- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087443493
作品紹介・あらすじ
人を天国へと導く幻獣「しゃもぬま」が、ある日、私の家のドアをノックした――。
待木祐(まちきたすく)は、「夏みかん」の栽培と、「しゃもぬま」という馬のような動物がいるこの島で生まれた。しゃもぬまは死後必ず天国に行くことから、神聖視されている。しゃもぬまは死期が近づくと、島の人間を一緒に天国に連れて行ってくれることがある。そこから、島の人間で誰かが死ねば、しゃもぬまを葬式に呼び、反対にしゃもぬまから「お迎え」がきたら、誰か一人を死なせる慣習が生まれ、永く島では守られている。今の祐の仕事は、風俗情報誌の編集。ある日、睡眠障害に悩まされ、心身ともに疲弊した祐のアパートに、しゃもぬまがやってきた。困惑しながらも、しゃもぬまを受け入れ、死との共同生活が続くうち、祐は奇妙な白昼夢を見るようになる。また、島にいたころの親友・紫織が家に押しかけてきたのを皮切りに、島の人間も不穏な動きを見せ始める。夢の中に現れる女性の正体、そしてしゃもぬまが迎えにきた人間とは。
人を天国へと導く幻獣「しゃもぬま」が住む島。美しい少女たちの記憶と、呪われた家系の秘密。あの世へと誘われるのは、いったい誰なのか。幻想と現実を切り裂く、衝撃のデビュー作。第32回小説すばる新人賞受賞作。
(著者略歴)
上畠 菜緒(うえはた なお)
1993年、岡山県生まれ。島根大学法文学部言語文化学科卒業。本作により第32回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
感想・レビュー・書評
-
この作品のレビューを見ると、どの読者もモヤモヤしているようなので逆に気になります。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
信じられないくらいつまらなかった。
小説すばる新人賞受賞作くということで購入したけれど、場面が次々とそれも唐突に切り替わり、さらに起きているイベントもほとんど意味不明なので、いったい何が起きているのか全然イメージできなかった。
物語がどうこうという以前に、読めない。
せっかくだから最後までがんばって読んだけれど、本当に苦痛だった。読みきった自分を褒めたい。 -
主人公がアダルト雑誌専門の出版社に勤めてるのはなんでなんだろう。なにか説明があるかと思ったけど最後までなかった。編集の仕事に熱意があるわけでもなく、仕事ならなんでもいいみたいなスタンスなので、だったらわざわざそれ選ぶかな…と思った。しゃもぬまの描写はイメージしやすくてよかった。ストーリーはわたしには読み取れなかった。複数の家族の愛憎、だと思うのだけど、血がつながっているというその一点だけでそんなに憎めたり愛せたりするものだろうか。気にはなるだろうけど、そんなに…とちょっとついていけなくなってしまった。
-
感想を、と言われるとちょっと困るくらい何も浮かばない。「つまんねえ!クソ!!」とすら思わない。無。
しゃもぬまとか、いい題材なのに。あの人やあの人なら悍ましく哀しく美しく書きそうなネタなだけにもったいない。 -
しゃもぬまを知っているだろうか。空想上の生物、しゃもぬま。天国へと連れて行ってくれる存在でありながら、あまり好印象を抱かせない不思議な存在であった。死んだら天国へ行きたい、地獄へは行きたくないということの重要性よりも、今を生きていたいと強く感じさせてくれる一冊。
-
死期を悟ったとき、ごく稀に、島に住んでいる誰かを天国に一緒に連れて行ってくれることがあるという不思議な生き物と共生する島。そんなしゃもぬまが何故か島を出て暮らしている主人公のところを訪れることから始まる物語。
この生き物は死期が迫った者のところのを訪れ天国に導く役目を担っているのかと誤解をしたが、その訪問を受けた者は死ななければならない、あるいは身近な者を身代わりにしなければならないという極めて不穏な存在であった。
と言ってもホラー作品があまり得意な方ではない私でも怖がらずに読み進めることができる不思議な雰囲気を纏った物語、いや、生き物だったのだが。 -
大学の授業で、現在扱っています。私の所属しているゼミの先輩に当たる方が書かれたそうで、近代文学を研究している私の先生は「いくら卒業生が書いたとは言っても、小説の構造がちゃんとしていなければわざわざ授業で扱ったりはしない」とおっしゃっていました。物語として読むだけだと、ふわふわとして掴みどころのない、不思議な物語のような気がしますが、小説として読むとたくさんの発見があり、面白いです。夏みかんが印象的でした。
-
〜けれど。
〜と思う。
〜ような。
〜に。
文章の中で何度も繰り返されて、すごく気になる。
もっと、文章力をあげてほしい。 -
いみわかんない