- 集英社 (2024年7月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784087370058
作品紹介・あらすじ
日本人はまだ知らない。脱グローバル経済がもたらす衝撃。
エネルギー、資源、食糧。無慈悲な未来を日本はどう生きるのか。
★40万部突破の全米ベストセラー!
☆フィナンシャル・タイムズ紙「最優秀図書賞」(読者選出)受賞!
★世界中が刮目!
イアン・ブレマー氏(『Gゼロ後の世界』)、絶賛!
「経済地理学・人口学・歴史学を総合した、常識を破る、鋭い地政学理論」
白井聡氏(『武器としての資本論』)、感嘆!
「米国が脱グローバル化に舵を切る。驚きの未来像がここにある!」
☆概要
すでに不穏な兆しが漂うグローバル経済。それは一時の変調なのか。いや、そうではない。米国が主導してきた「秩序」、すなわちグローバル化した「世界の終わり」なのだ。無秩序の時代には、経済も政治も、文明そのものも野蛮化していく。しかも世界中で人口が減少し、高齢化していくなかで軌道修正も困難だ。そのなかで生き残っていく国々とは?
地政学ストラテジストが無慈悲な未来を豊富なデータともに仔細に描き、全米を激しく揺さぶった超話題作!
★おもな内容
・いよいよアメリカが「世界の警察」の役割を捨て、西半球にひきこもる。
・脱グローバル化で、世界経済に何が起きるのか。
・今後、大きなリスクにさらされる海運。製造業がこうむるダメージとは?
・過去七〇年の成長を支えてきた、豊かな資本。それが、世界的に枯渇してしまう理由。
・世界的な人口減少。日本人が見落としていた壁とは?
・世界のモデル国・日本を、他国が見習うことができないのはなぜ?
・エネルギーや資源の調達は、今後も可能なのか?
・グリーン・テクノロジーでは未来を支えられない、その理由。
・日本が食糧危機から逃れるために、すべきこと。
・「アメリカの世紀」のあと、覇権を握る国はどこなのか。
【下巻・目次】
第4部 エネルギー
第5部 工業用原材料
第6部 製造業
第7部 農業
【プロフィール】
著者:ピーター・ゼイハン
地政学ストラテジスト。在オーストラリア米国務省、民間諜報会社ストラトフォーのバイス・プレジデントなどを経て、2012年に自身のコンサルティング会社ゼイハン・オン・ジオポリティックスを設立。エネルギー大手企業、金融機関から米軍まで、幅広い分野のクライアントを抱える。主な著作に『地政学で読む世界覇権2030』など。
訳者:長尾莉紗
英語翻訳者。早稲田大学政治経済学部卒。主な訳書に『確率思考』、共訳書に『約束の地』『マイ・ストーリー』『フェイスブックの失墜』など。
感想・レビュー・書評
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非常につまらん。気の利いた風の皮肉的ジョーク(のつもり)も、ダラダラとぐうの音も出させないためのくどい言い回しと、脅し文句が続くだけのつまらん読み物。
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上巻に引き続き、今度は石油やその他のエネルギーや金属資源、工業製品、食料(農業)の観点から世界を俯瞰。
産業の発展に欠かせなかった灯りは、まずは鯨油、そして石炭と続き、最終的に石油が使われるようになった。その後、石油は主にガソリン、石油精製品に使われるようになり、電力は天然ガスにシフト。石油は中東、旧ソ連、北米で算出されており、特にカナダのサンドオイル、アメリカのシェールオイルにより、アメリカは石油すらもある程度自給が可能に。また天然ガスもシェールガスと呼ばれる副産物で確保可能。
グリーンテックはそのコストからしばらく本格的な普及は難しく、電気自動車自体が実はその製造段階から多大なCO2を排出し、また電気自体も火力発電などにより生み出されていることから、現時点では環境負荷は高い。またグリーンエネルギーによって代替可能なものはあくまで電力だけであり、石油精製品の代替はまだ見つかっていない。
金属資源は中国がマネーゲームを繰り広げており、一部の金属は中国の手中にあるが、原材料などはある程度原産国が分散しており、対応が可能。
シリコンバレーがあり、農業も盛んなアメリカにおいて、地政学的な死角は少なく、むしろエネルギーと海上軍事力に課題のある中国は地政学的には苦しい状況。 -
刺激的な本だった。
エネルギーの観点から見てもやはり厳しい。
この本の観点が事実だとして、将来に向けて何ができるかどうすべきかを考えたい。
著者の他の本も読みたい -
米国主導の「秩序(ブレトンウッズ体制)」がもたらしたグローバル化。それは海洋・海運の安全保障であり、それらが崩壊したあとの世界を地政学や相互関係を基に分析・予測する。
第2次トランプ政権の現状をみると(2025年3月時点)、著者が語る悲観的シナリオはかなり現実味を帯びてくる。世界各国の立ち位置やパワーバランス、連携関係がよくわかる。日本の海上自衛隊の実力が世界2位とは意外。
注釈や補足の変なジョークは蛇足感たっぷりだが、やや先行き暗い話ながら根幹はOptimistの著者が語っているのでそれほど深刻にならずに冷静に読めて面白い。 -
今のグローバル社会はアメリカが時に犠牲になりながら支えてきた。世界経済の急激な成長は、この幸せな時代背景があってこそ。それが急激に変化し、分断の時代になったときの悲劇を描いたもの。
本書が言うとおり、アメリカが圧倒的に恵まれた環境にあり、自らは容易に生き延びていくだろう。また、今の社会は産業が網の目のように絡み合い、何かがうまくいかなくなった途端に不具合が起きる。その点は理解できる。
しかし、脱グローバル化で分断されたとしても、それで全てがゼロにはならないはず。経済はもっとしなやかで、復元力に満ちているように思えるがどうなんだろう。
中国に対する一方的な見方やなぜか日本の海軍力に対する評価にも違和感が残った。
問題提起は示唆に富むが、非常に偏った極端な見方に思えた。 -
下巻は各論。農業は小麦にやや偏っているが、グローバルな視点は掴める。
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各国のエネルギー、工業、製造業、農業の様子がよく分かった。過去の歴史を見ることで未来が分かり、どの国が世界を支配していくのか意識できる。EVは地球に優しいイメージだが実は多くの資源を使っているとのことだった。
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借りたもの。
上巻( https://booklog.jp/item/1/4087370046 )とも併せて読んで、言わんとしている事は「先進国の少子高齢化に伴うグローバリズムの終焉、そしてアメリカの無関心によって、世界はブロック経済となり、世界経済は衰退する。でも地政学的に恵まれたアメリカは大丈夫」と言いたいらしい。
アメリカのポテンシャルの高さは言わずもがなだが、本当にそうだろうか?
……アメリカの内向きな本という印象を強くした。
私はこの本を読んでも、世界がそんなブロック経済化してしまうイメージがわかない……
あと、「中国がアメリカにとって代わって覇権を取ることは無い」と言いたいのかな?と思った。
第四章はエネルギー。
資源――特に石油と天然ガス――が無い、または産地から遠い国は窮地に陥る。
資源確保のために軍事力を使わなければならない、と指摘する(歴史の中の戦争は、結局そういうものが動機だしさもありなん)。
……え?アメリカはほっとく前提?20世紀の大戦の反省は何処へ?(そもそも、そういう前提の本だった)
第五章は工業用原材料。
「アメリカは大丈夫」の話よりも、様々な資源がどういった国から産出されているかを解説しているが、その殆どに中国の名が挙がるのは言わずもがな……
グリーンテックの実現の困難さを指摘している。
第六章は製造業。
オートメーションの進歩によって、後進国の人間の手による人海戦術の余地が無くなる。
シェール革命によってアメリカは世界一安い電力を手に入れているから、オートメーションによるアメリカの製造業は復活を遂げる?
第七章は食料。
こちらも「アメリカは大丈夫」の話よりも、今、世界の都市部で食される食べ物がグローバリズムによって支えられていること、それが無くなると起こり得る、未来への不安――食糧危機――を指摘。
“国”単位で比較すればこの本のイメージは掴みやすいが、アメリカの富をアメリカ総国民が享受している訳では無いし、それ故に内在している“分断”がある……その地域差などを踏まえた印象が無いので、「本当にそうなるのか?」という疑念がある。
たとえば、アメリカの孤立主義から、諸外国が反アメリカ同盟を結託した場合、どうなるのか?という疑問。
これは対国家戦争という意味ではなく、内側からの分裂――シビル・ウォーの再来――が起こった場合、おそらく他国からの助力を乞うことも起こるだろう。
社會部部長『あの国の本当の思惑を見抜く 地政学』( https://booklog.jp/item/1/4763141880 )において、地政学的な視点から、アメリカの“弱点”を指摘していた。それは「海洋国家であるがゆえに、攻撃に弱く、防御に強い」こと。
上記本では、地政学的にいえば非干渉主義は理に適っていない。
それは、人口は世界の7割、GDPの6割、石油は6割、天然ガス7割、石炭5割を持つユーラシア大陸で派遣を取った国が世界の覇権を握るから。
もしアメリカが非干渉主義に徹すれば、ユーラシア大陸の潜在覇権国の力を強大にさせて、アメリカの立場が危うくなるという指摘。
【「ドイツが強すぎる」問題:もう誰もが忘れた、そもそもNATOが必要な理由】
https://www.youtube.com/watch?v=cSbPfhoiwbQ
そのあたりを書かないのは、話が複雑になりすぎるからか、本では収まりきらないからあえて省いたのか……? -
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アメリカ影響力が低下し世界の構造が大きく変わった時に、中国に代わる製造拠点になる潜在力を持つ地域として、東南アジア、インド、ブエノスアイレス(アルゼンチン)を挙げている。前者2つの地域に対する日本の投資に期待している。
EVや有機栽培のように、一見地球に優しいイメージを持つ製品や産業が、実はよる多くの資源を使い環境負荷を与えていることが改めて理解できた。 -
著者の言いたいことは上巻で書かれていて、下巻は色々な角度から同じことを言っている感じ。大分とばし読みしました。
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世界はこれから無秩序になっていくというあまりにも暗い予想。唯一北米だけは比較的困難を免れるそうなので移住するならアメリカ
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世界の繋がりとリスクがよく整理されており、勉強になりました。
どこまで現実化してしまうか、わかりませんが、最近の世界情勢をみていると、リスクが現実のものになりそうで、恐ろしいです。 -
地政学は面白い。歴史であれ政治・経済であれ、その場所の持つ特性からは逃れられないから、地政学を出発点にして考えると見えてくることが多いというのはよくわかる。そういう意味で、これからの世界を地政学の視点を基盤にしてみるとこんな風になり得る、と仮説を立ててみたのがこの本。資源や製造業など、個人的にはざっくりした常識程度の知識しかない私にとっては、それぞれどこでどんな風に、どんなものが作られて、どんな風に輸送されて現代の世界ができ上っているか、というのが理解できるという意味では「社会科の勉強」としてとても面白かった。
半面、グローバリゼーションを推進してきたアメリカ人の視点から“グローバル後”を見ると、こんな景色かという「引き算」もしながら読んだ。全体として、土地と資源があり、人口も確保できているアメリカは、脱グローバルで他国と分断されても大抵大丈夫、というのが著者の出発点にあるように見え、目下たまたまトランプ政権の諸々の騒ぎを見ながら読んでいると、なるほど、アメリカ人はこういう風に考えているのね、と腑に落ちてしまうところがあった。素人なのでまったく「根拠レス」ではあるけれど、それほどアメリカもうまくはいかないのではないか、という疑問符を頭の隅に浮かべながら読み進んだ。 -
20250324-0410 上巻が地政学的観点から見た世界史で、下巻が各論。主要国だけではなく世界中の国についてまんべんなく触れているのはすごいなと思った。アメリカ人から見た日本、というのも新鮮だった。
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地政学はやっぱり面白いけど、この本に関して言うと、各セクターごとに脱グローバルの影響をつらつらと書いていくのが頭に入りにくかった。
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かなりダークだけどあり得そうな未来の予測。アメリカが主導してきた開かれたグローバルな秩序の終わりが何をもたらすのか。都市化した多くの国で急速に進む高齢化と人口減少、気候の変動がもたらす食糧供給の変化。
その結果として著者が予測するのは、食糧危機による世界の大部分(自給自足できない大部分の場所、グローバルな秩序が終わっても貿易に参加できる限定された地域を除く大部分)での飢餓、製造業のサプライチェーン断絶による今までのような生活が維持されない世界、人口構造と現在のハイパーファイナンスの終焉による中国の急速な崩壊。そしてそんな世界を尻目に孤立しても生きていけるアメリカ。
2030年台はかなり厳しい世界。コロナ前の数年がグローバルな秩序の精華だった。
中国下げアメリカ上げが少し極端かなとも思うけど一つの世界の見方として勉強になる。
そして著者が希望としてあげるアメリカとメキシコの無関税経済圏もなきものにしかねない第二次トランプ政権が現実をこの本よりも先に進ませている。
著者プロフィール
ピーター・ゼイハンの作品
