爽年 (集英社文庫(日本) 娼年)

  • 集英社 (2020年5月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784087441086

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

多様な女性の欲望や悩みを描くことで、心と愛情のつながりを探求する作品です。最終章では、主人公リョウがさまざまな背景を持つ女性たちと関わりながら、彼女たちの欲望を受け入れ、満たしていく姿が描かれています...

感想・レビュー・書評

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  • 娼年シリーズ最終章。静香が亡くなり、ボーイズクラブはリョウの手へ。アズマやアユムと協力しながら、リョウは女性の欲望を満たす日々を送っていた。女性と言っても1人の人間で身体のつくりも持っているものもバックグラウンドも全て違う。その全てを受け入れられるリョウが素敵。咲良との子を授かったと同時に、アズマを失うところも人間の入れ替わりを表しているようで、世界の流れのようなものを感じた。文章だけでここまでリアルに緻密に描けるのが凄い。AVよりリアルな世界。リョウと咲良の子が「東」として幸せに暮らしていけるのだろうか。要望を受け入れる仕事として世に必要不可欠であると思うが、現実には、摘発されてしまうお仕事である。『娼年』という作品の中でのみ成立する世界だからこそ儚く美しい。

  • やさしくて、女性への愛が伝わってきます。

    「娼年」シリーズの最終章です。

    40歳の処女や、摂食障害で男性恐怖症な女性、性感帯が口の中にある女性、縛られて外出する女性など、今回も色々な性癖を持った女性の話が出てきます。

    もっとも共感したのはクリスマスデートをしたノエルさん。
    子供が自立してから空ろになってしまい、しばらくしたら欲望が芽生えた。
    「欲望は激しくて、逆らうことができない。会いたい人に会って、いきたい場所にいって、たべたいものをたべる。それを全部やらずにいられないの。パスポートがスタンプだらけになったのも、ワンナイトで男の人とつきあったのも、五十代が初めてだった。」
    誰もが芽生えるわけではないのかもしれないけど、なんだか響いたエピソードでした。

    性に関して、ただみんな言わない(言えない)だけで、色々な悩みを持ち合わせていて、自分だけじゃないんだって思える作品です。

  • 娼年シリーズ完結編。
    性欲は、心と愛情の繋がりを求める人間の麗しき性質であると改めて知る。
    欲望を隠し立てる風潮が、多くの女性を豊かな生活から縛りつけていると思うとなんとも嘆かわしい。

  • 娼夫であるリョウが主人公の話(3作目)。今回は大きな事件は起こらず、彼の仕事を中心に淡々と書いてあるのだが、ぐいぐい引き込まれる。際どいセックスシーンが満載だが、全く不快ではない。それは、リョウが女性の気持ちに沿って、女性に奉仕する姿勢を徹底しているからだろう。決して自分の欲望を前に出したり支配しようとしたりしない。女性客の希望なら、どんな変態的なものでもそれを尊重する。決して見下したり嫌悪したりしない。大金を払って彼を買う人がいるのもわかる。

  • 娼年、逝年で終わりかと思っていたら
    本屋でまさかの発見。即買い。
    みんなそれぞれに大人になって
    変化していく中で
    でも変わらない欲望について
    考えさせられる。

  • 外で読んでいて、ほかの人に見られたらやばいかな?と思いながら読んでいました(笑)
    どういった人が読むのかな?と考えると女性で中高年かなと。

    こういった類の小説は、なかなか切り込みにくいものだと思う。それをきれいにまとめあげていると思った。

    主人公リョウが、とても優しい。
    考え方が、すごくまっすぐでピュア。
    お金のためとか利害関係を考えずに、人のことを思い、相手の気持ちやこれからの行動を考えるところも、とても好感が持てました。

    誰にでも人それぞれの悩みがあって、それを笑うでもなく理解しようとする、こんな若者がいたら‥本当にいいなぁと思いました。

    性描写やそれ以外にも私などにはわからない気持ちなども含めて、きれいにまとまっている小説だと思いました。

  • 読みやすかったです。
    自分の知らない世界の話なので、非常に興味深かったです。

  • 娼年、逝年、爽年3部作をここ1ヶ月で楽しみました。
    出会いは、図書館の返却棚にあった、爽年を手にして、なんとなく何部作かになってるかもと言う予感があり、調べてみれば3部作。頭から読み始めたら、あたらしい世界に出会えて、内容も素晴らしかった。石田衣良は好きな作家のひとりだけど、描写や人と人の心のやりとり、女性への配慮は流石だなと感じた。
    最終章は幸せと悲しみが混じり、どちらもなんとなく想定できたけど、ハッピーのみで終わってほしかった。作品は素晴らしかった。

  • 娼年、逝年に続く最終章。ラストは色々あったけど、納得のいく内容でよかったです。

  • シリーズ最終章。前作、逝年から7年後が舞台。
    男娼として、女性やあらゆる欲望の形と向き合い、続けた主人公のショウ。
    最後は自らの生き方を見つめ直し始める。
    このシリーズは色々な嗜好の女性が出てくるのだが、とにかく石田衣良さんの女性の描き方が上手い。
    一部、以外はあったが、最後はなんとなく想像通りの展開。
    ストーリー自体にもう少し展開力が欲しかったなと感じる。

  • 性を扱っているのに、下品さではなく美しさに酔えるような大好きなシリーズ。リョウと咲良ちゃんがずっと幸せでありますように…

  • シリーズモノの完結版。
    途中は面白く読み進めるが、終盤は展開が早く、終わり方がきれいすぎた印象。

  • 娼年シリーズの完結編。性とは何か。描写が生々しいため、一見官能小説の類いかと感じてしまうが、読み進めるうちにもっと深いテーマが隠されていることを気づかされた。

  • いょいょ 最終章
    シリーズを通して 女性の多様な性愛 重いテーマだったり、表に出しにくいテーマだったりするのに、その真(芯)は【理解し合う事】なんですね。

    性描写が多いのに読みやすいのは主人公(リョウ)を通じて、女性に対して誠実さや真摯な態度に感銘を受けるからなのでしょね。

  • 三部作の最終章。
    前作をだいぶ前に読んだので内容が薄らいでいますが、今回の作品もとても面白く読めました。
    性に対して様々な感情はあると思うけど、こんなに優しい気持ちで読める本はあまり無いと思います。

  • 娼年シリーズの最後になるのかな。
    集大成ともいえる作品。
    主人公のリョウが娼年として様々女性とセックスを通して、
    女性の内側を解剖していく感じがします。

    しかし、作中にあるように世の男性が性への欲望を失くしたというのは
    同意できず。
    女性の方がその傾向が強いように思えます。

  • 3部作完結編。
    リョウが、
    出会った女性を通して性の多様さを語りながら、
    自身がどう変わり、変わらなかったのか、
    今後の人生をどう生きていくのかが綴られている。
    リョウの、女性の性に対する考えや姿勢は、
    相変わらず素敵だと思う。
    男性と女性の、
    性に対する本能感覚の違いを知るのにも
    良いかもしれない。
    星は、3.5にしたかった。

  • シリーズ最終作。この類の作品で穏やかな気持ちで読めるのはなかなかないと思う。日本人は性に対してもう少しナチュラルでも良いのかも知れない。

  • 娼年シリーズ3作目の完結巻
    
    以下、公式のあらすじ
    ---------------------
    映画化(R-18指定)で話題の「娼年シリーズ」最終章
    最後の、夜。
    
    始まりはこのバーだった。
    娼夫として7年もの歳月を過ごしたリョウ。御堂静香の後を引き継ぎ、非合法のボーイズクラブLe ClubPassion(「クラブ・パッション」)の経営を一手に引き受けるまでに。男性恐怖症、アセクシュアル…クラブを訪れる女性たちにも様々な変化が。
    リョウは女性の欲望を受けとめ続ける毎日の中で、自分自身の未来に思いを巡らせ始めた。
    性を巡る深遠な旅の結末に、リョウが下した決断とは……。
    大ヒットシリーズ『娼年』『逝年』続編。
    ---------------------
    
    「娼年」「逝年」ときて「爽年」
    果たして、「爽」の物語だろうか?
    
    リョウが新たにお店を開き、これまでのお客さんや新たなお客さんと性で繋がる
    
    そして、仲間としてのアズマや同志としての咲良
    果たして、物語はどんな結末を迎えるのか?
    
    
    女性の深堀りはこれまでの作品に比べるとそんなでもない
    リョウの仕事に対する姿勢も今までと変わらないので、いい意味でマンネリ化している
    
    これまで登場した人々の現在とその後
    「締め」のための作品としてはそこは描きたいよね
    
    お客さん、仲間など様々な出会いがあったけど
    死別という別れもある
    
    内容としては「葬年」でもいいような気もするなぁ
    
    
    そして、リョウの新たな道という人生
    普通の大学生をしていたら得られなかったものだろうし、こんな物語もあっていい
    
    
    全部読み終わって思ったけど
    この物語は「性」をモチーフにしているものの
    世の中は一人一派の属性が存在するというマイノリティの物語なのかもと思った
    性というのは秘めれるべきものという規範があるからこそ、余計見えにくくなっているだけでね
    なので、世間には色々な人がいるなぁと改めて思う

  • 石田衣良しか勝たん!
    こんなに情欲が美しく描かれること、ない。
    クラブの続きが知りたくなる。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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