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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784087444049
作品紹介・あらすじ
50年後、記憶の扉を開けた女は……『鯨の岬』と北海道新聞文学賞受賞作『東陬遺事』。喪失と向き合う人々の凄絶な大地の物語2編。
みんなの感想まとめ
喪失と記憶の再生をテーマにした物語が展開され、主人公の奈津子は日常の鬱屈から逃れる中で、過去の痛みと向き合うことになります。彼女の心の中にある空洞は、幼少期の記憶や家族との関わりによって徐々に明らかに...
感想・レビュー・書評
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孫は可愛いけれど、面倒を押しつけられる(?)大変さを見聞きする昨今。「自分が同じ立場に立たされあの時の親のしんどさにやっと気付かされた」と言った人がいたな~なんて思いながら奈津子さんに共感しながら読み進めていった。
少しうつ状態なのか母親のお見舞いに向かう途中でとん走する奈津子さん。人は時に日々の不満やストレスから逃れたい故に、こんな形をとってしまう時があるのかもしれない。
しかしまだまだ生易しかった。実は奈津子さん自身遠い記憶に蓋をしていた恐ろしく悲しい事故の存在があったのだ。
当時教師をしていた父親が、我が子の心を守る最善の方法は忘れる事と思ったのだろう。しかし子供の時感じた説明のつかない大きな恐怖心だけは忘れることなく潜在していたのだなと思った。
2編ともそれぞれ北海道の当時の暮らし厳しい自然を想像しながら読んだ。
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WEB本の雑誌の「オリジナル文庫大賞」の候補作の中から、大賞ではなかったが、選評を読んで良さげに思えたので買ってみた。
200頁あまりの中にお話が2つ。
【鯨の岬】
札幌の二世帯住宅に暮らし共稼ぎの息子夫婦の子どもの面倒を押しつけられた生活に倦んでいる老年の主婦・奈津子が、病気の母を見舞いに行った釧路で思わず乗ってしまった電車で小学生の頃に住んでいた町を訪ねてしまうところから転がるお話。
そこでどんどんと過去の記憶が甦ってきて、かつての捕鯨の町・霧多布での鯨の肉や油や解体や臭いや爆発などについての挿話はなかなか強烈だし、湿原や町の施設の描写には主人公のみならず読んでいるこちらまで日常から離れた心持ちを感じる。
そのことと「自分の中には何か欠落した大きな空洞がある」という彼女の想いとがどう折り合っていくのだろうと思っていたが、札幌に帰るのをもう一日遅らせてまでも知ろうとした記憶の正体があれだったことが、私の中ではちょっと腑に落ちなかった。
先日、淀川に迷い込んで亡くなった鯨が、ガスを抜く作業を施された上で沖に運ばれ沈められたが、死骸は放っておくとお腹の中にガスが充満し爆発するし臭いもひどいということを散々ニュースでやっていたので、物語の中の鯨が爆発する話はすんなりと頭に入ってきた。
久し振りにくらさきの鯨かつが食べたくなった。(と言ったら、配偶者から「あなた、この本読んで、よくそんなこと思うね…」と呆れられた)
【東陬遺事】
江戸後期の蝦夷地・野付に資源調査のため赴任した平左衛門が、仕事の傍ら、通行屋の下働きの家族とも親しくなり、ということで進むお話。
根室半島と知床半島の間にああいう面白い形の半島があること初めて知った。Google Mapで多くの画像を見ることが出来たが、綴られた文章はそれら以上に過酷な自然-流氷で覆いつくされる海、木々の枝が地に伏すように伸びる風の強さ、何もかもしっとりと湿らせてしまう海霧、鼻毛も凍る気温の低さ、獲物を狙う猛禽たちの翼、等々-をしっかりと感じさせる。
終盤、立て続けに事件が起こるが、この結末に作者の意図したところを推し量るのが私には難しかった。
二作とも、北海道のそこにしかない自然や町の佇まいに対する描写には感じ入ったが、お話の顛末にはいささか消化不良という感じになった。 -
『〝クジラ〟強調月間始めました!』4
第4回は、河﨑秋子さんの『鯨の岬』です。
表題作「鯨の岬」の主人公は、初老の主婦・奈津子。孫や夫の世話等で、鬱憤が溜まっています。
ある時奈津子は、腐敗したクジラの腹が発酵して爆発する動画を目にします。クジラの腐敗臭と一緒に遠い記憶が蘇るのでした。
小学生時代に暮らした道東・霧多布の町、クジラの霜降り肉やクジラの油のかりんとう、優しい家族…。温かな思い出が、やがて意識の中のぽっかりと空いた空洞に埋め込まれた衝撃的な記憶につながります。
日々の自分の生活・家族について、独りで静かに見つめ直す意味を示し、前に後押ししてくれる作品だと思えました。性別・年齢を問わず、非日常や知的体験の欲求は、時に大切だなと考えさせられました。
もう一編の「東陬遺事」は、江戸後期の道東・根室の北、野付の物語です。氷に閉ざされる過酷な地に生きる蝦夷集落の人々の生と死が、地元民にしか描けない筆致で描かれています。
同郷の桜木紫乃さんの解説も秀逸です。 -
初読みの河﨑秋子先生の作品。
ずいぶん前に『肉弾』の特集を観て、興味はあったのだけどもなんか後回しになっておりました。
文庫書き下ろしの表題作《鯨の岬》と第四十六回北海道新聞文学賞受賞作の《東陬遺事》という中編2篇を収録。
《鯨》は現代劇、《東陬》は18世紀末・江戸期に行われた蝦夷地調査が題材。
時代設定は全く違えども共通しているのは‘命’と向き合う距離感の厳とした絶妙さ加減。
《東陬》では下男の〈弥輔〉が逃げた馬を追う最中に不慮の事故で落命する場面があるが、この今際の際の描写はまさしく男の命が消えようとしている、体熱が尽きようとしているそのキワまで書かれており壮絶。そして発見された彼の遺骸の顔は群がる鳥に喰われておりやるせないのだが、彼は彼で羽根を献上する為に鷲狩りを生業としていて名人と囃されていた描写があり、因果応報この上ない。また、事故のきっかけとなった馬は無事に生還しているというのも何とも言えない。
《鯨》においても、主人公である〈奈津子〉の記憶の底に燻る「腐ったクジラ」(p17)の真相に迫ってゆく物語であるが、その真相があまりにも衝撃的。こちらでは奈津子の孫〈蒼空(そら)〉が海岸に打ち上げられたクジラの腐敗した遺骸がガスで破裂する動画を観て大爆笑している様子を露悪的にかつ大袈裟に書いていたり、蒼空の母親〈久美子〉が夕飯でファミチキを買って帰ってくる場面、奈津子が夕飯の準備で鰯を下処理する何と言うこともない場面すらでも、なんとなく命の冒涜とまでは言わないが、日常生活を送るにあたって人間が悪気なく奪っている生命だったり気に留めることもない失われゆく生命、みたいなものへ対して河﨑先生は読者の眼差しを誘導しておられるのかな、と感じられました。
また、『鯨』は子育てを終えて実の母を見送る段に至って、自らの老いや残りの時間を気にするようになったひとりの女性の姿をしみじみと書いているのだが、河﨑先生ご自身は年齢的にまだそこまで召していないはずで、何故こんなに真に迫った描写を出来るのだろうかと不思議でならない。
個人的には《東陬遺事》が好み。
燻し銀な一冊でした。
「ホッキカレー」(p62)たべたい。
1刷
2026.4.25 -
河﨑秋子『鯨の岬』集英社文庫。
表題作で書き下ろしの『鯨の岬』と第46回北海道新聞文学賞受賞作の『東陬遺事』の2編を収録した作品。
河﨑秋子は個人的に注目している作家の一人である。静謐な文章の中に感じる不思議な自然の力と人間の運命の機敏。そんな作品を描き続ける河﨑秋子から目が離せない。
『鯨の岬』。安穏で無為な日常と幼い頃の記憶。どこかでねじ曲げられた記憶が再び甦る時、全てを知ることになる主人公に驚愕させられた。見事なプロットと結末。札幌に暮らす主婦の奈津子はある時、孫からYouTubeで鯨が腐敗爆発する動画を見せられ、幼い頃の鯨の血の臭いを思い出す。後日、釧路の施設に居る母を訪ねる途中に捕鯨の町にいた幼い頃が蘇り、ふと花咲線の根室行きの電車に飛び乗る。そして、奈津子はかつて過ごした町、霧多布に降り立つ。遠い昔の爆発した鯨の記憶……★★★★★
『東陬遺事』。厳しい自然の前に激しく生きるも儚い人間の運命。因果応報。喪失感に打ちのめされる結末。江戸時代後期の蝦夷地に資源調査のために赴任した山根平左衛門は土地の下働きの家族と親しくなる。身のまわりの世話をする女、たづと男女の仲になった平左衛門は、たづの娘のりん、たづの弟で下働きの弥輔とも親交を深める。やがて、平左衛門が知る弥輔の過去。★★★★★
本体価格570円
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うっかり乗り過ごしてしまって昔暮らした霧多布へ。そこから封印された記憶の蓋が開く。壮絶な過去と喪失に向き合う女性を描いた表題作ほか一編。
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河崎さんの中編集です。表題作の「鯨の岬」は、読み始めは正直まったりしていて、いつもの河崎さんの殴りつけるような緊張感のある筆致は控えめで物足りず、このまま終わるのかなあ、などと残念に思っていました。しかし終盤で物語は急展開し、河崎さん特有の暴力的なまでの血生臭さも荒れ狂い、最後には往復ビンタを食らったような呆然とした読後感が残りました。いや、やはり河崎さんはすさまじい本を書かれる方だなあ。
「鯨の岬」は実際にあった事件をモチーフにしているのですが、そのような事故があったということは寡聞にして知りませんでした。痛ましい戦争の置き土産で、実はこうした事故・事件は戦後かなりの数があるのだろうな、と思いました。終わっても人々の命と心を削り続ける、戦争という人が生み出した理不尽を思いました。
もう一編も深い喪失と再生の物語ですが、こちらはあまり入り込めなかったので星4つとさせていただきました。描写される風景が野付付近の荒涼とした原野そのもので、河崎さんはやっぱり芯から道東の民なんだな、と思いました。 -
常に北海道を舞台に、歴史を含んだ物語を綴られている河崎秋子さん。
今回手にした『 鯨の岬 』も、北海道を舞台にした中編2話の構成となる。
第一話『 鯨の岬 』
札幌に住む主人公の奈津子は、息子夫婦が共働きということで孫の蒼空の世話を押し付けられていた。
小学校から帰ってきた蒼空は、二世帯住宅の自宅には戻らずに、奈津子の住まいで両親が帰宅するまで過ごしていた。
流石に時折気苦労を感じることもあって疲労感に苛まれるのだが、夫の援助は全く期待できなかった。
奈津子は月に一日、母親が入所している釧路の施設に出かけることにしていた。
釧路に向かう途中、小学生の時に住んでいた霧多布へ向かうことにした。
その浜に打ち上がった鯨が腐敗し、膨らんだ腹が裂けて爆発を起こし、見物していた奈津子や友達たちは、飛び散った鯨の血や肉片を浴びた記憶があったのだが⋯。
がしかし、奈津子は何かその記憶に納得し難いものを感じ続けていたのだ。
第二話『 東陬遺事(とうすういじ) 』
江戸後期の文政時代、蝦夷地の多目的価値調査のため、幕府の役人である山根平左衛門は、野付(知床半島と根室半島の中間に位置)に赴任した。
平左衛門が駐在する通行屋では、下働きの男が4人、女中が2名、そして5歳ほどの娘が彼を迎え入れた。
男の一人が弥輔と称し、その姉にたづ、娘はりんと呼ばれたたづの娘だった。
弥輔は幕府から預かっている3頭の馬の世話もしていて、子供の頃に凍傷で足の指を無くしていたのだが、仕事ぶりは熱心な男だった。
姉弟は、幼い頃に両親を亡くし、その後の苦労を伴った生き方に特別の絆を抱いていた。
ある日、幕府から授かった馬の一頭が、流氷の間に前足を挟み、脱出できずに足掻いていた。
弥輔は幕府からの大切な馬を亡くしてはと、身を挺して馬を助けるのだが、そのために弥輔は命を落とす。
弥輔の人間性を認めていた平左衛門は、姉のたづの面倒を見ようとするのだが、たづは頑なに断るのだ。 -
二篇の短編を読み終え、ほぉと息を吐く。
圧巻だった。
どちらも北海道東部、釧路地方が舞台。河﨑氏が生まれた別海町が近い。
記憶ってよく小説のテーマとなるのは、やはりとても不可思議だから。歳をとるにつれ記憶は夢のように錯綜していく。しかしどんなに忘れてしまったように思えることもその人の中から消滅はしないのだよな。認知症の母を訪ね釧路に行くも、ふと記憶を取り戻すために進路変更、霧多布まで足を伸ばす主婦の話、「鯨の岬」。
孫が観ていた鯨の爆発の動画から、まずは鯨の腐った臭いを思い出し記憶のトンネルに入り込んでいくのがおもしろい。
もう一篇の硬質な引き締まった文調は、北国の寡黙な厳しさそのもの。しかし、熱くて懐深い。生きとし生けるものの命の熱量が届くからかもしれない。北海道、開拓された大地。辺境の地の孤独と他者への寛容が伝わってきた。
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河﨑秋子さんの初期の作品ということで、興味を持ち読んでいる間に直木賞受賞となりタイムリー?な読書でした。
「鯨の岬」は出だしからもう磯の匂いや魚の匂いがゴメの声と共に立ち上ってくるような描写。五感を刺激されるようなつかみ。
主人公がショートトリップに出向いた展開からなにか楽しい展開になるのかななどとのんびり読んでいたけれど、最後には思いもよらないところへ連れて行かれて絶句。こんな始まり方の河﨑さんの作品が、そんなのんきな小説であるはずないのに。それにしても…。鯨の肉を目にしたらこれからはこの小説を思い出しそうです。
「東陬遺事」北海道文学賞を受賞されたということでずっと読んでみたかった一作。遺事というからにはこれも誰かが亡くなるのだろうなと推測しつつ読み進めていたけれどこれも壮絶な物語だった。淡々と改まった文体で、海の氷原や空の月や鳥などの自然の描写が抜群にうまいと思いました。河﨑スタイルとでも呼びたくなるような独特の命の捉え方のスタンスはもうこの頃には固まっていたのだなぁと感じました。こういう小説が北海道文学賞なのだなと、改めてその文学賞のレベルの高さをも思い知りましたね。
手に取ったのは文庫だったので解説は直木賞の先輩である桜木紫乃さん。この解説がまたいい。桜木さんらしさが全開で、短くてもクオリティがもう一編のエッセイでした。
時々はこのような文学的刺激のある小説をこれからも読まねば、と思いました。 -
クジラ爆弾で人は死なない。
いまいちオチがよく分からない内容だったのと、後半の話は過酷な北海道での生と死を描いた作品だが、迫力はあるものの自分には合わない内容だった。 -
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農繁期に読んで、そのままになっていた。
時間をかけないとと記録しておけない内容だったので、ここに河崎秋子作品をまとめて。
幼馴染と母親の介護の話を、鯨を絡めて語ることを、誰が考えつくだろうか。しかもその鯨は爆発するのだ。北海道の道東に住み、この景色を見て育ち、牛や羊を育て、屠り、人に出逢いながら人生を積み重ねてきたものでないとできない発想だと思う。
しかし、話はいたって穏やかにすすむ。夫も孫もいる奈津子は、普段の生活を離れて、母の施設を訪問する。札幌から釧路までの4時間を、電車の中で読書で過ごし、面会して、帰ってくる。その日常が突然、鯨の記憶によって覆る・・・。
(鯨の岬)
野付に設けられた通行屋に赴く幕府の役人、平左衛門は、根室から国後、択捉に至る場所の資源調査や他詳細な検分のためにやってきた。訳ありの武士の女たづとその娘、りん、弥輔との関係を、逗留の時間のなかで知る。そして彼らの宿命も。野付半島の自然を余すところなく描き、その自然が人々に何をもたらしてきたか、これから何をもたらすのか、また与えることがないかを滲ませる。
(東陬遺事)
「東陬遺事」は、20212年第46回北海道新聞文学賞受賞作品。中編であるが、ここに河崎秋子の才能と、その後描かれる小説のエッセンスが、全て凝縮されていると言っても過言ではない濃さの作品。そして、明らかに新人のレベル越え。
あとがきの桜木紫乃さんが、まるで一つの作品のように河崎秋子氏を語っていて、それもまた読み応えがある。 -
河崎さんの小説を読んでいると、「生身の命」がそこにあるだけ、それで充分という実感を感じます。同じ道東出身ということもあり、何もかもが凍りつく冬の中で、生を灯す事の尊さを共有出来るからかもしれません。読了時は、自身の体温と心の暖かさを確かめる事が出来る小説です。
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すごいものを読んでしまった。
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河崎秋子さんのお話は文章から匂いがしてくる。
この作品だけじゃなくどれもこれも嗅覚が鋭利になるような感覚。
北海道を舞台にした作品で、いわゆる本州の人が想像するような広くて穏やかな大地というよりは、暮らしていないとわからない暗さを孕んだ面を描くのがものすごく住んでいるものとしてもリアルに感じられる。根室や霧多布には行ったことがないので河崎さんの作品を読むたびに訪れてみたいなと思っている。
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普通の60代くらいの主婦の話で嫁の愚痴とか老後の不安とかの話かと思いきや、とんでもない事実が明らかになり、読んだ後も衝撃の余韻にしばらく浸ってました。時代小説の方も全然違う雰囲気でしたが、思わぬ展開と描写力で、一気に引き込まれました。解説も良かった。
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北海道の出身の作家さんだということで、読んでみました。
釧路行ったばかりだったので、札幌から釧路長旅だよね〜と主人公に共感。この作家さんの登場人物は身近にいる、悪くもないけど聖人でもない、ふつうに毒を抱えて生きている人がリアルに感じられるところがいいなと思う。
合理的な嫁とかうるさい乗客にイラつくところとか。。昔育った場所の行き方とか参考になりました。いつか行ってみたい。
鯨の岬ともう一つ乗っていたお話はどう消化して良いかわからなかったです。開拓使の歴史学んだら理解できるかな。 -
打ち上げられた鯨。
ガスが溜まる。
遺骸が膨らむ。
爆発。
漂う腐敗臭。
里帰りの際にふと生まれた意識の隙間。
誘われるように向かった故郷で巡る記憶の旅の果てに見るもの――。
《鯨の岬》
江戸時代。
ロシアの南下政策に危機を感じた江戸幕府は、
蝦夷地の調査のために訪れた幕府の役人と、
はるか北の地で暮らす和人との交流を描く。
《東陬遺事》 -
鯨が爆発する、ということは何となく知っていた。
この文庫に収録されている「鯨の岬」「東陬遺事」どちらも、北海道の歴史を元にしたネタから練られた掌編で、読み進めるにしたがってほうほうと頷くことが増えていった。
特に「東陬遺事」は、江戸時代の道東という未知の領域の話だったのでとても楽しめた...
というと語弊があるけど、知らない知識を得られて幸せな時間だった。 -
表題作と短編一編が収録されています。読みやすいのは表題作ですが、北海道の自然を感じられるのはもう一つの方。
著者プロフィール
河﨑秋子の作品
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