時代小説 ザ・ベスト2020 (集英社文庫)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087441314

作品紹介・あらすじ

2019年度の小説誌に発表された短編から精選した、傑作11編を収録。
収録作品/「ゴスペル・トレイン」川越宗一(第162回 直木賞受賞作家)/「太郎庵より」奥山景布子/「仮面舞踏会」林真理子/「あかるの保元」村木嵐/「宇都宮の尼将軍」簑輪諒/「沈黙」佐々木功/「鴨」矢野隆/「雪山越え」植松三十里/「脱兎」大塚卓嗣/「剣士」青山文平/「貸し女房始末」浮穴みみ

感想・レビュー・書評

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  • 歴史小説アンソロジー

    自分は殆ど知らなかった史上の人物が多く、とても興味深く拝読しました

    森蘭丸の兄、森長可(ながよし)の破天荒っぷり凄まじい『脱兎』

    後白河天皇と貴族の戦『あかるの保元』
    深く印象に残りました

    特に保元の乱の歴史は是非もう少し掘り下げたいです

  • 2019年度の小説誌に発表された短編から精選した、傑作11編を収録。
    収録作品/「ゴスペル・トレイン」川越宗一(第162回 直木賞受賞作家)/「太郎庵より」奥山景布子/「仮面舞踏会」林真理子/「あかるの保元」村木嵐/「宇都宮の尼将軍」簑輪諒/「沈黙」佐々木功/「鴨」矢野隆/「雪山越え」植松三十里/「脱兎」大塚卓嗣/「剣士」青山文平/「貸し女房始末」浮穴みみ

    こうした編集物は選者の目利きがすべてです。今回は、川村湊、雨宮由希夫、伊藤氏貴、植松三十里、末圀善己、縄田一男の6名で巻末の講評は末圀氏が担当しています。
    結論から言えば、11編の中で、2編が飛びぬけて素晴らしい。奥山景布子「太郎庵より」は幕末の逆らえない過去を持ちながらも北海道入植で新たな一歩を踏み出そうとする男女の清々しさ、青山文平「剣士」は「無駄飯食い」の老人二人がせめて武士らしい最後を迎えよう画策する話は、武士版「姥捨て山」の如きで味わい深い。

  • 『ゴスペル・トレイン』『雪山越え』『鴨』『剣士』が良かった。

  • 時代小説ザ・ベスト2020。

    本能寺の変後の森長可を書いた「脱兎」の爽快感がいい。張り巡らされた陰謀を、個人の武勇でぶち壊してゆく様がいいですね。

    「鴨」と「沈黙」。芹沢鴨に寝取られ、共に暗殺された妻。関ヶ原前夜に西軍の人質となることを拒み戦死した妻。どちらも最愛の女性を失った男の愛情の行末が書かれていて、まあやりきれないというか、感情の落としどころが見つからない。
    無理やり落とし込んでいるような。暗い。どちらも暗い。
    それもあって「脱兎」に爽快感を覚えたのかもしれません。

  • 野生時代2019年2月号太郎庵より:奥山景布子、仮装舞踏会:林真理子、小説すばる2019年2月号あかるの保元:村木嵐、オール讀物2019年7月号宇都宮の尼将軍:箕輪諒、小説宝石2019年9月号沈黙細川越中守忠興御事:佐々木功、鴨:矢野隆、小説新潮2019年10月号雪山越え:植松三十里、ミステリマガジン2019年11月号脱兎:大塚卓嗣、野生時代2019年11月号ゴスペル・トレイン:川越宗一、オール讀物2019年11月号剣士:青山文平、小説推理2019年11月号貸し女房始末:浮穴みみ、巻末エッセイ節目の時代に読者に夢を与える歴史時代小説:末國善己、の11編の短編と1編のエッセイを2020年6月集英社文庫から刊行。文庫オリジナル。いずれも秀逸な力作揃いで、ザ・ベストにふさわしい内容。お得感あります。

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著者プロフィール

『熱源』で第162回直木賞受賞。

「2019年 『異人と同人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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