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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784087445084
作品紹介・あらすじ
【第55回吉川英治文学賞受賞】
【本の雑誌が選ぶ2020年度ベスト10第1位】
どんな恋愛小説もかなわない不滅の同志愛の物語。いま、蘇る伊藤野枝と大杉栄。震えがとまらない。
姜尚中さん(東京大学名誉教授)
ページが熱を帯びている。火照った肌の匂いがする。二十八年の生涯を疾走した伊藤野枝の、圧倒的な存在感。百年前の女たちの息遣いを、耳元に感じた。
小島慶子さん(エッセイスト)
時を超えて、伊藤野枝たちの情熱が昨日今日のことのように胸に迫り、これはむしろ未来の女たちに必要な物語だと思った。
島本理生さん(作家)
明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で三人の男と〈結婚〉、七人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして二番目の夫でダダイストの辻潤、三番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。
[主な登場人物]
伊藤野枝…婦人解放運動家。二十八年の生涯で三度〈結婚〉、七人の子を産む。
辻 潤…翻訳家。教師として野枝と出会い、恋愛関係に。
大杉 栄…アナキスト。妻と恋人がいながら野枝に強く惹かれていく。
平塚らいてう…野枝の手紙に心を動かされ『青鞜』に引き入れる。
神近市子…新聞記者。四角関係の果てに日蔭茶屋で大杉を刺す。
後藤新平…政治家。内務大臣、東京市長などを歴任。
甘粕正彦…憲兵大尉。関東大震災後、大杉・野枝らを捕縛。
【著者略歴】
村山由佳(むらやま・ゆか)
1964年東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て作家デビュー。1993年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、島清恋愛文学賞、21年『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞を受賞。
感想・レビュー・書評
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野枝が生きた時代が行間に溢れ、息苦しさを覚えながら読み進む。
それだけ野枝が生き生きと描かれていることの証左でもあるだろう。
己の信じる道をがむしゃらに生きる野枝。それゆえに非業の死を迎えなければならなかった。
彼女は、大杉栄に同志的結合を見出し、共に生きる道を選ぶ。しかし、三角関係どころか五角関係にさえなろうという自由恋愛について、滔々とまくし立てる彼に無政府主義者の面影は無く、ただのすけこまし(失礼笑)にしか見えない。後半に子煩悩な面が描かれ、少し救いになる。 -
男尊女卑と言論統制の世を生きる伊藤野枝だが自由恋愛と子棄てには嫌気がさしました。主義主張が違うからと言っても人殺しは絶対ダメだ。
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最後で涙が出そうになりました。
自然と村の共同体から無政府主義の理想形を学んでいた伊藤野枝。彼女の人生は関東大震災での流言蜚語によって無惨にも終わらせられてしまいます。プロローグの前に書かれていた「声が、出ない」という語りと最後が繋がって、胸が押し潰されたように苦しくなりました。 -
彼女らの思想を受け入れられない人がいるのはしょうがないと思う。考え方を強制するものでは無いと思うから。嫌いな人がいるのもしょうがない。万人に好かれる人などいるわけがない。でも命を奪うのは違う。話せばわかる、とは言い切れない面があるとは思うけれど、やっぱり命を奪ってはいけないと思う。
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初版は文鎮本というほどのボリュームだそうだが、文庫でも合計700ページ余り。一気読みはできないがグイグイと引き込まれた。ジェンダー視点から知った本書であるが、伊藤野枝と平塚らいてふとの関係や、明治大正のジェンダー問題がフィクションではあるがリアルに感じられる。本書は伊藤野枝伝ではあるが、大杉栄をはじめ、彼らを取り巻く人物像の視点より多角的に描かれており、またその周囲の人たちも生き生きと描き切っており、その上で彼らとの関係もリアルに感じられる。大杉栄はアナーキストということで一歩引いてみていたが、フィクションではあるもののある程度史実に沿った流れでもあり、この時代の活動家の生き方を学べた。時代は変わっても現代に生きる視点もあると感じた。
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【2024年172冊目】
大杉栄と伊藤野枝。二人は夫婦であり、友人であり、同志であり、共に国を変えんと闘う革命家だった。関東大震災からスタートする物語は、終焉をを迎えるまで野枝の幼少期から順番に語られる。彼らは如何様に生きていたのか、ノンフィクション小説。
上巻は結構停滞しながら読んでましたが、下巻でどんどん引き込まれていきました。甘粕事件は名称を覚えていたものの、詳細は全く覚えておらず(習っただろうか)あまりの理不尽さに日本の暗い歴史を見たような心地に。
しかし、大杉も野枝も本当に不自由な時代ておいて、あんなに自由に生きていたのかと。咎められる所業もないわけではないのですが、村山さんの手腕で二人も周りの人たちもかなり魅力的に描かれているのがずるい。
歴史の授業ではきっとさらっと触れられてしまう事柄ですが、本書を通じて未来永劫語られていくのだろうと思いました。 -
伊藤野枝、大杉栄、その他の二人に関わる登場人物が、まるで目の前に迫ってくるように、生き生きと描かれていた。映像で迫ってくる感じがした。
「自由恋愛」が描かれている場面は、信じられない気持ちになった。
野枝が虐殺されるときの描写は、身に迫るものがあった。
作者の力量、ハンパない!
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上巻に記載
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913-M-2
文庫 -
伝記でしたか
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東2法経図・6F指定:913.6A/Mu62k/Ishii
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下卷個人覺得最精采的地方是四角關係戀愛的描寫,特別是神近市子的一舉一動。市子一個人賺錢養四個(被大杉要錢),大杉和前妻保子,還有現在身無分文的野枝,雖然她已經意識到用第三人的眼光來看大杉也了解到他的自私跟卑小,但很悲哀地就是分不開,繼續拼命賺錢養所有人,自己身上的衣服比野枝還要髒,看到野枝穿好一點的衣服就是壓垮駱駝的一根稻草了(書中人物很多都很窮,用夏天衣服去換冬天反之亦然,甚至還有沒衣服可以出門的窘境)。作者也試著從大杉角度來描寫,很有說服力(作者實在太會寫爛男人了,還有離不開而處處委曲求全的女人),大杉終究無法理解市子只覺得多疑很煩,而市子看到充滿理想的大杉連自己提出的自由戀愛原則都無法遵守(和野枝同居)感到很幻滅,大杉提出分手之後,最後市子終於來到臨界點暴走。大杉被送醫市子被判刑入獄,然而輿論多半支持市子,而拋夫棄子的野枝(從小被當里子暗下決心不要讓自己的小孩有這樣的痛苦,結果自己小孩還是送出去當里子)則成為眾矢之的,平塚雷鳥跟野上彌生子都不支持她,彌生子更認為這只是短暫的火花而已。
野枝和前夫終於得以離婚,和大杉過著戀愛與友情、同志的充實生活,大杉身為無政府主義者期待革命(但不贊成壓榨自由跟布派的獨裁戰法),野枝則是在鄉下的組合中體感真正的社會主義的模樣,互助是不需要政府的。大杉總是忙著辦雜誌跟參加聚會,對於來跟監的警察甚至發展出特殊的友情令人莞爾,然而俄國革命發生之後取締日益激烈,好幾次被迫入獄,野枝跑去嗆後藤新平跟警察局長,她的行為不能不說還是有一定程度的虛張聲勢的幼稚性在。大杉偷渡去馬賽想參加德國的無政府主義者大集會結果沒辦反而在巴黎被捕遣送回日本,但也因此趕上第五胎兒子出生前。最終大震災就發生了慘劇。而我一直高度懷疑村木源次郎是否是間諜結果不是,卷末他牽著大杉長女魔子的手,企劃著復仇的恐怖行動。
總結這本書真的寫得太好,特別是人物的塑形,四角戀愛中四人的心理與舉止的刻畫是最出色的部分。能夠在這樣硬派的主題裡讓自己擅長的主題如魚得水,文學性又佳,感受到作者的用心,這真的是部難得一件的佳作。 -
P306
〈人は死ぬ〉
P307
〈どのみち死ぬのなら、それまでにやれるだけのことはやってやる〉
大杉栄の言葉。
なぜそれほどまでに強く生きることができたのだろう。
読めば読むほどわからなくなってくる。
それが正直な気持ち。
野枝に呼ばれ用事を済ませる見張り役の巡査のほうがわかりやすい。
関東大震災で起きた悲劇。
いま、それに関連する著書を読んでいる。
そのとき何が起こったのか。
知るきっかけを村山由佳さんに作ってもらった。
著者プロフィール
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