富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く (集英社新書)
- 集英社 (2018年8月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087210446
作品紹介・あらすじ
ワークシェアリング的な雇用環境、女性が働きやすい仕組み、独居老人の少なさ、公教育への高い信頼……保守的な土地柄のはずの富山で「リベラルの理想」が実現しつつある。その背景にあるものとは。
感想・レビュー・書評
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1.なんで富山がスウェーデンなの?どういうこと?と思ったので読みました。
2.富山県は県民の幸福度や女性の正社員比率が高いという数値が出ており、日本の中でも住みやすい県となっております。寒い気候だからとか、東京からのアクセスが悪いからと言って敬遠されがちですが、侮れません。富山県は「このゆとーまれ」という事業を起こしたのですが、これは「金は出さないが口も出さない」という内容で、どこの行政も行っていないことです。このように、ユニークなアイデアが出せる行政と、共同体の名残が残り、人との繋がりを実感できる環境であることが住みやすさを生み出しています。このほかにも、富山県の魅力について本書は書かれています。
3.富山県の実収入や幸福度が高いことは衝撃でした。昔、日当たりが悪い地域ほど鬱病になりやすいという都市伝説のような話を聴いたことがあります。これはあながち間違いではないと思っていたので、信じていたのですが、この考えはすぐに捨てようと思いました。
そして、富山県は今、めちゃくちゃ発展した県になっていることが興味深かったです。現在、スマートシティ事業を推進している代表的な県で、行政の取り組み方が積極的な姿勢です。このようなに行政と民間が頑張っている姿を他にも示していることが本人たちのやる気も誘発しているのだと感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本地図を長野あたりを中心に180度回転させると
能登半島が房総半島で、富山県が神奈川県になるような気がする。
高岡は鎌倉。大仏がいるから。
スウェーデンかどうかはわからないけど、
外国のようではありました。
神奈川と180度ぐらいちがうかも。
県外に移動した人のうちUターンで出生都道府県に戻る人の割合は
沖縄に次いで富山が高いそうです。
だけど豊かな自然、美味しい食事、住みやすさ、働きやすい社会を誉めると
「なーん、そんなことないちゃ」という言葉がかえってくる。
当たり前すぎて気づかないのです。
気づいた人がUターンするのかも。
富山からちょっと離れたところにいる井出英策さんだから、
富山の個性をたくさん発見できるのかもしれません。
でも実は彼のお話はところどころ難しかったです。 -
ブックカフェにて流し読み
富山市在住です。
歴史的変遷や、統計の数字を並べながら、富山の住み心地の良さを分析している本。
そうだったのかー!とか、(他との比較で)そうなの?とか、色々な発見がありました。
スウェーデンは世にしれた高福祉国ですが、富山の在り方をスウェーデンと比して書いてあるのは、なんだか目から鱗な気分でした。
なーん、そんなことないちゃ
(いやいや、そんなことはないですよ)
と、自己肯定感が低めの県民性ですが、外側から客観的に見た豊かさの指摘は、なるほど!と思わされると共に、自信や心のゆとりにも繋がりました。ありがとうございます。
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舟橋村や朝日町が地域おこしで特徴的な取り組みをしていること、元県民でも知らなかったです。
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桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/625116 -
学者の本なので、少し回りくどい。
指標を比べ、その背景を検証。
福祉のあり方に、オススメですね☺️ -
一村一家
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302.142||Id
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富山県は三世代居住が多く、女性の就労率が高い、大企業が多く、就業環境が整っている。富山型のデイサービスがあるなど、福祉が充実。
そのような状況になった歴史的な経緯を見ている。
アリストテレス政治学では、家族を毎日の必要なために自然にできた共同体とする。 -
私の周りで話題になっていたので読んでみました。
外からみえる富山ってこういうようにも見えているのですね。
富山県民がよく言う「なんもないちゃ」じゃない、
魅力がたくさん詰まっている場所だとは県外出身者からみて感じていました。
保守とか革新とかで、私達がどちらかに当てはめようとしていること自身、
考え直さなければならないというのは、なるほどと思いました。