怪しくて妖しくて (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087442458

作品紹介・あらすじ

嗚呼、怪し。現代版『夢十夜』

ショートショートの名手、阿刀田高が贈る

夢と現実(うつつ)のあわいに現れる、日常の恐怖を描いた珠玉の短編集。

黒髪の美しい、不思議な女の後を追って……「黒髪奇談」、かつて「殺したい人、いますか」そう尋ねた孤独な少女……「向日葵の夢」、暗い土蔵のなかに捨て置かれた鏡、その中で蠢くものは……「鏡の中」、同じ夢を見る。他人には言えない秘密を持った日には……「白い部屋」など全12編。

【著者略歴】
阿刀田 高(あとうだ たかし)
1935年東京生まれ。1979年「来訪者」で日本推理作家協会賞を、『ナポレオン狂』で直木賞を、1995年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。2003年紫綬褒章、2009年旭日中綬章受章。著書多数。

感想・レビュー・書評

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  • 小説すばる2016年11月号〜2017年10月号―十二人の私の物語―として掲載の12の短編を2018年6月集英社より刊行。2021年5月集英社文庫化。飛べる話や亡くなった人を見たり、理由がない不思議な話や怖い話が結構あって、面白かったです。気持ちや精神が、もの凄くある方向に傾く時がありますが、そういうところをうまくつかまえた展開になっているのが興味深かったです。

  • ホラー系短編集。個性的な文体で会話も主語とかが抜けてたりするから読むのに頭を使う。そして結末もはっきり書いてないのがほとんどで、読者に想像させるということか?
    ホラーにはなってるけど真新しくはないから怖くはないけど、なんか余韻が残る。本のタイトルの「妖しくて」がピッタリ。う~ん、読んでいる時は情緒があっていいと思っていたが読み終えると内容は覚えていない。さらさらと読めるので電車とか旅先で読むのがいいかも。

  • 男と女、生と死、闇と恐怖、過去と未来、夢の中に思いを馳せる。

  • 「花の命」の、花は散るために咲く、散ることが尊い。散るからこそ咲いているときがすばらしい、とはよく言うけど本当にそうだと思う。考えるととても切なくなる。
    人間だけが死を考えて思案を深くしてきた。
    この本の物語も死に直面して思案している話が多い。
    「くちなしの便り」のくちなしがどんな花か知らないが、死ぬときは花の便りを送るというのだから、個性的な強い匂いなのだろうか。
    「夜の忘れな箸」は脆く儚い恋に死が絡む。二人の出会いのシチュエーションが違っていたら、恋が深まり愛になっていたかもしれない。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50257671

  • 最後に、ヒッってなる短編。笑笑

    ヒッってなるから。

    そう、読んだらわかる。ヒッの意味。

    どんでん返しっちゃーどんでん返しなんだけど、とにかくヒッってなる。笑笑
    これ、ヒッってなりたい人おすすめ。

    いや、言ってる意味わからなくても、読んだらわかるから。
    ヒッが。

    ヒッってなんのさぁ。

    なんていうのかなぁ。

    ヒッ

    なんだよねぇ。笑笑

    いや。わかる、これで絶対わかる。

    読んで欲しい。

    ヒッ 体験。連発です。笑笑

    わたしは3章あたりからヒッの準備しながら読んだょ。笑笑

  • 中学生の時に星新一にハマって、そのまま中学生にあがり、高校生くらいからだったか、阿刀田高にハマってずいぶん読んだもんだけど、この20年?くらいはとんとご無沙汰していたが、2018年に単行本で出版されたのが今回文庫で出ていたのが、図書館にあったので思わず借りてきた。
    だいぶ読んでいなかったのだけど、読み始めてすぐ、ああ、こういう入りでこういう語り口でと懐かしくなってどんどん読み進めてしまった。
    ただ、昔と違って、少し話が長いというか、少し冗長というか。まぁ、残念ながら、可もなく不可もなくという話が続く中で、最後の、花の命という話が割と面白かったな。
    少し前に読んだ体験の哲学の禅の教えに通じるようなテーマで、哲学的というか、なんというか。ここでは一期一會と言い表されてるが、もう二度と会わないと思うくらい、その出会いに真剣に向き合え、もう会わないと思うからこそ、その出会いが考え尽くされた得難い経験のものとなる、というようなことかな。まぁ、なかなか一つ一つ、全部そんなつもりではいられないのだけれど、始めにこれはそういう思いで、なんて思えるかと言えば思えないのだから、全部そういうつもりで考えるくらいのつもりで生きていかなきゃ行けないのだろう。
    齢五十四、あと何年生きるのかわからないが、今際の際に、何かやったのかな俺?なんて思いを致さないで済む様な生き方をしたいな、なんてことをこの話を読んで考えた。

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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