- 集英社 (2022年8月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784087212259
作品紹介・あらすじ
【もう「学校」だけに「学び」を頼らない!】
●不登校という選択は誰にでも起こりえる
●むしろ、いまの学校制度に過剰適応することは危険ですらある
●少子化にもかかわらず、不登校の子ども・生徒の数は過去最高を記録している
このような問題意識から、本書は生まれました。
最近では、教育現場でも無理やり登校させる指導は減りつつありますが、一方で、不登校の子どもたちの学び場は整備の途上です。
本書は、子どもたちが最適な学び場を選ぶ際の指針となるよう取材しました。
【本文より】
不登校をテーマにした本は、たくさんあります。
多くは、わが子の不登校に強い不安を感じている親の心に寄り添ってくれるような本です。
当事者による体験談も人気です。
不登校が起こる原因や構造を学術的に解明しようとする本もあります。
でもこの本は、いずれでもありません。
多くの親がイメージする一般的な「学校」に行かなくても、学べる場所がこれだけある、と紹介する本です。
そうすることで、「学校」に行かなくてもいきなり詰んだりはしないと伝えたい。(中略)
子どもの人生における学校の比重を減らせれば、子どもたちが学校で感じるストレスは減るはずです。
そうすれば、不登校はもちろん、いじめだって減るはずです。
【本書に登場する主な学び場】
●不登校特例校―星槎中学高等学校、西濃学園中学校・高等学校、岐阜県立草潤中学校
●フリースクール─星槎ジュニアスクール、スマイルファクトリー、広島県スペシャルサポートルーム
●私学の生徒向け不登校支援センター─神奈川県私学修学支援センター
●オンライン不登校支援プログラム─カタリバroom-K
●通信制高校―星槎国際高等学校、目黒日本大学高等学校通信制課程
●不登校経験者が集う普通科高校―北星学園余市高等学校
●ホームスクール─ホームスクール&エデュケーション家族会、日本ホームスクール支援協会
●不登校専門塾―ビーンズ
●平日昼間の居場所―いもいも 森の教室
など多数(順不同)
【目次】
序章 学校に行きたくないと言えたとき
第1章 不登校と社会の変化
第2章 居場所・塾・ホームスクール
第3章 学校から半歩離れる教育支援
第4章 不登校経験者が通う学校
第5章 フレキシブルに通える通信制高校
第6章 モザイク模様の学び環境へ
終章 親子で取り戻すそれぞれの自分
【著者プロフィール】
教育ジャーナリスト。
株式会社リクルートから独立後、数々の育児誌・教育誌の編集に携わる。
教育や育児の現場を丹念に取材し斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。
心理カウンセラー、小学校教員としての経験もある。
著書は『ルポ森のようちえん SDGs時代の子育てスタイル』など70冊以上。
みんなの感想まとめ
不登校という選択肢を前向きに捉え、子どもたちに多様な学びの場を提案する本です。著者は、学校に行かないことが決して失敗ではなく、むしろ自らの学びを選択する手段であると示しています。多くの親が抱く不安を和...
感想・レビュー・書評
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Webで延々と情報を探すより、良かった!幅広さと深さが両立した内容になっていてすごく参考になった。取材・執筆された著者の努力に感謝です
以下メモ
・自分の興味関心に従って、自分のペーストやり方で出来るのが望ましい。何度も同じ事をやらされたくない。カリキュラムに縛られず、先生以外の大人もいるオープンな環境だと、なお良い
・モンテッソーリ:いちいち小言を言わないで良い環境を整えた上で子どもに最大限の自由を与えると、大人が働きかけなくても子どもは自らを教育し始める。子どもがヤル気を無くしたり、問題行動を起こしたりするのは、環境のどこかに問題があるから。
・ビーンズメソッド:
将来から逆算して得られる「正論」という形をした恐怖や不安は子どものエネルギーを奪う。
・子どもには2つの根源的欲求がある。
ありのまま欲求:ありのままでいたい、ありのままの自分を認めて欲しい
ドライブ欲求 :何らかの成功を目指して自分でリスクとコストを引き受けたい(成功したい、ではない)他人任せで成功してもドライブ欲求は満たされない。
・この相反する2つの欲求がバランス良く満たされていることが、なんだかんだで「毎日楽しく過ごせて活きていける」ということ。自立しているということ。
・自立に至る4層構造
・一階部分:絶対安心の場である家庭
・二階部分:伴走してくれる大人(1人では社会の荒波に立ち向かえない)
・三階部分:青春体験:同世代と、楽しさや前向きなチャレンジ精神ベースで関わる体験
ゆるい青春:おしゃべり
暑い青春 :大会上位を目指して厳しい練習をするなど
この階層を通じて、自立と社会との関わり方、勇気を得る
・四階部分:挑戦と努力
理想と現実の自分の差分を受け止めて、その差分を埋める行為を自分事として真正面から引き受ける経験
・4階までたどり着いた子どもであれば、少々の負荷をかけても大丈夫。ただし、1-3回までを作り込んでおく必要がある。焦りは禁物。
・自立に至るまでの状態変化:4つの時期
①信頼関係構築期
②安定期:ありのままの自分を出し始める時期。行動変容を促すにはまだ早い段階。
③挑戦期:ここまできて、理想とギャップの現実に向かい合い「正論」を受け入れられるようになる。
逆に言うと、この段階までは「正論」を突きつけてはいけない。
④緩やかな旅立ち期:支えがなくても自分事に向き合い、居場所以外でも自分のやりたいことができる
・河合塾の「COSMO」という塾サービス 新宿校のみ。
・雑な「大人の世界」の話をする。競争社会の厳しさとか、仕事の社会的意義とか意識の高い話はいらない。
・スペシャルサポートルームなどをつかって、人とのつながり(安心できる人間関係)を絶やさないこと。心の準備が出来たら、勉強するようになる。心の準備期間が必要
・京都府私学修学支援相談センター:小学校から高校までを対象としている。5教科について、週一で学習支援が受けられる。
・不登校特例校
・神奈川県星槎グループ
・不登校には親が「ああしたほうがいい、こうしたほうがいい」と先回りするケースが多い
・「不良タイプ」と「内にこもるタイプ」がいる
・発達障害系は「俺についてこい」は合わない
・トイレ掃除を率先してやっている子どもは、卒業後も例外なく頑張れている
・精神論ではなく「汚いこと」に向かい合える当事者意識
・西濃学園 … 自立して飯が食えることがゴール、と言い切る
・子どもの潜在能力を引き出すには、「自己決定」が欠かせない
・自己決定権を持たされており、自分でそれを行使する
・★能力主義に取り込まれずに生きていくために、親が出来ることは「君なら大丈夫。堂々と生きていなさい。困ったときは側にいるから」と言ってやること。根拠はなくても、心の底からそう信じてやること。子どもにとっては「最強の自分は大丈夫」になる。ベテランの先生たちがみな言っている。これは親が持つ、不思議な力。
・★親が不安を感じたときは、不安を無くすために子どもを変えるのではなく、自分の中にある不安の本質をよく観察すること。ほとんどが「他人との比較」「競争意識」が不安を大きくしている。
・「あれは、あとから振り返れば必要な回り道だった」と、苦しみ抜いた親はみんな言う。「親は無力である」と悟るために必要な回り道。親はあらん限りの力を注ぐが、「この子は親の力が無くても、自分の人生をどうどうと生きていける力をもっていた」と気づく。爽やかな無力感は、親の幸せで、苦労が報われる。親自身も一回り成長したと感じられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても興味深く読んだ。
子供たちが学ぶことを楽しみ、希望をもって生きる力を獲得するたに、私たち大人が「不登校」という言葉に対する視点を変える必要があると感じた。
「学力より、学歴より、社会情動的スキルより、親(最も信頼を寄せている大人)からの太鼓判が最強の生きる力になります」。いわゆる進学校、つまりエリートと呼ばれる子供たちが集まる学校のことも多く取材し、本を書いてきた著者が言うこの言葉は説得力があり、多いに共感した。 -
学校に行かないと決めた後、その先の選択肢が様々あることが示される。それは決して「学校」の代わりでなく繋ぎでもなく自ら学ぶための手段であろう。
「不登校」という言葉が「学校だけに頼らない学習スタイル」に置き換えられればいいとの言葉に肯く。 -
新書としては満点クラス
著者プロフィール
おおたとしまさの作品
