世界が変わる「視点」の見つけ方 未踏領域のデザイン戦略 (集英社新書)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 集英社 (2019年4月17日発売)
3.57
  • (11)
  • (25)
  • (31)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 496
感想 : 38
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784087210743

作品紹介・あらすじ

“目からウロコ"の大人気授業、待望の書籍化!

ユニクロ、楽天、セブン‐イレブン等の企業、
今治タオルなどの物産品、幼稚園や大学などの社会施設……
様々な領域でブランド戦略を手掛ける佐藤可士和が、
2012年から慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)で
行っている画期的な授業「未踏領域のデザイン戦略」を書籍化。
一見、デザインとは無縁な「健康」「平和」「防災」「幸福」など
抽象的なテーマに、どのようにデザイン的思考が反映されるのか?
全ての人が活用できる「デザインの力」とは?

「未踏領域」で学生たちが取り組む「デザイン」とは、
つまるところ「新しい視点の発見」にほかなりません。
それは万人に開かれた技術です。
(「おわりに」より)

浅い理解の時は、「こういう技術があるよ」ということがデザインだと思っていました。
しかし、そうではなく、「こういうことを考えたら面白いよ」というアプローチがデザインなのだ、と今回の受講でわかった気がします。
(第2章「学生たちの感想」より)

【目次より】
・「コミュニケーション」をデザインするとは?
・「デザイン」はよりよい日常へのツール
・大学の授業という「未踏領域」のデザイン
・ダメ出しはする、アイデアはいわない
・学生たちのプレゼン実例「防災」「オリンピック・パラリンピック」「キャンパスビルド」「強靭健康社会」「本当の平和」「無二の私の幸福」
・まず「自分事化」してみよう
・「右脳」と「左脳」のキャッチボール
・「もがき」はスキル向上の踏み台
・リーダーシップとフォロワーシップ
・パカーンと光が当たってコンセプトを発見する
・デザインとは「ビジョン」を設計すること
・「課題」→「コンセプト」→「ソリューション」
・「勘」と「感」を研ぎ澄ます
・「個人の感覚」を制御するな、むしろそこを掘れ
・経験値を高めて、多様な「視点」を獲得する

【著者プロフィール】
佐藤 可士和(さとう かしわ)
1965年生まれ。クリエイティブディレクター。
慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授、多摩美術大学客員教授。
2016年度文化庁文化交流使。
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、博報堂を経て、2000年に「SAMURAI」設立。
ユニクロ、楽天グループ、今治タオルなどのブランド戦略、国立新美術館のシンボルマークデザイン、
「ふじようちえん」「カップヌードルミュージアム」のトータルプロデュースなどを手がける。
『佐藤可士和の超整理術』など著書多数。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 慶應SFCの人気講義内容を書籍化。未踏領域のデザインという言語化、テーマ設定が秀逸。可士和氏が講義を引き受けようという気にさせられたのも頷ける。

  • 佐藤可士和の本第二弾

    デザイナーの人の本は経理管理に刺さる。ビジョンを設計するには、自分ならではの視点が必要であり、それ力をつけるにはいろんなことを経験するのが大事。当たり前だけどやっぱりそうかぁとなる、もっと動物的にいろんなことに首を突っ込んでいくのがよいんだろうなぁ

  • ユニクロ、セブン、日清、今治タオルなど手掛ける。
    デザインの核はコミュニケーション。
    デザイン能力スキルは訓練で伸ばすことが出来る。
    デザインとは思考法であり考え方(ビジョン)の設計。

    問題を「自分事化」させ前提を疑い、本質を探る。
    いわばドクターに近い。物事におこる症状の原因を探る。
    耐久性のある普遍的なコンセプトがしっかりしていなければいけない。

    勘と感。
    ファーストスケッチを因数分解して、なぜを探る。

  • 中途入社のおじさんに教えてもらって知った佐藤可士和さん。(おじさんはずっと広告業界で働いてきた方です)

    ユニクロや今治タオル、楽天のロゴなどを作成されている方。
    この方だったのですか!!という驚きで、
    どうしてもお盆中に
    佐藤可士和さんの本を一冊は読みたくて、手に取りました。

    慶応義塾大学で
    「未踏領域のデザイン戦略」という授業を担当され、
    実際にそのなかで学生が考えた成果物(結果)と、
    授業内容、それに対しての佐藤さんの考え方、
    そして、
    佐藤さんの「デザイン」に対する考え方も書かれている、
    とても贅沢な一冊でした。

    帯に、
    -------------------------
    誰だって「デザインの力」を使える。
    大切なのは、この3つ。
    ①課題
    ②コンセプト
    ③ソリューション

    ①の「課題」とは、問題を解決するための
    取り組みやテーマのことです。
    ②の「コンセプト」とは、
    考え方の方向性のことです。
    ③の「ソリューション」とは、具体的に課題を解決するアイデアと実行プランのことです。

    ①「課題」→②「コンセプト」→③「ソリューション」は、シンプルでありながら、極めて有効なフレームです。
    この順番だけは、ぜひ覚えておいてください。
    -------------------------
    とありますが、
    もうすべてこれに尽きます。笑
    すでに帯でネタバレしてます。苦笑

    デザインは感性だけではなく、
    問題解決の思考も大事なんだと思われます。
    大事なのは、課題に対するコンセプトであって、
    ソリューションが先に来るのは間違い、だと。
    そうすると、中身の何もない成果物しかできない、と。

    本書を読んで思ったのは、
    本書に登場するこの授業ですら、
    佐藤さんにデザインされているんだな、と。
    そして大学生が考えるデザイン結果がとても素敵でした。

    コミュニケ―ションと煙が出るまで考えること、
    そして時代に対する反射神経、
    読んでて、なるほどが止まらない一冊でした。

  • 「一に課題、二にコンセプト、三にソリューション」と書いているが、著者はコンセプトという言葉を「考え方の方向性」という意味で使っている。
    コンセプトはまた判断基準や視点だとも書いてあることから、物事の評価軸に何を置くかという意味で使っているようだ。
    「コンセプト(考え方)」はまた、チームメンバーで共有することで、いろいろな意見が出たときに、取捨選択の判断に使う「定規」の役割として有効だと言う。
    『課題』という言葉に、含んでしまうこともできそうだが、分解の仕方として参考にしようと思った。

  • 本書を読んでまず感じたのは、近年の学校の在り方や学生の学び方が随分自分の若い頃とは変わったなという点である。これは慶応SFCだからなのか、総合政策学部とか、環境情報学部といった学部の特徴からきている独特のものであるのかもしれないが、この様な環境で、本書に記載されている授業を受けている学生が非常に羨ましい。少なくとも私の在籍した大学は考える・学ぶというよりも「教わる」感覚の方が大きかったし、学部的に法律がメインであったため、判例を片っ端から記憶し、当てはめ直す=神経衰弱の様な「記憶」に頼る部分が多かった。友人の中にも慶応に行った者は多く、未だ交友関係を続けて偶に飲んだりもするのだが、本書にある様な学生の雰囲気は感じられない(勿論、記憶力や考えるスピードは光るものがあるのだが)。言い方は悪いかもしれないが、クリエイティヴさはあまり感じた事はない。今から大学受験をやり直せるなら、こういったカリキュラムのある学校に行って見たかった、それが本書を読んで最初に浮かんだ感想だ。
    本書はデザインを単なるプロダクトデザインや空間デザイン、グラフィックデザインなど一つの視点から入るのではなく、例えば企業のある製品のCMづくりであれば、その製品コンセプトや製品そのものの魅力から作り直す様な大胆な手法として捉える。筆者は著名なデザイナーである事は間違いないのだが、単なる目に映る視覚的なもの以上に、人々の感覚や感情に訴えかける事を重視する。それにはクライアントとの向き合い方から、課題発見、コンセプト作り、最後にソリューション選定といったビジネスの基本スタイルを徹底的に実施する事の重要性について再認識させてくれる。
    仕事の中でも、頻繁に企画書を書いたりレビューする機会があるが、「製品・ソリューションありき」は社会人の企画書にも非常に多いと感じる。何か閃きで自分のやりたい事、目の前の課題を一つの解決策決め打ちで持ってこられる事は多い。課題は確かに今困ってるから何とかしなければという問題意識から生まれているのだろうが、よく考えるともっと他にある大きな原因を見落としていたり(目の前しか見れてない)、考えが短絡的なものを多く見かける。だから、本書にある様に「課題」設定が最終的な成果の大きさを決める最も重要なプロセスだという意見には大きく頷ける。
    そうした深く考察する能力は社会に出れば必須であり、会社のお金を無駄には使えないから、上司のレビューで徹底的に必要性と対策の妥当性を見極められる。学生時代に中々そうした事の重要性に気付かせる授業は、少なくとも私の大学や授業には無かった。仮にあったとしても少なくとも授業を受ける側の学生の大半がその重要性を認識出来ていなかったと思う。だから羨ましく感じたのかもしれない。過ぎ去った時間を取り戻す事は出来ないので、後悔していても始まらないが、本書の様な書籍に早くに出会っていれば、少しは自分の考え方や人生が変わっていた様にも思う。
    本書には他にも、既に長い間ビジネスパーソンとして過ごしてきた様な私にも、改めて学生に戻って授業を皆で受けて考えている様な感覚に陥る内容が沢山書かれている。少しの懐かしさと羨ましさと後悔を覚えながらも、今も目まぐるしく動き続けるビジネスシーンに参考になるヒントがあるように思える。

  • SFCで特別講師をしている佐藤可士和さんの授業内容をもとに
    「授業内容を聞く生徒への思い」「生徒・卒業生の声」「一緒に授業を務めた先生との対談」「佐藤さんの経歴」を通して、多角的な視点から実際に佐藤さんの授業を聞いているような感覚で新しい視点の見つけ方を学べるようになっている。

    フォーマット式にまとめてあるというよりは、感性を大事にしつつロジカルな内容となっていて、コミュニケーションという掴めないものを対象にした領域の解決方法を生徒とともに探っているように感じた。



    最終的なグラフィックもシンプルで明快なところが特徴ですが、文章も同様の特徴を帯びている感触でとても分かりやすかった。

    導入のイントロでよく取り上げている、博報堂時代の仕事の「KIRIN CHIBI LEMON」の事例など、一つ一つのターニングポイントの論理もわかりやすく、キャリアデザインとしても参考になった。


    「コミュニケーションの不具合」に対するところの課題を意識されていることがデザインする上での起点として分かりやすいと思った。

    その課題は数値的な判別は付けづらく、マーケターなどのビジネスより職業の方では難しいように感じられた。
    だからこそ、デザイナーの感性が必要とされているんだなぁと思ったりした。
    私自身デザイナーの活動として、どのような課題に向かって取り組んでいるのかをまとめたいと思っていた中で読んでいたので、とても参考になった。
    そして、まだ言語化されていないコミュニケーションを起点とした課題を探してみたいと思う気持ちになった。


    授業を受けた生徒たちの声も面白かった。
    文章語り口からしてもアウトプットの質からも優秀さが伝わった。
    生徒の中には、グループ内での合意形成の難しさにも触れていて、どんなに優秀でもそういったことはあるのだなと思った。(意外にもSFC内にオラオラ系の子がいたり飛び出してしまう人もいないとか。)
    学生時代にグループワークで苦戦した覚えがありますが、どこでもあることなのだなと思わされた。
    後半の方に触れている福沢諭吉の考えをもとに「独立自尊」「実学」「半学半教」といったコンセプトをもとに、専門領域ではない学科でこういった挑戦的な授業があるんだなぁと感心した。
    私自身デザイナーになるきっかけが大学生のときの先生の授業だったので、デザインの面白さを知った原点を知れた気がした。

    AIについても少し触れられていますが、私は最近気にし始めたに関わらず2019年の時点で触れているというのは、常に新しいことをキャッチされているんだなと知らされました。

  • 可士和さんが、デザインを切り口に課題解決に臨む際、どのような思考パターン(フォーマット)使って考えているのかが、人材育成を通じて伝わってくる内容。
    大学のデザインの授業そのものもどのように設計したのかも垣間見えておもしろい。
    「クリエイティブディレクター=コミュニケーションドクター」というのは名言。

  • 慶應大学SFCにて行われた授業に沿って、デザインにとことん向き合う実践講座での学生の姿勢、筆者が教授として注意していること、学生へ伝えたいことを全体の8割で展開。残りで改めて筆者が思うデザインとはということと、トータルコミュニケーションの意味におけるデザインを質良くアウトプットするために意識すべきことが記されている。
    そもそも前半が多過ぎて知らんがなという感じだったが、学生が読む分には、良い参考事例として有益かもしれない。
    本題のデザイン、視点(質の高いデザインを示すために必要となる独自の捉え方)の見つけ方についてだが、通底しているのは、普段から多くの経験を積み一般的な感じ方と自分の感覚をとにかく積むこと、またある問題に対しての向き合い方は、課題抽出→戦略をチーム全体で粘り強く検討するための指針となるコンセプト立案→ソリューション検討 という基本を忘れないこと の2点だったように思う。

  • ・デザインとは未来のビジョンを策定すること。

  • 佐藤可士和さんがとてつもなく高い山の上にいることがわかるし、激しい時代の波を乗りこなしてサーフィンし続けている画が浮かぶ。恐ろしく難しい体力のいることを、この方は常に第一線でやり続けている。一流とはこういうものを言うんだな。言葉も研ぎ澄まされて余計なものがなくて、鋭い視点と繊細なバランス感覚を感じさせる。感動した。もっと可士和さんの本を読んで、少しでもエッセンスをもらいたいなと思った。

  • 課題→コンセプト→ソリューション
    課題の発見と考え方の方向性、ここまでできれば、解決策のアイデアはいろいろと出る。
    コンセプトは、PCでいうOSという喩えはわかりやすかった。

  • 22. チビレモンの最も大きな戦略として、メイン流通である「コンビニの飲料棚の最前列」を一番のメディアとして見立てることにしました。そのコンビニの棚の中でどう特別な存在感を放つことができるのか、ということで、当時、日本にはなかったミニサイズのペットボトルのパッケージデザインを開発したのです。こうすると、まず並んだ時にほかの飲料よりも背が低いことで当然のように目立ちます。また、このデザインは同時に、炭酸飲料は量が多過ぎて飲みきれない、というユーザーの不満も解消したソリューションとなりました

    26. 世の中のあらゆる問題は、コミュニケーションの不具合に起因するものがかなり多いのではないでしょうか。大小さまざまな関係において、情報を発する側、受け取る側んつなぐコミュニケーション回路がからまったり、詰まったりしている状態になってしまっています

    42. アイデアに対する柔軟性や、多様な切り口を見つけようとする視点があるかどうか、ということを僕は一番の基準にしています

    52. 「非常食」のリデザイン
    非常食は通常、仕方なく購入して、チェックもしないまま賞味期限が来てしまう例が多い。このチームは「備食」(bi-shoku)というネーミングで、パッケージや味などをデザインして、そのような非常食を、お歳暮やお中元にも使えるギフトにまで昇華させました。ご当地コラボでそれぞれの特色を出して、高速道路のサービスエリアなどでも売る、というように、流通も含め、非常食を魅力的にすることで、防災意識を日常化したアイデアです。

    59. 「バランス」のデザイン
    ワーク・ライブバランスのように、社会時間(Us=アス)と自分時間(Me=ミー)のバランスを考えるという、新しい概念の提示です。学生なら学校にいる時間、社会人なら仕事をしている時間を「UsTime」、自分のプライベートを「MeTime」として、両者のよいバランスを保つことで、健康な毎日を送ることができるというもの。「ワーク」と「ライフ」ではなく、「社会」と「個人」という分類で、健康的な生活の本質を突きました

    66. 「助け合い」のデザイン 「3分ヒーロー」
    日本は世界139ヵ国の中で、ビリから5番目に人を「助けない」国だとか。チームが分析したヒーロー像では「日本は公務員型」「アメリカはプライベート型」という、面白い日米比較の考察もありました。そんな日本の現状を変えるアプリのアイデアです。内容は、助け合いに賛同した人がアプリに登録して、「助けて」という要請があったら、すぐ近くにいる人が3分以内にヘルプに行くというもの。Uberのようなカーシェアではなく「ヘルプシェア」という発想が、これからの社会のあり方を提示しています

    70. SNSの浸透以降、人々がものごとに注意、集中する時間がどんどん短くなってきています。そのような現象を、マーケティング業界では「アテンションスパンが短くなった」というように表現していますが、このチームはアテンションスパンをリデザインしたのです

    71. 日本生まれのウルトラマンと地球防衛軍や仮面ライダー、アメリカ生まれのスパイダーマン、スーパーマン、バットマン

    74. 自分事化とは、その問題を社会的なものとしてではなく、自分の側にひきつけて考えること。その問題のどこに自分との接点があるかを見つけることです

    74. 化粧品ブランド「LISSAGE(リサージ)」(カネボウ化粧品)の女性向けスキンケアラインのプロダクトをデザインした時は、「スキンケア=毎日行う行為」という置き換えをしました。僕自身は女性が行うようなスキンケアはもちろんきていませんが、歯を磨く、顔を洗うといったことなら毎日やっています。そこから、「毎日の行為だからこそ、面倒な手間ははぶきたい」→「面倒な手間とは何か?」→「化粧液を手に出し顔に塗る際のキャップの開け閉めは面倒だ」と考えを進ませて、片手で簡単に操作できるトリガータイプのボトルデザインに行き着きました

    77. 右脳は主観。左脳は客観。そのスイッチを自分の中で切り替えながら、思考を重ねていくという感じ

    82. 学生たちには、もがく時間を恐れないでほしい。その後に待っているのは、スキルの向上です

    110. 僕が仕事をする時、「チームをまとめよう」とは、あまり強く考えていないのです。なぜなら、それが目的ではないからです。結果を出すことが目的なのです。その代わり、仕事をする上でプロジェクトのベースとなる「座組み」が大切だと考えています


    111. 座組みには、二つの意味があります。一つは「仕事の流れ」です。リーダーとしては、その流れを的確にデザインし、節目ごとに意思決定していくことが必要になります。
    座組みにはもう一つ、実践時のメンバーの組み方があります。これはまさにスポーツのチーム編成と同じことで、闘っていくためのメンバーをどのように組むかとまた、とても大事なことなのです

    117. 課題はどうやって見つけていくのか
    具体的な提案に入る前に、とにかくクライアントへのヒアリングを丁寧に行います。一にヒアリング、二にヒアリング、三にヒアリング、です。クライアントが僕に何かを相談したいという時は、クライアント内部でも問題や課題がごちゃごちゃになっていることが多いのです

    118. クライアントの中でもやもやしている状態を、ヒアリングを重ねながら整理して、課題の発見をしてから、デザインに取り組んでいくということ

    118. 正しいプロセスで導いたソリューションは、同時に複数の課題を解決する力があります。そのためにも、前提となる課題を精度高く発見することが重要

    129. チームワークに戻りますと、誰かがピントの合いそうな意見をぱっと言った時、大切になってくるのはフォロワーの存在なんです。チームにいる別のメンバーが、最初にアイデアを出した人に「いいね」といって、一緒にピントを合わせていこうといていく。そういうメンバーがいるチームは強い

    130. 「一に課題発見、二にコンセプト、三にソリューション」

    131. コンセプトとは考え方の方向性のことですので、課題を見つけた後、コンセプトの設定を間違えてしまうと、決していいソリューションには到達しないんです。
    コンセプトはまた判断基準のことでもあります。たとえば授業でいうと、二回目のプレゼンで教員からフィードバックをもらったら、三回目にどう進んでいくか。チームの中でいろいろな意見が出るでしょう。次に進むためには、あるものは捨て、あるものは拾うという判断が必要になります。その時に「定規」のようなものが必要なんです。その定規がコンセプトで、それをチームメンバーで共有できるかどうかがソリューションの成否を分けます

    133. コンセプトとは「視点」のことなんですね。たとえば今、僕たちが話している目の前には、見えていないものも、いっぱいあるんです。あのドアの裏側とか、この机の下とかね。あと、コウモリにしか聞こえない超音波のように、人間が感知できない波長や周波数の音波も飛び交っていますよね。子どもの頃に科学の実験で、見えないものに対して、光を当てたり、色をつけたり、顕微鏡を使ったりすることで、何かが現れてびっくりしましたよね。僕のいうコンセプトメイキングは、そういうことに近い感覚です

    134. その光線が視点だと思うんです。僕はその対象が最もよく見えるよう、360°から、こうでもない、ああでもないと、必死にその光の当て方を探しています

    141. ものごと全般に数値化が求められる一方で、単に数値化をしているだけでは、役に立たないという感じも僕は強く持っています

    144. そもそも「デザイン」とは、語源は「計画を記号に表す」という意味のラテン語「designare」だといわれています

    145. 僕はもっと本質的に、デザインとは「ビジョンを設計すること」だと、とらえています。デザインは、そのビジョンを人が感じられるものに変換するプロセスそのものであり、要するに理想とする「あるべき姿」に向かい、問題を解決していく行為全体のこと

    145. デザインとは、論理と感覚のどちらか一方を選択したり、強調したりすることではなく、それらを自在に組み合わせ、両立させ、答えを出していく作業のことなのです。

    146. 「課題」とは、問題を解決するための取り組みやテーマのことです。
    「コンセプト」とは、考え方の方向性のことです。
    「ソリューション」とは、具体的に課題を解決ふるアイデアと実行プランのことです。

    149. 問題とは、理想的な状態と現状とのギャップのことです。課題とは、そのギャップを埋めるために設定する、やるべきことです

    152. 前提を疑い、そこからクライアントに繰り返しヒアリングを重ねることで、僕は本当の問題を突き止めようとします。人でもビジネスでも、問題の根は表からは見えないところにあります。仕事に取り組む時は、その根を、いわば「問題の本質」としてとらえることが最も重要になるのです

    153. コンセプトには「耐久性」が必要です。耐久性のある優れたコンセプトは、無限にアイデアを展開させることができます。発想を自由に、マインドをオープンにしてくれるのです。すごい金脈を掘り当てたように、掘れば掘るほど良いアイデアがザクザク出てくるイメージです

    159. アイデアというものは、そもそも再現性、検証可能性でその価値が決まる、という性質のものではありません。
    アイデアを評価するときのポイントとなるのは、フォーマットにどれだけ則っているかではなく、むしろ「どれだけ独創性があるか」です

    163. 僕はデザインにおいては、「カン」が一番大事だと思っています。カンには、勘どころがよいという時の「勘」と感覚の「感」の二つがあります

    169. 自分事化は、自分のことと社会との接点を探っていく作業です

    173. 視点とは、自分の価値観が現れるものです。社会に新しい価値を提示していくには、今までにない鋭い切り口の視点が必要になります

    175. ミクロとマクロの両方の視点をどれだけダイナミックに操れるかが、独創的なコンセプト、アイデアを生み出すカギだと思っています

  • とても読みやすいため半日で読了。
    デザインとはというhowtoではなく、デザインの思考とはといった内容だった。
    帯にも書かれている「①課題②コンセプト③ソリューション」の考えはシンプルだけど、本質的に理解するためにはそれこそ経験が大切なんだろうと感じる。
    自分は教職だったため、教材研究とデザインを重ねて読み進めていたが、そういうデザインとは関係ない分野の人にもおすすめできる本だった。

  • 学生時代に、このような授業を体感したかった…
    子供にもこのような授業がある学校を勧めてみたいなとも思わせてくれた書籍です。

  • いつもながら難しいけど端的な文章。
    「プロフェッショナル」を観て以来の、
    注目している人ですが、
    変わらず流石だなと思いました。
    課題→コンセント→ソリューション、か。
    ストンと腹落ちしました。
    少しでも何か取り入れられれば。

  • 掲載している学生のプロジェクト結果・気付きは秀逸です!まぁ一冊の本のみで語り尽くせるほど単純ではありませんが、コンセプト化についてヒントはあってもやりきるしか無いという結論はがっかり。結局視点の変え方は???内容は学びが少なくありませんが、標題に偽りありです

  • デザインとは視点の変え方
    という話になるほどと思った。

  • 課題→コンセプト→ソリューション

    コミュニケーショディレクター

全34件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

■佐藤 可士和(サトウ カシワ)
クリエイティブディレクター。博報堂を経て「SAMURAI」設立。
主な仕事に国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループのブランドクリエイティブディレクション、「カップヌードルミュージアム」「ふじようちえん」のトータルプロデュースなど。
近年は武田グローバル本社、日清食品関西新工場など大規模な空間デザインプロジェクトにも多く従事。
文化庁文化交流使(2016年度)、慶應義塾大学特別招聘教授(2012-2020年)毎日デザイン賞ほか多数受賞。
2021 年春に国立新美術館で「佐藤可士和展」を開催予定。

「2021年 『佐藤可士和の対話ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤可士和の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×