隣はシリアルキラー (集英社文庫(日本))

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087445145

作品紹介・あらすじ

ぎりっ、ぎりっ。ぐし、ぐし。ざああああっ――。
深夜2:20、神足友哉は、今日もアパートの隣室から聞こえてくる不気味な物音で起こされた。
ふと、隣人の徐浩然(スーハオラン)が死体を解体する姿を妄想する彼だったが、近所で遺体の一部が発見されたことで現実味を帯びる。
気になった彼は、真夜中に部屋から出た徐を尾行すると、想像を絶する恐ろしい展開に。
五感から震え上がるような体験を提供するホラーミステリー。

【著者略歴】
中山七里(なかやま・しちり)
1961 年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』にて宝島社『このミステリーがすごい!』
大賞を受賞し 2010 年に同作で作家デビュー。音楽を題材にした岬洋介シリーズのほか、時
事問題をテーマとした社会派小説まで幅広くてがける。『連続殺人鬼カエル男』『アポロンの
嘲笑』『TAS 特別師弟捜査員』『護られなかった者たちへ』『カインの傲慢』『ヒポクラテ
スの試練』『毒島刑事最後の事件』『テロリストの家』など著書多数。

感想・レビュー・書評

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  • ぐし、ぐし、ぐし、ぐし!
    ぎりっ、ぎりっ、ぎりっ!
    「あっ!死体解体してるかも?」
    想像力豊かやな!
    分からんって!そんなん!
    なんぼ、隣との壁が薄いっていっても!
    夜中に、こんな音出されたら、「うるさ〜!」とは思うけど…
    そんな音分かるって、過去に、そんな事した経験あるんちゃう?っと思ってしまう。
    まぁ、こんな事思ってくれんと話は始まらんけどね。掴みはOKって感じかな?

    相変わらずの大どんでん返しやけど、こっちも、そのつもりで、読むから始めから怪しいヤツは省くって癖はついてる。
    今回は、何となく分かったような気もするけど、更にまだ何かある?って感じで読んでた…

    今回のは、何か犯人になり得る人が少なかった気もする。
    アイツか?アイツか?アイツ?みたいな。
    大どんでん返しナシにした方が、逆に絞れんかったかも?
    それでは、作者の名が廃るか…

    とは言え、最後まで、何かある?って思い続けて、一気読みでした〜

  • 夜な夜な聞こえる隣室からの不審な音。まさに死体を解体しているとしか言いようの無い音。隣人の神足友哉は、たまたま会った警察官に相談するが取り合って貰えない。決定的な場面に出会うが、それも警察に匿名でしか言えない理由があった。どんどん不審者だらけの展開となるが、神足を信用してくれる職場の先輩に助けられる。
    不気味な展開が続くが、明確すぎる隣人の犯人なのに、どこかこのままでは終わらないとドンデン返しを予感する。もう一人の不審者に最後の展開で、やっぱりかと安堵する。暑い夏にゾッとするようなホラーミステリだった。

  • 中山七里先生の長編小説。
    隣から何かを解体するような音が聞こえ、そこの住人である徐を追いかけてみると彼が体の一部を捨てているのが目撃された。そこから始まる恐怖のサイコサスペンス。
    序盤から明らかに徐が怪しい雰囲気を出しているので、中山七里先生のことだから彼ではないんだろうなという風に読んでいました。犯人の正体は驚いたし、なにより神足や徐が可愛そうだと思ってしまった。彼らにはなんとか救われて欲しいと想いました。それにしてもミスリードが上手いなぁと、矢口やもしかしたら本当に神足の妄想なのではと思わせる描写もあって騙されてしまいました。とても面白かったです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    神足友哉/五條美樹久:内山昂輝
    矢口正樹:杉田智和
    徐浩然:下野紘
    別宮紗穂里:伊瀬茉莉也
    宮藤:安元洋貴
    葛城:石川界人

  • 中山七里『隣はシリアルキラー』集英社文庫。

    隣の住人がシリアルキラーではないかという疑いを持つ男を主人公にしたホラーミステリー小説。

    非常に面白い。淡々と進行する物語と次々と現れる謎が一つずつ解明され、最後には捻りの効いた結末が待ち受ける。

    最近は毎日のように殺人事件のニュースを目にする。隣に居るのは殺人犯であってもおかしくないのかも知れない。

    ニシムラ加工というメッキ工場で働く神足友哉は工場の寮で暮らしていた。ある日の深夜2時過ぎ、隣室からシャワーの音と何かを解体するような奇妙な音に目を覚まし、その後は眠れず、翌日は寝不足に悩まされる。

    隣室の奇妙な音は翌日の深夜にも聞こえ、翌朝、寝不足の神足が隣室の中国人技能実習生の徐浩然に注意を促すが、要領を得なかった。それどころか、徐の髪の毛や体から血肉の香りが漂い、神足の眠気は一気に飛んでしまった。

    そんな中、近隣ではバラバラ死体の遺棄事件と25歳のOL失踪事件が相次ぎ、神足の心の中では、隣人の徐が殺人犯で深夜に死体を解体しているのではという疑惑が強くなっていく。

    数日後、神足の部屋を警視庁の宮藤という刑事が近隣で発生しているバラバラ死体の遺棄事件の聞き込みに訪れる。神足は隣室の中国人技能実習生の徐浩然が犯人ではないかと伝えたが、宮藤は証拠が無いと言って、相手にしなかった。

    どうしても隣人の徐が気になる神足は、真夜中に部屋を出ていく徐を尾行すると、徐はベアリング工場に忍び込み、スポーツバッグから取り出したビニール袋に包まれた何かを廃棄槽に投げ捨てた。徐が姿を消した後、神足が廃棄槽に浮かぶ物を調べると、それは切断された人の手だった。

    タイトルに隠された本当の意味は……

    本体価格800円
    ★★★★★

    • ゆーき本さん
      めちゃくちゃ怖そうです!
      めちゃくちゃ面白そうです!
      夜 眠れなくなりそうです!
      読んでみたい!
      めちゃくちゃ怖そうです!
      めちゃくちゃ面白そうです!
      夜 眠れなくなりそうです!
      読んでみたい!
      2023/04/29
    • ことぶきジローさん
      面白いですよ。ホラーと言うよりミステリーの色合いが濃く、最後まで油断出来ぬ内容です。
      面白いですよ。ホラーと言うよりミステリーの色合いが濃く、最後まで油断出来ぬ内容です。
      2023/04/29
    • ゆーき本さん
      図書館予約しましたー´▽`)ノ
      図書館予約しましたー´▽`)ノ
      2023/04/29
  • 夜な夜な隣の部屋から聞こえてくる不気味な音。まるでその音は人体を切り刻んでいるようで、主人公の神足は毎夜眠れぬ夜を過ごす。隣室の中国人徐は連続殺人犯なのか。
    やはり中山七里さんらしく、殺人事件を軸にしながら社会問題を絡めて来ましたね。今回は外国人労働者問題や前科者の社会復帰問題が副題になっていて物語に厚みがありました。
    途中、そこは警察に通報でしょ?って場面で神足が逃げてしまったことにえぇっ?!と思ったけど彼にも複雑な事情が隠されていて、前科のある人の就職が難しいということに日本社会の負の部分を見た気がしました。でもやっぱり同じ職場で働くか、と問われたら悩むかなぁ。
    主題の殺人事件の方は、最後呆気なく終わった感がありましたね。エピローグもなんとなくどこかで読んだことのある感じで物足りなさを覚えました。
    結局、矢口さんが1番かっこよかった。

  • めちゃめちゃ面白かった!
    予期せぬ結末…!ちょっぴり切なくなった。
    一体なにがどう動いていくのか、先が読めなくてドキドキ!
    グロくもなく、おすすめの1冊☆

  • 大田区の中小企業の工員、神足友哉は寮住まい。夜中に隣の部屋の風呂場で大きな物体を解体するような乱暴で粗雑な音がし、恐怖におののく。大田区で、女性を殺害し解体した遺体の一部を遺棄する連続殺人事件が起きていたのだ。隣人は、口数少なく無愛想な中国からの技能実習生、徐浩然。警察の捜査官に懸念を伝えたが神足自身も、実は警察に詮索されたくない過去を抱えていて…。

    主人公が追い詰められていく系のストーリー、やっぱり苦手だな。読むのにえらい時間がかかってしまった。

    お約束のどんでん返しと救いのある終わり方で、読後感は悪くなかっった。

  • グロい場面もあったが先が気になり一気読みしたくなる本。

  • とても面白かった。暑いこの夏にピッタリのホラーサスペンス。シリアルキラーの話なのに読後感がとてもスッキリ。
    展開が読めるとこもあるが、所々どんでん返しもあり、中山七里さんの小説は非常に面白い。
    登場人物が好感がもてる。もてなくても個性的でいい。
    こんな隣人いたら絶対に嫌だ……
    ミステリーだが、ある意味ブラックコメディとしても読める。
    映画化したら面白いんじゃないかと思う。

  • 本当のシリアルキラーは誰か?終盤のどんでん返しもなんとなく予想できてしまったので星は3つ。
    神足君にはホントに同情してしまうが、矢口さんが救い。
    「人間、生きていたら何かしら手に入れるようにできている。」「失くしたものが惜しけりゃ、もう一度取り戻したらいい。」
    神足くん、これからきっといいことあるよ。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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