- 集英社 (2021年1月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784087211535
作品紹介・あらすじ
外出のチャンスも、人に会う機会も減ると、スマホやパソコンを手放すことの出来ない時間が爆発的に増えてしまう。
だが、持て余した時間をSNSに費やしネットサーフィンを繰り返すことで、貴重な資源が次々と権力者や大企業に奪われているのだ。
トロント大学哲学科教授であり名エッセイストの著者が、「退屈の哲学的評価」「SNS依存と退屈の関係」などの今日的なテーマについて、鋭い洞察と規制の必要性を小気味良い筆致で綴る。
訳者はロス、デリーロらの翻訳で名高いアメリカ文学者、上岡伸雄。
◆目次◆
序
第1部 条件
第2部 コンテクスト
第3部 危機
第4部 前に進むには
謝辞
解説 小島和男
訳者あとがき
◆著者略歴◆
マーク・キングウェル(Mark Kingwell)
トロント大学哲学科教授。カナダ王立協会・英国ロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツ特別研究員。イェール大学で博士号を取得。
政治理論、現代政治、公衆芸術、建築の評論、公共哲学に関する公開講演などを行う。
翻訳:上岡 伸雄(かみおか のぶお)
翻訳家、アメリカ文学研究者。学習院大学教授。著書に『テロと文学』など、訳書に『ラスト・タイクーン』など。
解説:小島 和男(こじま かずお)
哲学者。学習院大学教授。
感想・レビュー・書評
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ぼく自身いまだにネットと適切につき合えないまま30年近いネット歴をのんべんだらりと過ごしてしまったことを思い、この本の指摘に膝を打つ思いを抱く。ネット依存について他の依存症の心理とからめて論じ、かつその依存を引き起こしうる重要な要素・要因である「退屈」に着目して数々の哲学的論考を参照しながらあざやかな手つきで整理・論述の手さばきを見せる。だが、その著者の野心と聡明さが暴走するあまり哲学やら政治やらポップカルチャーやら……と著述の対象があれこれ貪欲に取り込まれ、その結果どこか釈然としない読後感が残ってしまう
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インターネットのSNSについて、包括的な考えを書いたものである。したがって、学生が哲学や情報教育で読むべきほんである。しかし、哲学的な基礎知識が当然既存知識として書かれているので、哲学入門よりも応用哲学で扱われる必要があろう。新書としてはかなり重い内容なので、新書でなくてもよかったと思えるし、大学のゼミで扱う内容であろう。哲学的な部分は訳で割愛したと書かれているが、それ以外の部分でも哲学的な内容が入ってきている。
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哲学からの引用、日本語に出来ないカタカナ語、オリジナルの造語?「足場組み」など理解が難しい点が多々あるが、それでも面白く読めた。インターネット(スマホ?)依存症であろう自分にとっては、「スマホ脳」で言われていたことを、より構造的に、IT企業に対する文句を投げかけていて、少し溜飲が下がる。
最初に「解説」を読んでおくと、前提知識がある程度入って読みやすかったと思う。 -
ところどころ興味深いことが書いてあるものの、ちょっと迂遠な感じがする書きぶり。私たち日本人には『暇と退屈の倫理学』がすでにあるのでそっちで十分じゃないか、とも思ったり。
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東2法経図・6F開架:301A/Ki43t//K
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2021年1月17日(日)にジュンク堂書店大阪本店で購入。11月17日(水)に読み始める。
