橋を架ける者たち ――在日サッカー選手の群像 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208498

作品紹介・あらすじ

強豪として知られる朝鮮高校サッカー部出身のアン・ヨンハ、リャン・ヨンギら、サッカー界を賑わせた選手たちの物語から、在日を取り囲む日本社会の今が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  •  在日朝鮮人のサッカー界に迫るノンフィクション。

     鄭大世など、ここ数年Jリーグや北朝鮮代表に在日朝鮮人のサッカー選手が目立つようになった。その背景には在日朝鮮サッカー界の長い努力があった。
     近年のスター選手だけでなくかつての選手(現在の役員)や裏方の人達まで、多くの人のサッカー人生を追うことで在日サッカー界の姿が浮かび上がってくる。さらにレイシズムとの戦いや国家の枠に入れない民族の為のCONFIFAワールドフットボール・カップのことまで書いてある。
     彼らにリスペクトを抱かずにはいられない。最後まで読んで胸が熱くなった。

     サッカーはアイデンティティになりえるものなのだ。
     

  • 面白かった。安英学はすごく良い人そうだな、と思ったら本当に良い人みたいで安心した。テセとお兄さんのイセの話も異端児な感じが面白かった。

  • 東2法経図・6F開架:783.4A/Ki39h//K

  • ★個人と民族と国家をまたぐのがまさにスポーツ★以前から疑問だったのは、資本主義の日本で育った選手が北朝鮮代表に入って、チームメイトとどのように交流するのかだった。本書はこの点にはあまり触れていないが、個人の責任とは全く異なる理由で苦境に置かれた選手たちとそれを支えた市政の熱い環境(Tリーグ)、そして離散者とマイノリティーのW杯であるCONIFAのルポは予想を超えたところで興味深かった。特にCONIFAは、参加チームを尊重するがナショナリズムの発揚は拒むところにスポーツの素晴らしさがある。

    サッカーを通して民族と国家の狭間を描けるのは、著者ならではの分野だ。

  •  これまでも、何人かの筆者が、このテーマに取り組んでいる。最初期よりも、選手の活躍の場は広がっている しかし、いつまで経っても、日本社会の偏見は消えないのか。
     WBCを見ていると、パスポートに拘るが故に、野球自体は各国に広がってはいないが、それをプレーする者達は、ずいぶんと多様性を持っていることを学んだ。また、ラグビーのように協会主義を取ることによって、より豊かな代表チームが編成できることもある。
     

  • サッカー選手として成功して、サポーターから愛されて、国籍なんてどこでもいいじゃない、なんて軽く考えていた自分を反省。何もわかっていなかったけど、この本を読んで少しわかってきたことがある。もっと知らなければいけないことがたくさんあるな。

  • 東アジアのサッカー選手には関心なかったが、「在日」北朝鮮籍の選手たちのそれぞれ壮絶な来し方が知れてよかった。今まで無関心だったのを申し訳なく思う。せめて日本サッカー界からはヘイトをなくしたい。

    CONFIFAワールドフットボール・カップ,出場できればドネツク、ルガンスクあたり優勝候補なんじゃないかな。あと、沿ドニエストルとか。

  • 「すばる」の連載を新書化したもの。
    在日、朝鮮高校サッカー部出身者の(サッカー選手としての)人生に焦点を当て、その生き様を描いた。
    私としては、知っていることも多かったが、FCコリアが出たもう一つのW杯は面白く読んだ。朝鮮学校唯一の日本人教師・藤代隆介さんも登場した。何人か友人が出ていてびっくりしたが、まぁこういう本は売れないのだろう。マニアック過ぎるわな。

    2016.11.8.

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著者プロフィール

1962年愛知県生まれ。中央大学卒。ノンフィクションライター。東欧やアジアの民族問題を中心に取材、執筆活動を続ける。おもな著書に『オシムの言葉』(集英社文庫)、『蹴る群れ』(集英社文庫)、『無冠、されど至強 東京朝鮮高校サッカー部と金明植の時代』(ころから)、共著に『さらば、ヘイト本!』(ころから)など。

「2019年 『13坪の本屋の奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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