スノーデン 日本への警告 (集英社新書)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208764

作品紹介・あらすじ

米国政府が行っていた大量監視の実態とメディアの役割等をあのスノーデンが明快に解説。後半はスノーデンの顧問弁護士や公安事件に詳しいジャーナリストら日米の精鋭が、監視問題の議論を深める。

感想・レビュー・書評

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  • テロリストに殺されるより、浴槽で溺れ死ぬ確率の方が高いのが衝撃だった。
    ネット社会が進む中、情報統制のあり方、表現の自由などにおける日本の政治動向に注視していきたい。

  • £3.00

  • 監視に対する監視の重要性。
    要警戒対象視察結果報告の詳細さを知った。

  • 前半はシンポジウムのスノーデンインタビューを収録したもので、後半はパネリストによる対談となっている。前半は読む価値があると思ったが、後半の日本の公安に関する記述などはデータ不足感が否めなかった。

  • とても内容の充実したシンポジウムだった様で、書籍で読む機会があり、有難い。
    本書を読んで、スノーデンのリークについて、それがもたらした事への理解を得てく中で、米国におけるジャーナリズム、市民社会、民主主義の成熟度が、日本とかなり違うなぁと改めて感じる。政府による監視について、日本での関心の低さはマズイ、もっと議論が必要、とも。(公安の話も興味深い内容。)

    あと、GDPRって、スノーデンの件がきっかけだったんか...と今更知る。

    あとがきにあるワイズナー氏の「民主主義には行動する責任が伴う」は、肝に銘じたい言葉。

  • アメリカだけでなく、日本も一般市民がスマホなどのビッグデータから監視されていることがよくわかる本。

    個人的には、『(政府によって)監視されることを監視するのが本当の民主主義』という言葉と、青木理さんの『日本のマスメディアのレベルが低いのは市民のレベルが低いから(写す鏡?)』(どちらも引用ママではなく、ニュアンスしか汲み取ってません)が印象的だった。

  • 2013年に国家による個人情報の監視の実態をメディアにリークしたエドワード・スノーデンが、亡命先のロシアから日本に向けたメッセージ(警告)です。

    技術の進歩によって、以前とは比較にならないほど簡単に・低コストで国家が個人を監視することが可能になりました。
    そして2001年9月11日にアメリカで起こった同時多発テロをきっかけに、ムスリムの監視強化という形で現実のものになります。
    問題は国家による監視が適切に行われていることを監視する仕組みがないまま、なし崩し的に個人の監視が常態化してしまったことです。そして、同様のことが日本でも行われる可能性があるということです。

    執筆されたのがトランプ大統領就任前・GDPR制定前ということで現在とは状況が若干異なるものの、個人監視の実態を知らなかった身としては、決して聞き流すことができない内容でした。

  • 2016年6月4日に東大で開初めて催された監視をテーマにしたシンポジウムの記録。
    2013年6月に、エドワード・スノーデンがアメリカ政府の監視活動の実態に関する隠されてきた情報を、メディアを通してこの世にさらしてから3年後の話。
    今私がこの話を読んでいる今に至るまでは、そこからさらに3年が経っている。

    「自由を享受できる社会は市民が主役になって初めて実現される」
    政府に勤めながら一市民として行動をとることを恐れなかったスノーデンの力強いメッセージ。
    自分の生きる社会の在り方に関心を抱くこと、受け身にならないこと、いくためには一人一人が社会の構成員として能動的に考え行動することが民主主義社会に生きる市民の義務であり、責任であり、役割だという事実を突き付ける。
    監視の問題は民主主義の問題で、つまり市民一人一人が知るべきこと。

    ぼーっと生きてしまている自分にまた気づく。
    勝手に法律できてるし、政策改まってるし、権力がさらに集中化してるし、市民の自由に制限がかかってるけど、いいの、って言われてきちんと応答できる人、社会でありたい…

  • ●NSAが同盟国であるドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴
    ●テクノロジーが進歩して、あらゆる人のあらゆるデータが収集、監視できるようになった。
    ●政府はグーグルの検索ボックスに打ち込んだ内容を、全てモニタリングできる。
    ●ロシアに亡命中のスノーデンは、アメリカに戻る気はあるが、帰国の条件については、公平な裁判を行い、陪審員にやったことは正しいことだと言うことを主張できるかどうかである。
    ●実は以前に、トーマスドレイクと言う人が、NSAの問題を内部通報している。
    ●スノーデンの陸の内容は次の3つ。①電話のメタデータの提出② SNS等の通信内容を秘密裏に提出させるプログラム②アップストリームと呼ばれるもので、海底光ファイバーケーブルに直接アクセスして目当ての情報を入手するプログラム。
    ●私たちの交際関係の全てを保存している。これはタイムマシンのようなものです。過去にさかのぼることだけができる「監視タイムマシン」
    ●アメリカでテロリストに殺される確率は400万に1つ。浴槽で溺れ死ぬ確率の方が高いのです。それなのになぜ「私たちを安全してくれるのであれば、プライバシーを犠牲にすることはいとわない」と考えるのでしょうか?

  • 2016.6.4東京大学本郷で行われた公益社団法人自由人権協会70周年プレシンポジウム「監視の”今”を考える」がベース。スノーデンのメッセージ、信教の自由・プライバシーと監視社会。

    日本のプレスへの圧力は、銃や暴力ではなく、企業・インセンティブ・取材源や政府の地位や権力によるものという指摘。その通りだと思います。

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著者プロフィール

ノースカロライナ州エリザベスシティ生まれ、メリーランド州フォートミード育ち。システムエンジニアとして訓練を積み、CIA職員となって、NSA契約業者として働く。現在は報道の自由財団理事会の議長を務める

「2019年 『スノーデン 独白 消せない記録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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