- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087210408
作品紹介・あらすじ
「テンプル騎士団」はエルサレム巡礼に向かう人々の保護のために設立されたが、軍事力、政治力、経済力すべてを持ち合わせた超国家組織に変貌を遂げる。西洋歴史小説の第一人者がその興亡を描く。
感想・レビュー・書評
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本や映画、果てはゲームに至るまで、折にふれ登場するテンプル騎士団。名前は知れど、よく知らない。で、勉強したくなりました。
わかったのは、騎士にして修道士という二面性にとどまらず、軍隊、警察、地主、農家、商人、運送業者、旅行業者、そして金融業者と東西を股にかけ、Googleも真っ青な超国家的組織だったということ。
まさに空前絶後の存在が、ああもあっさり滅びてしまい、後の世では秘密結社だとか斜めに上の角度から語られるようになるのは歴史の無常を感じる。肥大しすぎて組織としての在り方に問題があったのか、本書からはそこまでは分からなかった。カタカナが多くて読みにくいのはお覚悟を。勉強になりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヨーロッパ初の常備軍であり、ヨーロッパ一の大地主であり、ヨーロッパ最大の銀行。城塞を持ち、農場を持ち、銀行窓口でもあった支部をヨーロッパ中に張り巡らせた。超国家的な組織。それでもあっけなく滅びた(13日の金曜日)。ジェダイの騎士の元とも言われる。
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子供に、100万円クイズとしてテンプル騎士団とはなんだと、出した。外れたけど、後日しっかり覚えてた。質問するには、インパクトが大事。
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ヨーロッパの警察であり、銀行でもあったテンプル騎士団。漠然と十字軍の一部という印象を持っていたが、悲しい最後も含めロマンを感じさせる200年の物語。ジェダイに例えた箇所がたくさん出てきてその度さらに切ない気持ちになる。
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点と点がつながる一冊。とても歴史的に詳細に記載されている。特にテンプル騎士団の発生、すべての十字軍の経過、戦歴、そして東方での活躍をバックアップするための西方でのシステム、とても勉強になりました。中世の物理的+金融ネットワークであったことも強力な集団として理解ができました。各物語で知っていた中世のヨーロッパ史がとても良く理解できました。
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フィリップ4世のテンプル騎士団の弾圧からスタートし、歴史を遡って騎士団の結成から活躍、その富と権力の源泉まで具体の数字を挙げながら解説
入門編としてとても良い -
様々な伝説が時にオカルティックにすら語られるテンプル騎士団の実態を、細かな事実を積み重ねながら紐解いていく、まさにテンプル騎士団の総合ガイドブックのような本。澁澤龍彦の「秘密結社の手帳」でテンプル騎士団のことを知った身としては、なるほどあの事実の裏にはこういう事情があったのかと、話の辻褄が合う感覚を得られたのはよかった。
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かねがねヨーロッパを旅するときに、知っていた方がより楽しめるなと思っていた「テンプル騎士団」。これまでなんとなくしか知らなかったので、その成り立ちや滅亡の経緯、手掛けていた様々な事業などについて初めてちゃんと理解ができて、たいへん面白かった。まさか中世に国をまたいで、銀行業のようなことまでしていたとは!何世紀を経ても名前が残っているだけの団体だったのだと納得できた。(滅亡の経緯はなんだかとても残念な感じではあるけれど…)
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十字軍時代に誕生した多くの騎士修道会の一つ、空前絶後の影響力を持つ騎士団がありました。
それがテンプル騎士団で、国王や教皇だけでなく聖ヨハネ騎士団やチュートン騎士団をも凌駕するものでした。
修道会であり、軍隊であり、農地であり、銀行であり、世界最大の地主だったのです。
彼らは一体何なのか、歴史小説家の筆致によって綴られます。 -
12世紀から14世紀のこの時代の西洋の知識は全然自信がなかったが、非常にわかりやすく読めた。
この時代はキリスト教とイスラム教の対立が世界を二分しており、国という物よりもどちらの宗教を信じているかが人々の中心だった。
テンプル騎士団が常備軍であり、領主であり、銀行であったということは驚きだった。
作者の小説を読んだことがないけど、『王妃の離婚』とかおすすめらしいから読んでみよう。