資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐 (集英社新書)

  • 集英社
3.92
  • (38)
  • (55)
  • (29)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 661
レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087210880

作品紹介・あらすじ

◆による、危機の時代の羅針盤!

利潤率低下=資本主義の終わりという危機は、資本の抵抗によって、
人々の貧困化と民主主義の機能不全を引き起こしたが、
そこに制御困難なAI(人工知能)の発達と深刻な気候変動が重なった。
我々が何を選択するかで、人類の未来が決定的な違いを迎える「大分岐」の時代。
マルクス・ガブリエルら世界最高峰の知性たちが、日本の若き経済思想家とともに新たな展望を描き出す!

◆水野和夫氏(『資本主義の終焉と歴史の危機』)絶賛!
資本主義・終焉期の矛盾を吹き飛ばす快著! 慧眼の士たちの鋭さに脱帽。
◆目次
はじめに――大分岐の時代に 斎藤幸平
第1部 マイケル・ハート
1. 資本主義の危機と処方箋
2. 政治主義の罠
3. から始まる、新たな民主主義
4. 情報テクノロジーは敵か、味方か
5. 貨幣の力とベーシック・インカム
第2部 マルクス・ガブリエル
1. 「ポスト真実」の時代を生んだ真犯人
2. 「人間の終焉」と相対主義
3. 新実在論で民主主義を取り戻す
4. 未来への大分岐――環境危機とサイバー独裁
5. 危機の時代の哲学
第3部 ポール・メイソン
1. 情報テクノロジーの時代に資本主義が死んでゆく
2. 資本の抵抗――GAFAの独占はなぜ起きた?
3. ポストキャピタリズムと労働
4. シンギュラリティが脅かす人間の条件
5. 資本主義では環境危機を乗り越えられない
6. 生き延びるためのポストキャピタリズム
おわりに――Think Big! 斎藤幸平
◆著者略歴
マルクス・ガブリエル
史上最年少で権威あるボン大学哲学正教授に抜擢された天才哲学者。既存の哲学の諸問題を乗り越える「新実在論」の旗手。
『なぜ世界は存在しないのか』が各国でベストセラーとなり、NHK『欲望の資本主義』シリーズなどでメディアの寵児に。
マイケル・ハート
グローバル資本主義が変容させる政治・経済の姿を描き切った『』(ネグリとの共著)。
その大著の予見の正しさが日々、証明されるなか、新たな権力の形にいかに抵抗するかの戦略を模索し続け、社会運動の理論的支柱となっている。
ポール・メイソン
ナオミ・クラインらが絶賛した『ポストキャピタリズム』で、資本主義は情報テクノロジーによって崩壊すると主張し、次なる経済社会への移行を大胆に視点。欧米の経済論壇の話題をさらった。
斎藤 幸平(さいとう こうへい)
1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、マルクス経済学。
Karl Marx's

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白くて一気読み。資本主義の絶望な状況から開放される道は人々の連帯の力である。マルクス主義は現代でも生きており、これまでの誤った方法を乗り越えることで生き返る。つまり現場での経験を集めた社会運動や市民運動こそが、この危機を乗り越える道であることが、改めて認識できた。そのためにはカリスマ的リーダーは必要でなく、民主的な決定を行う集団的能力を育む必要性がある。また、そのためには真実を守るための規制が必要であり、倫理的責任を負うことも必要である。4者の対談で、希望は、困難ではあるが創り出すことができるという展望が持てた良書であった。

  • マルクス後を語る上で外せない論者による対談。

  • 行き詰まった資本主義や民主主義を、倫理的に何が問題なのかを論じるマルクスガブリエル

    内田樹のperspectiveと似ていて(と思う)、読んでいて深いところで納得できた

    ただの聞き手ではなく、的確な疑問や指摘を加えながら議論を進めていく斎藤幸平が素晴らしかった!

  • マイケルハートとマルクスガブリエルが良かった。斎藤さんの質問や意見も良かった。今起きていること、その未来が予測できる。
    倫理観、真実を大事にすること。資本主義社会に生きながら、その競争に急かされながら、どう行動を変えていけるのか。答えは社会運動なのか。自分たちで何ができるか考えたい。

  • ガブリエル、ポールメイソン、マイケルハート

  • 明日を予測する水先案内人として立場の違う3人の個性的な論客を選んだ対談集。表カバーには最近の注目度からマルクス・ガブリエルが大きく取り上げられていますが個人的にはネグリ=ハートのマイケル・ハートの話が興味ありました。明日の変革を担うだろう主体は何か・・ 正直実体はなかなか見えてこないですね。

  • 読後のワクワク感がスゴイ。特に第一部のマイケル・ハートとの対談は分かりやすく、資本主義への抵抗運動、資本主義脱却への処方箋は目からウロコです。第一部は何度も読み返しています。

  • 労働組合の弱体化。
    新自由主義の席巻。
    〈コモン〉という考え方、概念の提唱は、非常に興味深い。
    斎藤先生の現物支給による脱商品化のBIには賛成。
    ただ、BIを、どういう人達に配布するとかなど、BI自体には議論がある。

    マイケル・ハートの章は、議論があまりにも高度に抽象的、かつ、議論の内容が次々と変遷し、わかりづらい。
    また、人間という概念が重要だというのには共感するが、その人間という概念が、現在、どのような内容を示すのか、内容が明らかにされていない。
    人類の普遍というものも、これだけ他種多様な文化が入り乱れている現在において、どのように確立させるかも明示されていない。
    ただ、斎藤幸平のまとめは的確である。

    ポール・メイソン編
    学者ではなく、ジャーナリストだけあって、使う言葉、事象が、わかりやすい。
    今でも存在する、必要のない労働を本当に無くすと、その対価であった賃金は、何処から発生するのであろう。
    AI、オートメーション化により、本当に時短を進ませるには、オートメーション化の恩恵により、時短しても、利益は変わらないか、以前以上に利益が発生する必要があると思われるのだが。

  • 3人のビッグなゲストを相手に斎藤幸平がけっこう持論を展開している。
    斎藤幸平の考えに共感するところが多いので興味深く読めた。
    マルクス・ガブリエルの新実在論というのが大事そうなのだがこの本の中では全然消化不良。あっちの本を買って読めということかな。

  • 斎藤幸平氏がマルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソンにインタビューする形式。シンギュラリティ、気候変動、貧富の格差、ポピュリズムの台頭という世界的な課題を前にして、改めて人権や民主主義などの普遍的価値を問い、人間とは何かを明確にすることが必要だと思った。ただ、「上からの政治主義」に陥らないために何ができるかは、読み手の我々ももっと掘り下げて考える必要がある。

全66件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1980年生まれ。史上最年少の29歳で、200年以上の伝統を誇るボン大学の哲学科・正教授に。西洋哲学の伝統に根ざしつつ、「新しい実在論」を提唱して世界的に注目される。また、著書『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)は世界中でベストセラーとなった。NHKBS『欲望の資本主義』シリーズへの出演で話題に。他著書に『「私」は脳ではない』(講談社選書メチエ)、『新実存主義』(岩波新書)、『神話・狂気・哄笑』(S・ジジェク他との共著、堀之内出版)など。

「2020年 『世界史の針が巻き戻るとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

マルクス・ガブリエルの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャレド・ダイア...
マルクス・ガブリ...
マルクス・ガブリ...
カルロ・ロヴェッ...
劉 慈欣
有効な右矢印 無効な右矢印

資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐 (集英社新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×