ゴサインタン 神の座 (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (2024年1月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (704ページ) / ISBN・EAN: 9784087446104

作品紹介・あらすじ

豪農の鈴木はネパール女性と結婚し全財産を失う。失踪した妻を探し神の山へ。転落の快感か再生の愉悦か、迫力の山本周五郎受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 1997年第10回山本周五郎賞
    同年の直木賞候補作にもなりました

    ゴサイタンーヒマラヤ山脈にある山の名で
          「神の座」の意味を持つ

    東京近郊の豪農結木家
    地元名士だった父、家と夫に尽くし地元にも尽力した母、家と農業を継いだ次男
    長男は優秀で早々と家を出て結婚してアメリカで暮らしている
    次男の輝和はまもなく40歳を迎える
    家の為親の為にも結婚を希望しているが
    嫁はなかなか見つからない
    同じような環境の友人達と外国人花嫁の斡旋を受けて ネパール人の若い女性と結婚する

    なかなかの長編で この農家の現状と外国人花嫁の受け入れ、それでもよしとする農家を継ぐ男達を中心とした心情はとても興味深く読んみました

    豪農になる為の祖先の許しがたい行為
    それを知ってか現在持つ財産を振り分けてしまうネパール人妻
    両親が亡くなり残された資産も全て失い
    あげくに妻は失踪する
    妻を追ってネパールに入る夫
    ネパールの多民族性、カースト、貧困、衛生観念等が 男の行動とともに描かれる
    ネパールの状況が詳細でここも興味深く読みました

    なんだけど、この現実的な社会問題を綿密に書きながら
    ネパール人妻が神秘の力を持ち新興宗教の教祖的役割を果たして、あげく記憶喪失的失踪という流れがどうにもしっくりきませんでした

    • おびのりさん
      うん、なんかね
      解説によると 作者八王子市役所に勤めていて
      その当時の農家とか土地の使い方とか
      経験した事じゃないかなという感じ
      なんだろう...
      うん、なんかね
      解説によると 作者八王子市役所に勤めていて
      その当時の農家とか土地の使い方とか
      経験した事じゃないかなという感じ
      なんだろう力作すぎて 読むのが大変かも
      2024/11/17
    • bmakiさん
      一時篠田節子さん読み漁っていた時期がありました。
      最近読んでいませんでした。

      仮想儀礼もそうでしたが、新興宗教ネタお得意なんでしょう...
      一時篠田節子さん読み漁っていた時期がありました。
      最近読んでいませんでした。

      仮想儀礼もそうでしたが、新興宗教ネタお得意なんでしょうかね。
      2024/11/17
    • おびのりさん
      ネパールからのお嫁さんの変貌は どう読んでも
      奇跡の人になってしまうんですよ
      それに人々が集まるんですけど
      それでも小説なんだから良いんです...
      ネパールからのお嫁さんの変貌は どう読んでも
      奇跡の人になってしまうんですよ
      それに人々が集まるんですけど
      それでも小説なんだから良いんですが
      私は、現実的なトリック的な何かがあるのかなって 
      2024/11/17
  • アジアからの花嫁。八王子の豪農の息子。新興宗教の教祖。ネパールの貧困と神聖。よくもこんな話が誕生するんだとその着想、描き切る筆力の感心させられる。300ページ過ぎた辺りでどこに連れていかれるのか不安になりながら、カトマンズのゴサインタンで「日本から男が一人、求婚しにきた。それだけだ。金はないが、体は丈夫だ…畑仕事は得意だ」で長い旅路が終わった、そして「耀くばかりに無邪気な笑顔」…神の座の物語。

  • これは一人の男性が、自分の人生の責任を認識するということをテーマにした小説と捉えた。
    この類の男性の通過儀礼をテーマにした小説は多々あるが、本作はそれらの作品とは一線を画した、ジェンダー問題への鋭い示唆に富んだ作品だ。
    ある出来事が起きて、「俺は変わったんだ」という言葉と共に、何も変わることなく生きている男性は多い。
    口だけではなく実際に新たな責任を背負うためにはとても困難な認識の変化が求められるが、それは革命的な転換ではなく、牛歩的なプロセスであることを本作は示している。
    主人公の行動描写と内的描写が撚り合わさり、その遅々とした歩みを描き切っている点、本作は未来を先取りしていると感じた。

  • 異国の妻が教祖化して裕福な主人公の歴代財産を放棄させる物語。かなり長いのと、やっぱりこういう現実離れ的な話はあまりのめり込めない、、

  • すっかり忘れていたけど,たしかに何十年前に読んだ。
    篠田節子は好きでほぼ読んでるけど、これはまだ あまり書き方が洗練されてないから、とりわけ長くダラダラ感じた。私は「賛歌」と「仮想儀礼」が1番好き。

  •  測りし得ない作者の創造力に圧倒された。
    一人の人間の変わりゆく様々な欲を味わえた気がする。
    農村地方内での人間関係、家系、また人が加わるその人の内情、ありとあらゆる様々な色の染まった絵画のようで面白かった。
    今の自分の概念が変わる作品に出会えた。

  • 知っている田舎の状況と重なって、途中は重苦しい気持ちになりながら最後まであっという間に読み終えた。
    社会も生活もガラリと変わっているのに、輝和の抱える閉塞感が2024年の今にも通じていると感じるのはなぜだろうか…。
    『弥勒』『家鳴り』など他の作品群も読みたい。

  • 20代の頃に「女たちのジハード」を夢中になって読みました。それより前の作品だということを読み終わった後に知りました。
    作品に入り込んでしまいあっという間に読んでしまいましたが、30年前から日本は変わったのかなぁ、、、と考えさせられました。
    時代を超えて読み継がれる作品ですね。

  • 日本は本当に豊かなのだろうか、とふと思ってしまう作品でした
    普通の人間が普通の男(自然)に還る物語

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田節子の作品

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