「生存競争」教育への反抗 (集英社新書)

  • 集英社 (2020年7月17日発売)
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  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087211290

作品紹介・あらすじ

我が子の「教育」が苦しい――それはあなた一人の責任ではない。
「クラス全員を企業家に育てる」教育にNOと言おう!

どうやら企業人や政治家、官僚たちは、日本の経済的低迷を教育で挽回しようとしているようだ。
まるで、「最小限のコストで最大限の商品(人材)を納品しろ」と言わんばかりである。
そんな社会を生きる私たちの子育て――とりわけ教育は、じつに悩ましい。
なぜこんなにも苦しいのか。
しかし本書は、「それはあなた一人の責任ではない」と説く。
これは社会全体の問題なのだ。
では、どうすればいいのか。
本書は、明治時代から現在に至るまでの教育の歴史を振り返りながら、私たちが教育に期待すべきこと、そしてその実践の方法を試みる。
これは教育学からの反抗であり、絶望に包まれた教育に対する、たしかな希望の書となるだろう。

【目次】
第1章 教育家族は「適応」する
第2章 教育に期待しすぎないで
第3章 教育に世界(コンテンツ)を取り戻す
第4章 そして社会と出会う、ただし別の仕方で

子育てに、教育、わたしたちの悩みは尽きない。
それは時につらく苦しい。
しかしもっと苦しいのは、「この苦しみは自己責任だ」と思ってしまうことだ。
そうではない。
子育ての悩みは、この社会が本書で述べてきたようにあることの結果としてある。
教育を失敗するや否や、子どもと家族がまともな暮らしができなくなるとすれば、それは社会の欠陥なのだ。
(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 常に批判に晒される学校教育。多くの親が塾に通わせていることからも学校教育への批判は伝わってくる一方、教師の多忙もまた問題になっている今日。生きる力やアクティブラーニングにも何かモヤモヤ感を抱えていたところで出会った1冊。その疑問に大いなるヒントをくれた。
    今日の生存競争教育の良さを認めつつ、その理想論を現実に落とし込んだときに息苦しさを感じるという感覚もまた納得できる。
    ただ、今日の教育がダメだと論じるのではなく、時に擁護する姿勢から読者として混乱する部分もあったが、全否定全肯定となるよりも現実を見据えており好感が持てる。途中で今までの要約が度々入り、読みづらさを軽減してくれたのもありがたかった。
    出会って良かったと思える本のうちの1冊となった。

  • 声なき現場の悲痛な嘆きをしっかり拾い上げています。行政の言いなりでは、日本の教育レベルは下がる一方であること請け合いです。
    教育行政よ、余計なことをするな。

  • 第二章のタイトル「教育に期待しすぎないで」っていうのはまさに、だなー。教育依存症候群は学校改革症候群でもある、も言い得て妙。
    理想の学校なんてものはない、と認識するのがはじめの一歩だと思う(もちろん教育者は目指すものの、教育を受ける側が)。

    社会からの要請によって振り回されるけど、そもそも教育は何を目指すものなのか? という議論なのだけど、起源のスコレー(暇)の話は面白かった。
    生産することばかりにフォーカスするのでなく、消費する、余暇を楽しめるために世界と出会わせるのが目的だ、という筆者の主張は、粗削りではあるけど一理あるな、と。確かに偏ってるよね。

  • 紹介
    我が子の「教育」が苦しい――それはあなた一人の責任ではない。
    「クラス全員を企業家に育てる」教育にNOと言おう!

    どうやら企業人や政治家、官僚たちは、日本の経済的低迷を教育で挽回しようとしているようだ。
    まるで、「最小限のコストで最大限の商品(人材)を納品しろ」と言わんばかりである。
    そんな社会を生きる私たちの子育て――とりわけ教育は、じつに悩ましい。
    なぜこんなにも苦しいのか。
    しかし本書は、「それはあなた一人の責任ではない」と説く。
    これは社会全体の問題なのだ。
    では、どうすればいいのか。
    本書は、明治時代から現在に至るまでの教育の歴史を振り返りながら、私たちが教育に期待すべきこと、そしてその実践の方法を試みる。
    これは教育学からの反抗であり、絶望に包まれた教育に対する、たしかな希望の書となるだろう。

    (版元ドットコムより)

  • つまるところ私達は教育を通じて「自律的に喜びをもって学び成長し、現在のあらゆる社会的な問題を解決して、さらには自身の幸福も勝手に獲得できるような人材になれ」と子供達に言っているのです。むちゃやな。

  • 軽学歴 Lightly Educated Guys レッグス

  • コンピテンシーを重視しすぎて現場が息苦しさを感じているというのは私の実感の通りだ。勤務校ではコミュニケーション能力、レジリアンス、グロースマインドセットetcなどコンピテンシーを表す言葉で賑わっている。様々な能力が必要とされすぎていて息苦しい。

    英語科にも似たようなことが言える。四技能化や外部試験等の導入により何を教えるかよりも、どのようにコンピテンシーを伸ばすかということに躍起になっている。英語という教科の特性なのかもしれないが、年々コンテンツの重要度が落ちてきているのは気になる。

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著者プロフィール

京都教育大学准教授

「2023年 『これからの教育学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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