「謎」の進学校 麻布の教え (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 279
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207583

作品紹介・あらすじ

東大合格者数ランキングのトップ10に50年以上名を連ねながら、「進学校」のイメージを裏切り続ける麻布の魅力に迫る。現役の生徒から保健室の先生、麻布が輩出した各界のOBまでを徹底取材!

感想・レビュー・書評

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  • 日本屈指の進学校、麻布高校のルポルタージュなんですが、一読して「ここの生徒はすごい」というのと「ここの生徒は大丈夫なのか?」という相反する感想が混在する不思議な感覚になりました。著者は本の帯にもあるように「この学校、何かが「変」だ」と書いていますが、私と同じような感覚なのか、この手の本にありがちな「マイナスなように見えて実はこれはすごいんだ」的なものではなく、批判するところはしっかりと批判しています。ただ、このような毀誉褒貶相半ばする本の出版を認めた麻布の先生方には脱帽します。
    まず何がためかというと、教室を片付けないためごみが散乱しているところ、時間にルーズ、人が前に立っても着席をしてその人を向かないところなど。これを駄目だと思うのは私の頭が古いから、堅いからではないと思います。基本的な社会のルールはきちんと学ばせるべきでしょう。
    一方でやっぱり彼らの力はすごいと素直に感心します。文化祭などの企画・実行力、いったん火がついたときの集中力、知的関心の高さetc・・・
    例えば社会科に限っていえば、中学生は3年生でグループによる卒論、高一での「社会科基礎過程修了論文」通称「修論」はタイトルを聞いただけで、本当に高一で完成させたのかと半信半疑になるくらい重厚なタイトルが並びます。本書で紹介しているのは
    「アメリカの宗教右派とG・W・ブッシュ政権との関係性」
    「現代日本におけるトランスジェンダー」
    「東ドイツ国民から見た東西ドイツ統一と東ドイツ」
    「刑法39条は必要か~精神障害者をどう裁いていくのか~」
    (まあ、ブッシュ政権の時はブッシュとネオコンやキリスト教右派との関係はかなり取り上げられていましたが・・・)こういうことに興味・関心を抱き、また一つの形にまとめることが出来る能力には脱帽せざるを得ません。
    それにしても、おそらく私はこの学校に勤めることはできないでしょう(立場や能力ではなく、教育観の問題で)。今の学校では私はおそらく生徒に認めている自由の幅は他の先生方より広いだろうと思います。それは私の教育観(というほど大げさなものではないのですが)、人として、生徒として基本的なことをきちんと踏まえているのならば、あとはいろいろと自由にさせて失敗を経験させようというものだからです。けどこの「人として、生徒として基本的なこと」にはもちろん“ごみは捨てない”“時間を守る”“人の話をきちんと聞く”などは含まれています。これを(生徒ができるできないではなく教壇に立つ側として)出来ないことを許容する学校は私には耐えられません。多くの進学実績があり、また多くの優秀な人材を輩出している学校で、高い社会的地位ではなく人間的にも素晴らしい人も多く卒業しているであろう麻布高校を私が批判することは出来ませんが、合う合わないくらい言う自由があるのならば、やっぱり私には合いません。ただ、とにもかくにも一度この目でどういう生徒たちが通っているのか、どういう授業が展開されているのかなどは見たい気がしています。そういう機会が訪れれば良いのですが・・・

  • 面白い学校との噂は何度か聞いていたけど、ここまでとは。教える側はとても大変だけど、全ての生徒に居場所を与えられると言う考えはとても魅力的。誰でも入れるらしいから、学校説明会に行ってみようかな。

  • たまたま本屋で手に取った一冊。
    ルールは自分達で作る自由すぎる高校時代を過ごしましたが、上には上がいました。

    脳みそを使って遊ぶ人間が集まると自ずとスリリングな環境が生まれていくと実感します。

  • 麻布の内情について赤裸々な内容も含む。
    子を持つ身としては、浪人の多さは気になる。
    子供の自由を許容するのも、お金がかかる。

    男子校進学校特有の感覚は麻布に限った話ではないであろうかと

  • 麻布高校の方針や教師/生徒のナマの声が詰まった良書。
    詰め込み型の知識教育ではなく、自分で考えさせる土壌を培おうとする教育方針は素晴らしい。
    だが、学歴社会である以上、どの大学に行くかは非常に大きなウエイトを占めているので、最終的に大学受験がある高校は難しいと思った。慶応志木とも似ているとこが多くあると思ったが、志木高と大きく違うのは、よくも悪くも大学受験が無いこと。
    でも普通の高校とは一線を画した教育方針は興味深い。

  • 羨ましい
    若い

  • 「自由に生きよ」それが御三家進学校:麻布学園の普遍的価値観である。あなたは「自由」に生きられていますか!?自由を知っていますか??

     自由に生きるなら、責任も持てる人間にならなければならない。それを麻布学園では経験できて、学べる。子供の裁量に任せた教育。

     しかし、子供が「社会化」してきている今、それも通用しなくなってきているという。新しい「自由」を学ぶための教育方法の研究が必要だな。

     やっぱ大人が勇気を持つしかない。勇気をもって子供の好き勝手させてあげよう。そして、間違えたら論理的に間違いを叱ってあげよう。

  • あまり面白くないかな。

    自由な校風と東大進学率を両立させている麻布を取材した本ですが、正直なところ最後は流し読みです。

    開成を題材にした「弱くても勝てます」を昔読みましたが、そちらの方がもっと個性的で、生徒の個性がよく出て面白かったですね。

    変わった校風や教育理念の紹介が大部分を占め、生徒の生の声が少なかったのがつまらなかった理由かな。

    どちらかというと、学校の魅力を作者が引き出せなかった感じです。

    特にオススメするほどでは無いです。

  • 「自由に生きよ」そのための「知識」ではなく、「考え方」を導く。素晴らしい理念とそれを今なお継続しようという心意気。いいなぁ^ ^

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