか。通訳に"正解はない"とする。
通訳への道から、各国の文化や首脳のコミュニケーション術。伝える極意満載、オススメの一冊。 -
自分の言葉で話すこと。やっぱり自分の思いを自分の言葉で話すから、記憶に残る。そうしてはじめて、相手と本当の議論もできて、相手のことが理解できるようになる。
コミュニケーションを取りたい相手がいるとき?→予備知識を入れる。
人前で話すとき、「何を伝えたいのか?」それをまず自問してみること。そこを考えればなんとか伝えよう、自分の言葉で話そう、として、うまく伝わるのかも。 -
翻訳は、語学の能力以上に伝える力大切と書かれています。 この伝える力は、コンテンツ、論理的な構成など、母語によるものがたくさんあります。
グローバルに対応する為、まずは英語という意見をよく耳にします。 その為には、母語でできることをまず、すぐにやるべきです。
その具体的な内容が書かれています。 -
英語
ビジネス -
今後AIがいくら発達しても、通訳者の代わりにはなれないと心から思った。
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2020年の東京オリンピックで、あるいはサミットで、40年以上にわたって通訳者として活躍する長井さんの本。コミュニケーションをうまく行うための、数々の「通訳の現場で見て、聞いて、考えた、いくつかのヒント」集(p.167)ということで、端的に言えば「伝えるべき内容(コンテンツ)があるのか」、「熱意があるか」、「論理性があるか」、「どう話せば相手に伝わるか」ということが、実例とともに述べられている。
ただ、『伝える極意』というと、なんかビジネス書まがいの感じがして、実際の長井さんをかえって小さく見せてしまっている感じがする。もっと純粋に通訳現場で見たエピソードを紹介し、それについて考えたこと感じたことのエッセイ、という形で割り切った形にした方が良かったかもしれない。エッセイなのか、ビジネス書みたいなことがしたいのか、正直曖昧なラインにある本、という感じがするのが残念。
通訳者として数々のスピーカーの声となってきただけに、著者なりに「この人の話、本当に分かりやすいし、伝わりやすく、それゆえ訳しやすい」という人と、逆に「聞いていても眠いだけ、でも訳さない訳にはいかないので、そんな話でもなんとか伝わるように誠心誠意やらなければいけない」というジレンマを生み、反感を覚えるような人、というのがいるのだろうと思う。
『伝える極意』については正直どうでもよく、それよりも著者の仕事ぶりが読めることの方が楽しかった。首相の通訳を歴代やってきた経験から、「一般に日本の政治家は、選挙演説はとても上手。(中略)もしかすると、日本の選挙は『この政治家、この政党に入れよう』という積極的な意志よりも『この政党はダメだ』という消去法的な雰囲気に支配される傾向が強いために、自分をアピールするよりも対立候補を批判するほうが効果的なのかもしれません。」(p.49)という部分は、確かにそうなのかも、と思う。アメリカの大統領選とかはやっぱり違うのだろうか、と思った。それから「通訳者泣かせのジョーク」の話で、「ジョーク、笑いというのは、それぐらい『時代の持つ空気感』や、それに基づく共通認識を必要とする」(p.111)という部分で、「時代の持つ空気感」というのはすごい漠然としたものだけど、やっぱりそういうものは絶対あるんだよなと思う。そう考えると、本気で自分が笑えるジョークというものに出会ったとき、同時にその「時代の空気感」というものも楽しめている、ということなんだと思う。そしてそれはその場所その時代にいる人には感じられないものなのだけれども。それから、3.11後の原発事故後の会議で、「アメリカ側の出席者たちは、緊迫した状況下の重大な会議でもユーモアを忘れずに会議に臨んでいました。決してヘラヘラしているわけではなく、緊迫した状況だからこそ、ときにはジョークを言って心に余裕を持ちながら事態に対処しようという姿勢がはっきりと見てとれました。いっぽう、日本側の出席者はというと、完全に余裕を失ってしまっている人が大勢いました。いわゆる"テンパった"状態です。」(p.128)だったそうで、なんかすぐ想像できた。確かに余裕のない時こその笑顔とかジョークとかユーモアというのは大事だと思う。難しいけど。安倍首相の福島原発事故の後の五輪招致会見での"The situation is under control."発言について、「あの場での発言が正しかったかには疑問を感じます。ただ、スピーチが、自分と自分の考えを聴衆に伝えるための行為だとするならば、そこで何を言うかを考えたとき、『自分にしか言えない言葉を話す』という価値判断基準を持つことは、ひとつの明瞭な答えだと思います。」(pp.137-8)の部分は、確かにそうかも、と思った。その立場だから言える、言わないといけない、ということを押し出すことも必要なのか、と思う。ちょうど『深読みシェークスピア』で翻訳家の松岡さんの本を読んだ後だったので、通訳と翻訳の現場感の違い、というのを比べられるのも面白かった。(18/07/14) -
日本人のスピーチは文学的で論理性に欠ける傾向がある。論理性よりも即興性。日本人は会議をつまらないと思っているから眠るのではないか。
日本人は議論が下手とも言われるが、もうこの言葉も聞き飽きた。自分の伝えたい思いを自分の言葉で伝えたい。
(20180303) -
尊敬する通訳者長井鞠子さんの本。通訳者としての悩みや喜びに共感しながら一気に読んだ。
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同時通訳の人の頭の中を知りたくて読み始めたが、その才能以上に、事前の努力の賜物であると知る。
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読了。国際会議などで通訳者として活躍する長井鞠子さんの本。通訳について、英語の学習についても書かれてあるが、中盤からの言葉を伝えるということ、コミュニケーションについての章がとても良い。「英語は道具である」彼女が一貫していうこの言葉は塩野七生氏も同様のことを言っている。英語を使い何を伝えたいか。コミュニケーションは双方向。理解し、伝えるということ。やはり、言葉はコミュニケーションなのだと感じる。ぜひ一読を。
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同時通訳って凄い技術です。ただ翻訳するだけでなく、即座にわかりやすい言葉に伝え直すんですから。
学会などの同時通訳の際には事前に学会のテーマなどをしっかり勉強するというのには感服です… -
国際会議などで活躍される通訳者の方が、その経験をもとに、コミュニケーションについて語られています。コミュニケーションにおいて一番大事なのは、これを伝えたい!という確固たる気持ち、そしてそこに知識や論理性・テクニックがついてくるとなおよい、ということがわかりました。
思考をめぐらすことも大事だけれど、そのうえで自分の立場を明確にし、伝えたいという強い気持ちをもっと押し出すことも大事だと実感しました。 -
請求記号:SS/801.7/N14
選書コメント:
同時通訳者。主要国首脳会議(サミット)の通訳は20回を超える同時通訳の達人として有名であり、政財界のトップの人たちとのエピソード等の内容は英語学科や英米文学科学生へ刺激となる良本である。
(東松山図書課 参事) -
講演を聞いて興味を持ち購入。同時通訳者から見たコミュニケーションの真理とは、相手の気持ちを理解することと至極まっとうでわかりやすい極意を伝えてくれている。グローバル化が叫ばれる中、英語力の有無とは別に誰かと意志疎通したいと思うすべての人に読んでもらいたいと思う。
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[ 内容 ]
日本人のコミュニケーション下手が言われて久しいが、加えて昨今はメールやSNSなどの普及によって、相手に面と向かって対峙したときの「伝達力」がさらに劣化している。
著者は、一九七〇年代から様々な国際交渉の場に通訳者として立ち会ってきたが、そのなかで得てきた、言語を超えたコミュニケーションの普遍的「法則」を紹介する。
相手が外国人であっても日本人であっても、単に「発言する」だけでなく、しっかりと相手に「伝える」ためには、なにが必要なのか。
「話す・聞く」のプロが、国内外の著名人との貴重なエピソードをまじえながら「心を伝える」極意を語る。
[ 目次 ]
第1章 会議通訳の現場(通訳者と翻訳家;世界初の同時通訳 ほか)
第2章 通訳者への道(帰国子女が簡単に通訳者になれるわけではない;英語を理解するための「聖書」との出会い ほか)
第3章 通訳者の生活とその技術(プロの通訳者としてデビュー;音楽経験とヒアリング力 ほか)
第4章 国際会議での日本人(居眠り;「みなまで言うな」の文化 ほか)
第5章 言葉を伝えるための「五つのヒント」(通訳者と語学力;「相手の話を聞く」ということ ほか)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
今年3月3日放送の「プロフェッショナル~仕事の流儀」に感銘を受けて読んでみた。あの時ほどの衝撃は受けなかったが、通訳の現場での様々なエピソードはとても興味深かった。
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良書。
通訳は、単に訳すのではなく、伝えること。確かに、コミュニケーションは伝えることだ。伝えたい事がぶれないこと。
歴代首相のエピソードは、単に読み物としても面白い。 -
本当はいろんな人とコミュニケーションをしていきいきした生活がしたいと思っているのに、実際は処世術を身に着けることを目的に生きてきたのではないかとこれまでの生き方を振り返った。自分の意見をいわずにその場しのぎでお茶を濁してきたのではないか。
私は、人と交流していきいきした生き方をしたい。そのためにはコミュニケーション力が試される。自分の意見を持ち、発信し、相手を理解し、交流する。
伝えるため必要なことは
伝えたい内容を持っているか。
伝える意欲があるか。
話を相手にわかりやすくするための論理性・構成力があるか。
この3点を著者はあげているが、自分に当てはめてみると、できていないことがわかる。家庭の会話でさえ、伝えたい内容があっても、伝わらないともういいやと意欲は減退しあきらめてしまうことがある。これも練習だ。意欲と、相手にわかりやすくするための論理性・構成力をつけたいと思った。Communication bigins at homeである。
