悪寒 (集英社文庫)

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  • 集英社
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本棚登録 : 1111
レビュー : 115
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087440096

感想・レビュー・書評

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  • 伊岡瞬『悪寒』集英社文庫。

    会社に人生を翻弄されるサラリーマンの悲哀、そして、単身赴任の不在時に家庭で起きた大事件……全体に漂う嫌な雰囲気に気分が落ち込みながらも予想外の結末に驚愕するミステリー。『代償』や『痣』のレベルには到達していないが、それなりに面白い作品である。

    会社の不祥事の責任を取らされ、東京の本社から山形県酒田市の系列会社に出向させられた大手製薬会社社員の藤井賢一はある日、娘と共に東京の自宅に残った妻から不可解なメールを受け取る。不安を感じた藤井が急遽東京に戻ると妻が自宅で藤井の上司の本社常務を殺害し、警察に拘束されたことを知る。

    本体価格790円
    ★★★★

  • 大手製薬会社に勤める藤井賢一は、不祥事の責任を取らされ山形の系列会社に出向させられる。
    理不尽な上司にパワハラを受ける毎日。
    一年で戻れるという約束だったはずが、約束は守られない。

    そんなある日、東京で娘と母親と暮らす妻から不可解なメールが届く。

    慌てて東京に帰るとが、警察から妻を傷害致死容疑で逮捕したと知らされる。
    殺した相手は、自分を1年で戻すと約束した元の会社の常務だった。

    一体妻に何があったのか!?

    単なる庇い合いの話かと思ったら、そんな単純な話ではなく、
    真相は別のところから見えてくる。

    前半の会社の派閥争いの話は、実際にありがちな話だなぁと前のめりになって読んでしまった。
    後半、家族の庇い合いの単調な話で終わるのかと思ったら、ちゃんと落としてきてくれる。

    伊岡先生の小説は、今のところハズレが無い。
    別の作品も色々読んでみたい。

  • 初めての作家さんでした。どこかで読んだレビューに面白いとあり、閉館する前に巣ごもり様にと取りあえず借りたのですが結末も好きになれなかった。最後まで読ませる牽引力は大。


  • 初めての伊岡瞬!
    今読み終えて滂沱の涙です。

    全国書店第1位
    サラリーマンが呑み込まれる壮絶な運命。

    最初は主人公藤井賢一が馬鹿で愚かで鈍感で!と罵倒しながら読んでいた。
    ある意味出向での対応には同情していたが。今ならセクハラだろう。それも行き過ぎた。被害者だ。
    言葉が汚くてごめんなさい。
    度を越した上司幹部上役が憎くて読みながら
    怒ってた。
    こんな話なんだとある意味予想通りと読みながら
    ジャーン「古っ」
    ある時を境に物語は一転した!

    息もつけずに、バタバタ家事を済ませ
    夢中で読んだ。「徹夜かな」

    そして終わり、どんでんがえし

    今年で68冊読んだけど
    今現在最高のおすすめだと思う。

    さあこれからは伊岡瞬のありったけの本を読むぞ、「決意表明」

    最後には泣ける
    わざとらしくない。
    伊岡瞬!お主できるなぁ

    藤井賢一の足りないところ
    家族を信ずる!
    そのことを刑事真壁に指摘される
    「愛するということは
    何があっても信ずる事ではないでしょうか。

    我が身に変えてもかばう事ではないでしょうか?」
    そう核心をついてる。
    賢一にはそれが欠けてる
    余裕がない。
    甘い。浅はかだ。

    いつも思うのだけど、息子を育てるのは
    女親、
    女親が、母親が世の中を良くも悪くもする
    これ自分の持論。

    ここまで怒り狂いながら読んで最後には
    全てを納得させ
    爽やかだった。
    家族は一緒にいなければ
    家族だからわかると決めては行けない。努力もいる。


    「不審者」
    他の賞を得た作品も読みたい。

  • オススメ文庫王国から。自分で蒔いた種とはいえ、主人公のあまりにも急転直下な転落が、序盤の物語を、とにかくどんどん引っ張っていく。中盤以降も、家族の問題もどんどん付加されていきながら、最後の意外な真相まで、二転三転どころか、何転するんだってくらい、めまぐるしく展開していく。徹頭徹尾、求心力が凄くて圧巻。関連作品も含め、他の著書も気になります。

  • どんでん返しが何度もあって最終的には1周半くらいした結末という感じ。しかし、どんでん返しが人物の証言だけで一気に進んでしまうのが勿体無いというか、読者の想像と閃きを掻き立てるものだともっと良かった。

  • 上司を殺したのは妻。賢一の仕事、上司、同僚。家族から伝えられたこと。そして事件。ゆっくりと始まるけれどそのスピードが徐々に上がっていくと同時に家族というもののつながり、複雑さが見えてくる。事件の真相はどこにあるのか。終盤の二転三転する展開とある人物の心の内が吐き出される場面に圧倒される。心に抱えてる暗いもの、重いもの、憎悪。そういったものがどんどん溢れてくる。大切なものは何か、守るものは何かを問いかけてくる。

  • 憎んでいた上司が殺された。犯人として逮捕されたのは自分の妻だった。というお話。上司にいじめられ、いやみを言われる場面では、真実味があって、いらいらした。
    妻は本当に犯人なのか?何があったのか?気になって一気読みしてしまう本。

  • 前に読んだけど、また再読。
    やっぱり、おもしろくて一気に読みました。
    白石法律事務所が出てきたり、真壁刑事が出てきたりと
    そういうとこも嬉しい登場人物です。
    二転三転する事件…犯人は捕まって自首も自白もしてるのに、なんだか違和感…
    ラストは、そういうことか。。って感じ。
    何せ、被害者側の会社がイヤ〜な感じ。
    早く、こんな会社辞めたらいいのに。もっといい会社たくさんあるだろう…ってずっと思ってた。笑笑

  • 主人公の考え方や行動に共感できなかった。
    ミステリーとしても良い構成なのですが、私の主人公に対する拒絶感で読んでいる時も、読後も、モヤモヤした感じが拭えませんでした。
    そのせいで感想を書くのも遅くなりました。
    逆に言えば、それだけインパクトがあると言えるでしょう。

    少しステレオタイプな人物像かもしれませんが、中年男はダメという感想です。

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著者プロフィール

伊岡 瞬(いおか しゅん)
1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞しデビュー。著書に『145gの孤独』『教室に雨はふらない』『代償』『ひとりぼっちのあいつ』等がある。
2010年「ミスファイア」で第63回日本推理作家協会賞(短編部門)候補、2011年『明日の雨は。』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補、2014年『代償』で第5回山田風太郎賞候補、2018年『痣』で第20回大藪春彦賞候補。

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