ホテル・アルカディア (集英社文庫)

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  • 集英社 (2023年7月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784087445503

作品紹介・あらすじ

【第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作】

ホテル〈アルカディア〉支配人のひとり娘・プルデンシアは、敷地のはずれにあるコテージに理由不明のまま閉じこもっていた。投宿していた7名の芸術家が同情を寄せ、元気づけ外に誘い出すべく、コテージ前で自作の物語を順番に語りだした。突然、本から脱け出した挿絵が「別にお邪魔はしないさ」と部屋に住みつづける「本の挿絵」、何千年も前から上へと伸び続けるタワーマンションの街を調査するも、1万階を過ぎたあたりで食糧が尽きてくる「チママンダの街」など7つのテーマに沿った21の不思議な物語。この朗読会は80年たった今も伝説として語り続けられ、廃墟と化したホテル〈アルカディア〉には聖地巡礼のようにして、芸術家たちのファンが何人も訪れる。80年前、あの朗読会の後、7名の芸術家たちはどうしたのか、そしてひとり娘のプルデンシアはどうなったのか。

創元SF短編賞を受賞し、そのぶっ飛んだシチュエーションと巧みな文体で、全国の目利き書店員さんを驚倒させた作家による、全国民注目の初の長編小説。

【著者略歴】
石川宗生(いしかわ・むねお)
1984年、千葉県生まれ。オハイオ・ウェスリアン大学天体物理学部卒業。約3年間の世界放浪、メキシコ・グアテマラでのスペイン語留学など経て、翻訳者として活動。2016年、短編「吉田同名」で第7回創元SF短編賞を受賞。2018年、受賞作を含む短編集『半分世界』を刊行。2020年『ホテル・アルカディア』で第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 難しい・・・

    二、三周すると気がつく事があるかもしれない・・・

    ジャンルが不明・・・
    個々では面白い話もあるが全体となると理解に苦しむ・・・

    久しぶりに読むのに時間がかかる作品と出会いました。

    ホテルアルカディアに逗留する芸術家達は引きこもってしまったオーナーの娘を外に出す為に、物語を語り出す!?
    奇妙で不思議で荒唐無稽な話が多いけどきっと、読み手のあなたの心を掴む短編に出会えるはずです!


    個人的な白眉は【チママンダの街】

  • ホテル・アルカディア支配人の娘、プルデンシアが突然コテージに引きこもってしまった。ホテルに逗留していた7人の芸術家たちは好奇心を惹かれ、扉の向こうに閉じこもるプルデンシアに向かって創作した物語を読み聞かせる。古今東西の文学にオマージュを捧げた連作短篇集。


    多国籍な登場人物と翻訳風の文体をあやつり、新旧あらゆる作品のオマージュがぎゅうぎゅうに詰め込まれている。それぞれの短篇にはっきりとした繋がりはないので、だんだん文体演習を読んでいるような気分にもなってくる。
    行間から衒いのない「こういうのが好き!」という気持ちがとめどなく溢れだしていて、世界のアトラスというより著者の読書遍歴を辿る旅のようだった。それはそれで面白く、名前がでてくるものも匂わされてるものも好きな作品・作家が多かったのでニヤつく反面、ずっと表層だけでなかに入っていけないような感覚があった。それぞれの章のあたまに置かれた幕間のようなお話で語りの次元を毎回ひっくり返してくるのが面白かったのと、ナンセンスに比重を置いているところは好きだった。短篇で気に入ったのは耽美に見せかけてイジワルな「アンジェリカの園」と、家飲みの空気を再現した会話が気持ちいい「測りたがり」と、純文寄りで読みごたえのある「一〇〇万の騎士」。
    最後は作中作「アトラス・プルデンシア」の結末を芸術家7人分読ませるオープンエンド。ヨウコ版を読んで、あっこの人ってオノだけじゃなくてオガワも混ざってるんだ、と気づく。軽い読み口でリーダビリティの高いメタフィクションだった。

  • アトラスってなんだっけ?と思いながら、いろんな短編のオムニバス。

    タイピストのタイピング音で快楽を得る謎の設定や、
    体が小さい惑星?みたいになって文明発達して、寝た人の間を渡っていく話とか、
    謎の測りたがりの人とか、
    ゾンビ化したらめっちゃ働けるからイイ!っていう覚せい剤みたいな話とか、
    ノアの箱舟の鬼畜みたいな話とか、
    設定の突飛なおもしろさもあるし、
    「わーお、あの転校生、女神丸出しじゃん」
    「太陽は人のかたちをしていた」
    みたいな比喩のおもしろさもあったけど、
    文化のアトラスあたりから特にもはやよくわからなくなってきてしまった

  • 超・奇想天外
    例えるなら、ジェットコースターで上下左右に揺さぶられていると思ったら、急にコーヒーカップに乗せられてぐるぐる回っているような笑
    あまりの遠心力で手すりに捕まっていられず、あえなく吹き飛ばされた(=読了できなかった)
    ただ「タイピストI」がどうしても印象的で、頭から離れない。トンデモ現実離れしてるのに、なぜか指先や息づかいまでわかってしまう官能的表現。なんか新しいものをみた。

  • 敷地内のコテージに閉じこもってしまった支配人の娘に投宿していた7名の芸術家が物語を聞かせ外に誘い出そうとする、その話をまとめた短篇集。

    一篇ごとに作風がガラッと変わる。変わりすぎて驚くが著者の持ち味なのか。

    全ての話において、ファンタジー感あふれる感じ、なのだがふとした描写は現実的で、はっきり見えているのに靄がかかっているような、近くて遠いような、相反する感触を得るような今までに読んだ事のない文章。

    書いた著者もすごいが、このような話をまとめて発行した集英社に感謝。

    ※番人受けする本ではないかなぁ

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著者プロフィール

’84年千葉県生まれ。作家、翻訳者。’16年に短編「吉田同名」で創元SF短編賞を受賞し、’18年、受賞作を含む短編集『半分世界』で作家デビュー。’20年『ホテル・アルカディア』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。最新作は『四分の一世界旅行記』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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