- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087213034
感想・レビュー・書評
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東大って8割が男性学生なんですってよ、奥さん!
ほへーである
ほへー知らんかった
まぁ、男のが多いだろうとは思っていたがこれほどとは思っていなかったほへーである
どうりでなー
ご存知の通り世界経済フォーラムが発表している「ジェンダーギャップ指数(経済・教育・政治参加などの分野での世界各国の男女間の不均衡を示す指標)」は、我が日本は2023年は146カ国中125位(しかも前年より悪化)というとんでもない低レベル
それものそのはず、日本を導くリーダーたちを生み出す最高学府がこの体たらく
がっかり通り越してがっこりです(がっこりて初耳やわ〜)
もう世界から取り残される日本が鮮明にイメージできます
もう海岸で大泣きしながら旅立つ舟に這いつくばって手を伸ばす日の本くん(18歳)のイメージですよ
いやもうどうすんの?って思うんよね
わいは常日頃からこの少子化はもうどうにもならんと思っていて、ちょっとやそっとのことでは出生率が大幅に上昇することはないと感じているんです
で、そんな中「日本」て国を維持するにはこれはもうアジアを中心とした世界の国々に助けてもらうしかないと思うんよね
もうみなさんにお縋りするしかない
だけどそのためには助けてあげたいと思わせるような魅力的な国でないとダメだと思うんよ
そしてそのひとつはジェンダー平等であるってことだと思うんよね
えー、あそこ未だに女性差別とかしてるから失くなっちゃってもいいんじゃね?とか耳の長い緑色の顔した国の人に言われちゃうよ?って思うんよな〜(いやそれ地球の国じゃない人)
なので、東大の中にここまで真剣にジェンダー平等について考え、実行に移そうとしている人がいるのは心強いな〜と思いました
そしてこういったことを大学の外に向けて発信するのも大切なことだと思いました
特に東大は国立大学ですからね
国立大学のあり方はやっぱり国民みんなで考えないとね
応援したい -
東大内部から、しかも男性教授からのフェアな視点の良書。この人は信頼できるなと、思える冷静さと公平さと聡明さを感じながら読んだ。
日本全体の大学における女子学生比率は46%と決して低くはないのが、東大は20.1%。ほぼ半数を女性が占める海外の主要大学と比べて極端に低い。
いまだに存在する「東大女子お断り」のサークル。東大男子の差別問題に対する鈍さを表している。
1987年の東大総長森亘の卒業式での祝辞が紹介されているが、これがまた、すごい。
「昔であれば末は博士が大臣かと言って押すな押すなと現れた花嫁候補も今日はない。明治の頃は国全体が若き医師に燃え、欧米並みに学問を尊敬した日本の社会も今や老いて金の亡者となり果てた結果、博士の価値は著しく下落した。また大臣になる確率も何万分の1とあって、気の利いたナウイお嬢さんは皆他に行ってしまう。東大出と聞いただけでイメージが合わないとして敬遠。かくして神様が東大的に割り当ててくださるのは、ほぼ東大と同様にダサイ女子大学の卒業生程度である」
感動的なまでに、鈍い感性で笑ってしまう。賢いのだろうか?この方は?
現在では大学生の57%を女性が占めているプリンストン大学が共学化にあたって、どのような手立てをしたかが詳しく述べられている。ライバル大学が共学化をしたことが直接の原因であるのだが、プリンストン大学の用意周到な女子学生の手立ては本気度を感じる。割り切ってやる時はやるこういう姿勢、日本は学ぶべきだろう。
クオータ性を取り入れたら、という提案をしているのだが、それは女子に有利だからずるいという反論を想定して、筆者は
「男性の入学者が半数程度であるのが当たり前であり、8割を占めているのが問題なのである。これを人工的に抑制するのはずるいのだろうか。自分は差別していないのになぜと言う男性もいるだろうが男性優位の構造の社会に来ていると言う事は、自らも差別の構造の一部になっているのだと言う意識も必要である」と述べている。
なるほどなと思う。よくぞ言ってくれました。
東大に入るのは、今や中高一貫校の特殊な学習が必要となっている。無理に無理を重ねて、受験に特化した特殊なスキルを習得しなくてはいけない。そんなムリを重ねることに「NO」と言うことができるのは、女性だと言えなくもないと思う。男性へのプレッシャーが、この結果を生んでいるとしたら、頑張るのは女子学生ではなくて、むしろ男子学生?
「頑張らない」ということを頑張れ、と言ってるのだけど。
そういう意味でも、すっきりとクオータ制を取り入れてみるのもいい考えだと思う。そうしたら、つまらないこと「頑張る」男の子が減って、日本が突出している中年男性の自殺率も減るのでは?
絶対に彼らは既得権を手放さないと思うけどね笑
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現 東大副学長による著。
東大の現状(女性比率20%)がなかなか改善されないことを、歴史やアメリカのアイビーリーグとの比較から紐解いていく。
東大は、日本の最高の教育機関であり、そこから多くの官僚や、日本の社会を担っていく人材を生み出している。そのことを考えると、東大の現状は日本の現状だとも言えるのではないかと感じた。
男女雇用機会均等法が成立する以前に比べれば、女性も社会で少しは働きやすくなった、社会の考え方も変化していると感じるが、著者も言及しているように、男性の社会に女性が入っていくのではなく、多様性を推し進めるあらゆる方法、ブレイクスルーやクォータ制を取り入れなければ前進は難しいだろう。東大が変われば、日本社会も変化すると感じる。 -
2024I086 377.28/Ya
配架書架:A5新着図書→C2 -
377.2
2.8 -
日本人が向き合うべき男女格差をわかりやすく書いた本。多くの人が差別に気がついてもいないというこの恐ろしい現状を、データを提示し、課題の特定、解決策まで明示している。今後の社会変革も予測される一冊。
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最近、新聞でたまたま、大学工学部への女性学生のクオータ制入学の賛否両論の記事を読んだ。
取り入れて30年経つ工業大学は、一定の成果があったとしているが、入学者が頭打ちになってもいるとのこと。
さて、本書は東京大学のお話。
年々女子学生の入学者は増えてきたものの、20%で伸びどまっているそうだ。
著者は副学長で、女性学生の獲得を推進する立場の職にある人。
現状を変えるべく、本書は男性を基準にしてできた大学が、長い間そのことを認めずにいたことを論じている。
東大の話なんて、個人的には関係ないのだが。
著者は最後には、日本の大学教育の問題としてこのことを捉え直す。
女性だけを増やすのではなく、多様な学生を増やす。
特に地方で、経済的に恵まれていない生徒が、諦めてしまわない社会を作ることの大切さを主張していた。
そうなると、どういう施策が必要なのか・・・という話になってくるのだけれど、総論賛成である。
結論が見えている本ではある。
だが、さまざまなデータや事例、歴史的経緯を調べてあり、そういう情報がまとまったものとして、手に入りやすい新書で出ているのはありがたい。
日本との比較で、アメリカのアイビーリーグの大学の共学化の経緯も知ることができた。
日本より学生の多様性に関心が深いようなイメージがあるが、歴史的にはそう古いことではなかったとか。
特にプリンストン大学のことを取り上げているが、この件ではむしろ保守的で、変化が遅れた大学であったとのことだ。
受け入れ開始は東大より遅い1969年。
ちょっとびっくり。
その頃、日本の「女子大生亡国論」同様に、女性が入ると大学のレベルが落ちると言われたりしていたようだ。
共学化も「このままでは生き残れない」という経営判断によるものだったということは、意外だった。 -
東大に男性が多い、そのものは意外でも不平等さも感じたことはなかったけど、“限られた条件”の男性が多いことには驚いた。“一般社会”の人との感覚の違いはこういうところから来るんだろうなぁ。
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東大のジェンダー不平等性について書かれた本だが、歴史的バックグラウンドの話が中心で、期待していたほど「未だに変われない理由」には言及がなかった。一方で4章の米プリンストン大との比較は興味深い。
「文化が違うから」で許容できない、理系がマジョリティかつ1969年まで男子校だった保守的な大学をベンチマークにすることで、東大をはじめとする日本のトップ大が遅れていることがよく分かる。
あとはソリューションが欲しい。
レ、レビューは?!
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