血縁 (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (2019年9月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784087440218

感想・レビュー・書評

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  • 長岡弘樹『血縁』集英社文庫。

    家族という特殊な社会の中で起きる犯罪をテーマにした7編から成るミステリー短編集。

    『文字盤』『苦いカクテル』『オンブタイ』『血縁』『ラストストロー』『32-2』『黄色い風船』を収録。

    苦しい設定や無理な展開の短編もあるが、最後まで読ませる短編が並ぶ。しかし、気になるのはこの著者の文章からは犯罪は悪だというメッセージが1つも伝わってこないことだ。著者が余りにもミステリーとして犯罪を描こうと躍起になる余り、人間が本来持つべき犯罪に対する嫌悪感や憎悪が文章から欠如してしまっているように感じる。そのためか、ミステリーとしては面白いが、読後に嫌な感覚だけが強く残る短編が多いように思う。

    本体価格660円
    ★★★★

    • goya626さん
      幾つかこの作者の小説は読みましたが、確かに後味は微妙ですね。
      幾つかこの作者の小説は読みましたが、確かに後味は微妙ですね。
      2019/10/12
  • 「血縁」ということからもわかる家族をテーマにした短編集。
    ちょっとした部分に巧妙な細工がある感じがする。
    家族にも親子、兄弟、姉妹…色々ある。
    そして、それに関わる様々な事象。
    血縁関係であるからこその付き合いの難しさがある。
    家族だから…家族なのに…それぞれの色々な立場で感じ方は違ってくるかもしれない。

    2024.1.18


  • 血縁もしくはそれに限りなく近く、
    それ以上に濃い人と人の繋がりが
    引き起こす犯罪にまつわる物語。

    文字盤
    苦いカクテル
    オンブタイ
    血縁
    ラストストロー
    32-2
    黄色い風船

    個人的には、苦いカクテルとラストストロー、
    そして黄色い風船の葛藤を抱えながらも
    人との関係を無にしない読後感が好みです。

    オンブタイと血縁は、ちょっとゾッとする
    粘度を感じさせる話。

    32-2は趣向の変わった奇妙さを感じました。

    文字盤は少し苦くて切ない感想。

  • オンブタイがお気に入り。題名だけでもなんかいやーな感じがするけど、ぞわぞわして、最後はこわーとなった。
    短編だから、サクサク読めて世にも奇妙な物語的面白さ。

  • 通勤電車内で読む時は、乗り過ごしに注意!

    短編小説の面白さは、手早く結果(満足感や感動、ちょとした恐怖やスッキリ感など)が得られること、それが実感できる本。
    だからこそ、ラスト近くで読み止まらない。

    この作家の短編は、小説のアイデア“そのもの”であって、描いた物語たちがキレキレなリズムに乗って一つ一つミステリーの醍醐味となって、読者を夢中にさせる。

    7つの短編は「血縁」ということに何某か関わったストーリーで、親子、兄弟姉妹のちょっとした絡みがミステリーを盛り上げる。
    (最後のお話「黄色い風船」はちょっと遠いが)

    けっこう重い話ばかりなんだけど、読後は軽い。

  • はじめての長岡作品。

    短編集だと気がつかずに購入し、しばらく寝かせてあった一冊。
    予想以上に夢中になり読了。
    どれも短い物語のなのに、とにかく読み応えがある。人間のエゴが根底にあり重いテーマだった。「やはり」と言っていいのか人間はそうそうきれいなものじゃない。もちろん自分を含めの話だ。大人になればなるほどぶつかる困難は増えそんなときに色々自分を見つめ直す。自分が優しくあれるかどうかは、試されどころでもある。

  • 切っても切れない絆
    血縁をテーマにした短編犯罪集

    コンビニ強盗はなぜ手書きのメモを読んで何も反応しなかったのか…「文字盤」
    介護する父親を殺したのは…「苦いカクテル」
    交通事故を起こした男の話…「オンブタイ」
    姉の嫌いな妹と妹の嫌いな姉…「血縁」
    3人の警察官の…「ラストストロー」
    完全犯罪工作…「32-2」
    犬に懐かれる男と死刑囚…「黄色い風船」

    個人的には「オンブタイ」が一番面白かった。
    視覚のない世界の恐ろしさ
    そして最後にわかる恐怖
    小説だからこそ描ける究極の推理小説だと思う!

  • ちょっといまいち
    読後感がよくない(笑)、設定に納得いかない(笑)
    家族をテーマに、7つの物語からなる短編集。

    ■文字盤
    コンビニ強盗が店員にナイフを突きつけていた時に、電話が鳴り、店長が「でていいか」と書いたメモを見せながらも、強盗が答えない。
    その理由は?
    そして、その犯人は?
    という展開。
    しかし、動機がちょっと納得いかない。

    ■苦いカクテル
    老父の介護に疲れた主人公の女性と妹の物語
    父の死の犯人として、法廷で裁かれる姉。その弁護を務める妹。
    そして法廷で明らかになる真実
    これはよかった

    ■オンブタイ
    酒を飲んだ後の自動車事故で同乗者を死亡させ、視力を失った男の物語。
    男の末路はということですが、こんなことってある?
    いまいち

    ■血縁
    幼いころから姉に虐げられてきた妹の物語。
    過失で老女を殺めてしまった妹、しかし姉がそれをかばう形に
    ことの真相は?
    ということですが、これ、かなりいまいち。
    こんな姉妹関係ってあるの?
    動機もよくわからない。

    ■ラストストロー
    死刑執行を担当した退役刑務官の物語。
    当時、死刑執行ボタンを押した二人と合わせて、毎月7日に集まって近況を語り合うが、今月は3人で集まれないかもという展開。
    これは、重い話ではあるけれど、よかった

    ■32-2
    一代で財を築き上げた母親に対して、その娘、婿、妹の物語。
    とてもブラックな話ですが、これも現実感があまりない。
    妹も変..
    いまいち

    ■黄色い風船
    これも刑務官の物語
    死刑囚がガンのようだが、診断結果は健康。
    その理由は?ことの真相は?
    といった展開
    これもちょっといまいち

    ということで、読後感がいまいちです。
    残念。

  • バリエーション豊かなミステリー短編7話収録。

    一口に人の縁といっても様々。
    良縁もあれば悪縁もあり、血の繋がりがあれど憎しみを抱く事があれば、他人とはいえ力を貸して貰える事もある。

    7話の内、印象に残ったのは以下。

    〈オンブタイ〉
    まずタイトルの語感から?と引っかかる。自業自得で視力と部下を失った男。そこへ現れる謎のヘルパー・タミちゃん。トリックは割とあっさり分かるのだがオンブタイってそれか!となることうけあい。

    〈黄色い風船〉
    看守と死刑囚の交流が描かれつつ、犬の能力が鍵になり真相が明らかになる。


    …何でだろう、今ひとつ記憶にあまり残っていない。

    恐らくだが全体的に淡々とまとまり過ぎてしまっており、登場人物のキャラクターだったり設定の突飛さも無く「あぁこの話こうだったな」と記憶に引っかかる手掛かりが少ないからだと思う。


    2刷
    2021.10.26

  • どれをとっても失望しない犯罪小説集と書かれた帯に惹かれ購入。
    いやいや、怖い話が多くないですか?
    でも、ほんとに内容は秀逸。なんか読まされたぁと思った。
    家族なのに、家族だから?どちらもありかもしれないけど、妹を殺そうとするなよ。とか。血縁
    32-2 はこのままの運命?つらい。
    ラストストローと最後の黄色い風船は、後味が良くて、最後はすっきりしたかな。

  • 「オンブタイ」を読み終えた瞬間、真っ暗な画面の右下に「世にも奇妙な物語」のロゴが浮かぶテレビが見えた気がしたんだ…

  • 文字盤と黄色い風船が良かった。オンブタイと32-2は、凝りすぎ。

  • 教場シリーズが好きで長岡弘樹をもっと読んでみようと思って。

    最後に「なるほど、そういうことか」と思う短編集。
    頭をひねって辿り着く結末が面白い。

  • 血縁ならではのと言うか、なんとも微妙な関係により成り立ってしまう犯罪集。

  • 親の介護、姉妹の葛藤、婿の反乱、等などの話が詰まった7編の短編集。
    日常的に起こりそうな内容だが、多少無理もあるが考えさせられるストーリーばかりです。

    印象に残っているのは
    オンブダイ、血縁、32-2、黄色い風船。
    どれもおもしろいが特にこの4編が後に残った。

    「傍聞き」もおもしろかったが、流石、短編小説の巧者である長岡弘樹さんの短編は読みやすく内容が濃い。
    次は何を読もうかなぁ?

  • 2023.5.14

  • 短編集

    既読もあったけど、それ以外にインパクトがあったな。苦いカクテルって、非現実ではあるものの姉妹の親への想いが伝わって来て良かったし、ラストストローのどんでん返しも鮮やか。

    逆に、32-2の意味がわからなかったり、黄色い風船のアクロバチックさは少し好みでは無いな。

    でも、どれもキレの良い作品だ。アイデアが光るね。

  • 父の本棚から拝借した一冊。
    長岡さんの作品は恐らく初めて読みますが、教場の作者と知りなるほど納得。

    短編集は久しぶりでしたが、ゾクリとする人の怖さを描いたもの、ほっこりと心が温かくなるもの、それぞれにレベルが高く、全体のバランスもよいと思います。

    文体も好きだったので、他の作品も読んでみたいです。

    2020年17冊目。

  • 7つの短編集。どれも短編の醍醐味が味わえるけどなんとなく後味悪いものを感じて読了するものが多かった。ちょっとした推理や心情を読み取ったりそいういうことかと腑に落ちるということでは納得。

  • 可もなく不可もなく。
    読みやすくはあった。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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