はじめての日本国債 (集英社新書)

  • 集英社 (2025年1月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784087213485

作品紹介・あらすじ

【「国の借金」で経済動向がよくわかる!】
「国債」とは何か。おそらく多くの人が「国の借金」と答え、いい印象は抱いていないだろう。
しかし、国債が経済においてどのような役割を果たしているかはあまり知られていない。
実は国債の仕組みがわかれば、いま日本経済で起こっている変化を理解するのが容易になるのである。
日本における国債の仕組みを入り口に、債券や証券、日銀の市場操作などの金融政策、銀行や生命保険の運用などの解説を通して、日本経済の見方が身につく入門書。

【目次】
第1章 国債がわかれば金融の仕組みがわかる
第2章 国債(債券)に関する基本
第3章 証券会社と国債市場の重要な関係
第4章 日銀の役割と公開市場操作(オペレーション)
第5章 国債からわかる日本の金融政策史:量的・質的金融緩和から量的縮小へ
第6章 銀行や生命保険会社と国債投資の関係
第7章 日本国債はどのように発行されているか
第8章 デリバティブを正しく理解する
第9章 短期金融市場と日銀の金融政策

【おもな内容】
・債券と株式の違いは?
・証券会社の役割とは?
・金利が上がると価格が下がるのはなぜ?
・金利はどうやって決まる?
・国債トレーダーの仕事とは?
・日銀の政策をどのように予測するか?
・なぜ銀行は国債を買うのか?
・短期国債のほとんどは外国人投資家が保有している?

【著者略歴】
服部孝洋 (はっとり たかひろ)
経済学者。東京大学公共政策大学院特任准教授。
2008年野村證券入社、2016年財務省財務総合政策研究所を経て、現職。
著書に『日本国債入門』(金融財政事情研究会)、共著に『国際金融』(日本評論社)。
SNSやホームページでも、一般の読者に向けての情報発信を積極的に行なっている。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、国債取引の仕組みについて、証券会社のトレーダーの目線から考えるという斬新な構成になっている。証券会社出身の筆者の経験が生かされた一冊と言えるだろう。国債取引については、経済学の教科書で学んだが、イメージが付きづらくて敬遠していた。だが、本書ではできる限り直感的な理解を促すよう豊富な具体例を用いながら説明されているので、実際の取引の様子を想像しながら楽しく読むことができた。なお、国債取引の文脈で登場する様々な専門用語について、丁寧に説明されているので、国債市場を理解するための入門書として本書は優れていると感じた。

  • ●読前#はじめての日本国債
    言葉上では「国の借金」と理解したつもりになっている「国債」。その仕組みを理解しているかと自問すると「ごめんなさい、実はわからない」と答えざるをえない。ひとまず本書に目を通せば知識向上は確実だろう、読みたい
    https://mnkt.jp/blogm/b250117a/

  • やっと債券価格と金利の関係をイメージすることができ、スッキリ。
    入門編として良い本。

  • マーケットは面白い、まさしく。

    8章のデリバティブのところで、いきなり難しくなる印象。国債を発行する財務省、国債を最も保有している日本銀行、証券会社、銀行、生命保険会社などが国債にどう絡み、どのような思惑を持っているのかを学べる。

    国債は、財務省が証券会社に対してオークションする。国債の一回の入札額は数兆円。

    落札された国債は中古市場で取引される。取引は証券会社と顧客がおこなう。証券会社は市場が健全に動くよう、主に機関投資家などの顧客とコミュニケーションをとりながら、国債の価格を決定していく。

    国債は、年限が大きくなるほど、価格変動つまりボラティリティが発生する。

    証券会社は国債の在庫管理をするが、持っている国債で損を出してしまわないために、国債先物を活用する事で、リスクヘッジする。

    銀行は比較的短期の国債、生命保険会社は長期または超長期の国債を買うことで、ALM(アセットライアビリティマネジメント)を実現する。

    財務省の発行する国債は、一般会計の赤字を埋める新規国債だけではなく、借換債(10年債の償還のとき、全額を一般会計で返すのではなく、一部を再度、国債を発行して借り換えている)、財投債なども発行されており、その額は200兆円弱である。

    60年償還ルール。

    先物によって空売りが容易になる。予約取引をするにあたっては、証拠金を差し入れる必要があるものの、例えば、証拠金100万で1億円の国債を予約できる。そして国債を大量に売って、価格が下がったところで買い直せば利益が出る。

  • 日銀のレポートは詳細。年4回の展望レポート、金融システムレポート、各年度の金融市場調節。
    フォワードガイダンス=日銀が望む方向に予測を誘導すること。植田総裁が審議委員時代に導入した。

    マネタリーベースは狭義の貨幣。民間銀行の預金や現金を合計したものはマネーストック(マネーサプライ)。
    日銀は長期金利をコントロールするために、10年物国債を無制限に購入した=指値オペ。

    銀行は短い期間で調達(低い金利)して、長い年限で貸す(高い金利)。金利のスワップ。
    アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)は銀行のリスク管理の基本。負債と資産の年限が乖離しないようにする。
    バーゼル規制には自己資本比率規制のほかに、金利リスク規制がある。そのため無尽蔵に金利リスクを増やすことができない。国債を発行する際は、銀行の購入可能性を考慮する必要がある。2023年のアメリカの金利上昇局面では、金利リスクテイクの大きい銀行が破綻した。

    日本の国債の制度は複雑でマニアック。新規国債のほかに複数の国債がある。
    財政投融資、復興祭、GX経済移行債、子ども特例債などがある。
    国債発行総額=新規国債+借換債+財投債+復興祭+GX経済移行債+子ども特例債

    霞が関では、6~7月に国会が終わったあとに人事異動がある。
    かつてはゆうちょの資金で資金運用部を通じて国債を買っていた。それが買わなくなったときに金利上昇した=資金運用部ショック。
    新しい商品は定着しにくい=物価連動国債と変老利付国債。現状はひとつの先物だけが取引されている。

    60年償還ルール=建設国債を60年で償却するルールが元になっている。
    毎年特例法で赤字国債を出しているが、60年償還ルールが適用されている。借り換えしているので事実上は無視されている。撤廃しても、現状事実上撤廃しているので、財政は変わらない。

    国債に関係する商品では、国債先物が最も劉宇同性が高い。先物取引の本質は、高い流動性にある。予約だけなので取引に費用がかからない。予約取引を取引所に上場させたもの。店頭で相対取引される場合もあり、これは先渡し契約(フォワード取引)という。先物であれば、空売りが可能。国債を貸し借りするレポ市場が不要。
    在庫の国債の金利リスクをヘッジするため、先物をショートすることができる。
    満期が近い限月が中心限月。国債先物は7年から11年の国債を渡せば良い。どれでもいいので、買い占めによるスクィーズは起きない。年限の低いものは受け渡しのコストが低い。
    金利スワップとは固定金利と変動金利の交換。国債以上に取引されている。金利スワップは、国債とほぼ同じ商品。
    レポ市場は国債を貸して現金を受取る市場=国債を担保とした貸借=金利が発生する=レポ金利=短期金利を繰り返す=変動金利と同じ。
    レポ市場で国債を借りることは、変動金利を払って固定金利をもらうのと同じ。=国債を買うのと同じ。
    金利スワップの変動金利はTONA=日銀の政策金利。
    スワップ金利を見ることで、市場が金利の動向をどう見ているかがわかる。
    TONAは無担保でレポ取引は有担保だが、TONAのほうが
    市場参加者が広く、国債の需給に影響されない。

    短期金融市場では、無担保コール翌日物金利で取引される=TONA(トナー)と呼ばれる。短資会社がブローキングする。短資会社は日本独特。
    ゼロ金利政策で短期金融市場の流動性が不足した。そこで保管当座預金制度で準備預金を超えた超過準備に利息をつけた。当座預金に利息をつけることで、日銀当座預金を持たないファンドなどが、短期的に資金運用するために銀行に預ける。そのため短期金融市場が流動性が増える。日銀は、当座預金の金利を変更することで、短期金融市場の金利を操作できる。
    日銀は保有する国債を売却しなくても、付利利息を上げることで短期金利を挙げられる。

    国庫短期証券(Tビル)は1年以内の短期国債。利子はない=ゼロクーポン。割引債。1年以内なので割引債にしたほうが面倒がない。Tビルは、6割が外国人投資家が保有している。ドルを持っている外国人はドルを出して塩を受け取り、それを置く場所として短期証券Tビルを使う。

  • 1. 日本国債市場の特性
    - 国債市場の流動性: 日本国債市場は、証券会社によって提示される売り価格と買い価格が存在し、原則として24時間取引が行われている。市場参加者の多くが日本人であるため、朝に活発な取引があり、夕方からは閑散化する傾向がある。
    - 取引規模の大きさ: 日本国債市場では、数兆円単位の取引が日々行われており、そのダイナミズムは非常に大きい。流動性を維持するために、参加者は様々な工夫を行っている。

    2. 債券と資金調達
    - 債券の発行主体: 債券を発行できるのは主に政府や大企業などの巨大組織に限られている。個人や中小企業は、銀行からの借入(ローン)によって資金調達を行うのが一般的である。
    - 流通市場の役割: 国債の発行後、その既発債が市場で取引されることで流動性が生まれる。特に、国債は最も流通する債券であり、個人や中小企業にとっては銀行からの借入が適した資金調達手段となる。

    3. 日本政府と国債
    - 国債発行の目的: 日本政府は、税収が不足する場合に、国債を発行して公共サービスを維持するための財源を確保している。これは国民へのサービスを支えるために必要不可欠である。
    - 財務省の視点: 財務省は、国債の利子支払い額を抑えたいと考えているが、証券会社や投資家が国債を購入する動機がなければ、十分な市場が形成されない。

    4. 市場参加者とその役割
    - 機関投資家の存在: 日本国債市場では、個人投資家よりも機関投資家(例えば生命保険会社)が主な市場参加者であり、彼らの影響力が大きい。
    - 流通市場の形成: 国債の流通市場は、機関投資家が発行した国債を取引することで成り立っており、安定した投資環境を提供している。

    5. 金利と市場の関係
    - 金利の変動と国債価格: 国債の金利が上昇すると、既存の国債の価格は下落する。長期債の方が金利リスクが高いことが知られており、金利変動は投資家にとって重要な要素である。
    - イールドカーブの理解: 長期金利と短期金利の関係(イールドカーブ)は、国債市場の動向を把握する上で重要である。

    6. 投資リスクとリターン
    - リスクとリターンのバランス: 投資家は、国債の金利が変動する中でリスクを管理しながら投資を行う。金利上昇により評価損を抱える可能性があるが、リターンも期待できる。
    - 国債を持ち続けることの意義: 国債を満期まで持ち続ければ、元本が保証されるため、長期的な投資戦略として有効である。

    7. 日銀の役割と金融政策
    - 金融政策の影響: 日銀の金融政策は国債市場に大きな影響を与える。特に、国債の購入や金利の操作は市場の流動性に直接的な影響を及ぼす。
    - 政策決定の透明性: 日銀の決定会合は市場参加者にとって重要な情報源であり、政策の変更があった場合には迅速に市場が反応する。

    8. 国債先物取引の役割
    - 国債先物市場: 国債先物は、現物の国債を受け渡すことなく、価格の変動を利用した投資手段として利用される。これにより、投資家はリスクヘッジや投機を行いやすくなる。

  • 裏側がわかりにくい証券会社の立場を実例として交えながら解説がされていてとてもわかりやすく書かれている
    『はじめての〜』でほんとにはじめてだと思ったのは初めてかもしれない

  • 国債を様々な視点から取り上げることで、金融全体を俯瞰することができる。このため、広く浅くとならざるを得ないのは否めないが、目的は達している。特に金融関連でよく出てくる用語で何となくわかっているが、正確には理解できていないことの理解が深まった。
    日本国債そのものの理解はこれまで以上に深まらなかったというのが正直なところではあるが、著者の「日本国債入門」を読めば良いということはわかったので、こちらも読んでみようと思う。

  • 分かりやすかった
    国債のみならず債券の入門書

  • オトラジシリーズ。
    まだ内容を咀嚼し切れていないけれど、日銀の役割やイールドカーブについての理解が深まった。
    金利の変化が、国債保有率が高い銀行や保険会社に大きな影響を与え、結果国民生活にも影響する仕組みが分かりやすかった。

  • この前の参院選で様々な財政政策を見たが、国債について理解しておかないと自分の意見が持てないと感じたので、この本を読んでみることにした。

    国債市場のプレーヤーは誰なのか、そのなかで日銀はどんな役割を果たしているのか、そして市場の債券価格はどう決まるのか、古本屋などの身近な例を混ぜながらわかりやすく解説されていた。

  • 2025.8.上旬の日経新聞で超長期国債の金利上昇が記事になっていた。記事によると、その原因には生保が絡んでいるらしい…。なぜに生保が?と疑問に思った人は、是非読むことをお勧めする。本書は日本国債のいろはを丁寧にかつ平坦に解説している稀有な本である。

  • わかりやすい

  • 大学の講義を受けているような感覚で読み進めました。
    読者へ実務担当者の視点を提供し、時には証券会社のトレーダー、時には日銀国債業務担当、財務省理財局担当と立場を変えた考え方を提供してくれて、実務者の意図、思惑も含めて丁寧に解説してくれます。
    最近、超長期債の利回りが上昇しているニュースや、大手生保の慎重姿勢が報じられたりしていますが、なぜ生保の動向が注目されるのかなど、金融関係のニュースがわかるようになってきました。

    門外漢にとっては少し難しい内容ですが、難しい仕組みを可能な限り分かりやすく説明してくれています。

    金融関係の脱初心者本だと思います。
    読んで良かった。
    筆者のSNS(note)もフォローしました。

  • あまり一般的には馴染みのない国債についての初心者向け解説書。著者は誰にでも理解出来るようにと丁寧に解説しているので脱落することはあまりないのでは

  • 分かりやすく勉強になった。とても丁寧な教え方という印象で、詳細版の日本国債入門も読んでみたくなった。

  • 説明や説明の順序が分かりづらい。国債それ自体が難解である事もさることながら、「はじめての」と言いながらもより難解さを感じてしまうのは筆者の表現に依るところが大きいと思われた。
    例えば不慣れなキーワードを先に差し出し、詳細は後述すると言ってとりあえず進んでしまうので、初心者はそもそも何のことかわからないまま暗闇の中を進む。
    テーマやないようは読者の関心が高いはずなので、編集の在り方が悔やまれる。

  • 日本の公的債務残高が、GDP対比250%を超えていることは、様々な形で取り上げられています。本章では日本国債市場に関して、初学者にもわかりやすく解説しています。国債の発行を担う財務省、マーケットメーカーである証券会社、投資家である日銀、銀行、生保、そして外国人、それぞれの市場参加者の背景や意図による国債市場のダイナミズムが平易な文章で書かれており、一気に読んでしまいました。

    日銀のマネタリーポリシー、日本国債特有の60年償還ルール、国債とレポ、スワップレート、短期金融市場、日本円の金利市場に関する基本的な知識が得られるため、一読するメリットを感じる方も多いのではないでしょうか。

    筆者は金融機関での経験を経て、大学の准教授を務めておられ、国債や国際金融経済に関する著作も執筆しておられます。また、ウェブサイトなどで積極的に論文を公開していますから、これから折に触れて読んでみたいと思いました。

  • 読みやすい。

    国債の価格と金利との関係を投資とリターンで理解するとわかりやすいと書かれていたが、確かにそう捉えると理解しやすいが、そう捉えてよいのか釈然としない気持ちもある。

    本書のような一般人向けの新書より、より詳しい著者の専門書版を読んだ方がすっきり理解できるのかもしれない。

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