自分で名付ける (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (2024年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784087446210

作品紹介・あらすじ

"母性"じゃなくて、私の気持ち。

子育て中に絶え間なく押しよせる不安、違和感、感動、不思議。
それらを自分だけの言葉で名付け直す、最高に風通しのいい育児エッセイ!

その後の2年間を綴ったあとがきを追加収録!

38歳で妊娠。結婚で生じるあらゆることに納得がいかず、婚姻届は出さなかった。区役所に母子健康手帳をもらいに行くと、想定外のことを言われもやもやし……。妊娠を機に押し寄せる無数の「うわーっ」。メリットのない結婚制度、百点満点の無痛分娩、恐怖のワンオペ育児に子守歌代わりのBTS。"母性"でまとめられたくない、自分だけの気持ちを掬いあげて言葉にしていく新しい育児エッセイ!

【目次】
1章 「妊婦」になる
2章 無痛分娩でお願いします
3章 「つわり」というわけのわからないもの
4章 「理想の母親像」とゾンビたち
5章 「妊娠線」は妊娠中に入れたタトゥー
6章 「母乳」「液体ミルク」「マザーズバッグ」
7章 「ワンオペ」がこわい
8章 うるさくないね、かわいいね
9章 ベビーカーどうですかねえ
10章 「名前」を付ける
11章 「電車」と「料理」、どっちも好き
12章 保護する者でございます
文庫版あとがき その後の二年間:なんとかやってます。

【著者略歴】
松田青子(まつだ・あおこ)
1979年兵庫県生まれ。作家、翻訳家。2019年『女が死ぬ』の表題作がシャーリイ・ジャクスン賞候補になる。21年『おばちゃんたちのいるところ』がレイ・ブラッドベリ賞候補になったのち、ファイアークラッカー賞、世界幻想文学大賞を受賞。他の著書に『スタッキング可能』『持続可能な魂の利用』『男の子になりたかった女の子になりたかった女の子』、訳書にジャッキー・フレミング『問題だらけの女性たち』、カレン・ラッセル『オレンジ色の世界』など。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

自分の気持ちを大切にしながら、子育てや妊娠にまつわるさまざまな体験を描いたこのエッセイは、共感を呼ぶ内容が満載です。著者は、結婚や姓の問題についても率直に語り、普通とされることに疑問を持つ姿勢が印象的...

感想・レビュー・書評

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  • 共感するところも多いが、名字については今までそこまで強く考えたことがなかったので、特に考えさせられた。

    自分自身、元々の名字が珍しくて気に入っていてかえたくはなかったが、結婚を機に変わっても友達などには元の名字が混ざったあだ名のままで呼んでくれと伝えた。
    最初こそ抵抗があったものの、元の名字を使う機会も多く、今まで尾を引いてはいない。
    まわりの人ともそんなに名字の話をしないゆえに、名字をかえたくないために事実婚にしたり離婚したり、そういった方がおられるということはあまり考えていなかった。
    夫婦別姓、できたら良いだろうな(他人事)くらいだったが、強く訴えておられる人の気持ちが少しわかった気がする。

    あと、子どものイヤイヤ期前、レジスタンス期があるのはとても共感。いままさにそれだ…
    そして子どもに男の子らしく、女の子らしく、というレールを敷かないようにするのも、まだまだ意識しないと難しそうだなとも思う。

  • 『自分で名付ける』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/18234569

    「母性」なんか知るか。違和感を吹き飛ばす、育児エッセイの新定番。 『自分で名付ける』 | BOOKウォッチ(2021/8/2)
    https://books.j-cast.com/topics/2021/08/02015725.html

    「いろんな人がいるという単純なことが、伝わればうれしい」松田青子『自分で名付ける』刊行記念インタビュー | 集英社 文芸ステーション
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/aokomatsuda/

    自分で名付ける | 集英社 文芸ステーション
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/nadukeru/

    自分で名付ける/松田 青子 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-744621-0

  • 夫婦別姓への思い、妊娠してからの思いなどが綴られていた。共感することだらけだった。

    疑問に思い、寂しさも感じながら姓を変えた女性は多いと思う。結婚って?と改めて思ってしまった。やはり自分の気持ちを尊重するために、普通と言われていることを諦めるしかないことは、おかしいと思った。

    妊娠から出産までの体の変化や大変さについても書かれていた。キャサリン妃やダイアナ元妃を例に挙げて、妊娠してからも無理をすることが当たり前と思い込まされないようにというのが印象的だった。

    子育てをしていたら、人の目が気になってしまうことがある。愚図っているこどもに出会ったら、「うるさくないね、かわいいね」という優しさを多くの人が持てたら、と思った。



  • 赤裸々な妊娠の話を聞いたことがなかったので、学びが多かった!"妊娠は病気じゃない"の意味が履き違えられている現状に憤りを感じる...。子供がうるさくしてしまった時、近くにいた人が「うるさくないね、かわいいね」と言った話、素敵!!(そんな人になりたい)

  • 妊娠中に読んだ。共感できる部分と、自分はそのまで深く考えてなかったなぁと反省させられる部分があった。妊婦健診にお金がかかりすぎるということや優先席に譲られづらいことはとても共感した。夫婦別姓については私は夫の姓になることをむしろ喜んでいたので、あまり深く考えることはなかったが、日本は遅れてるよなぁと改めて感じた。この本は是非男性に読んで欲しいなと思った。

  • 妊娠から出産、小さい頃の子育てまで、ジェンダーや規範にとらわれない、その時その時で「はて?」と思う作者らしい考察が満載。
    いつまでも「母」に慣れない感じは、私も同じだけど、青子さんと同じようないい感じの距離感を息子と取り続けたいと思う。
    “Dynamite”は確かにいい子守唄だと思うし、「ムービン」は私も最強の「保護者」映画だと思う。
    あの母は憧れる。

  • 社会で決められた「当たり前」を再考するきっかけになった。

    自分の子どものことを「今一時的に人生を仮止めしている」って言葉が刺さった。

  • 自分が妊娠中ということもあり手に取ってみた
    へー作者はこう思うのか…という子育て当事者の意見や、分かる分かる…と共感できる部分も沢山
    「保護する者」って確かに良い言葉だなと思った

  • 妊娠〜出産〜育児を通じてみえた今の世の中。「普通」のハードルが高すぎると作者はいう。そうなる原因は科学的でもロジカルでもない男の(それにのっかる女もいる)勝手なファンタジー。家族とか結婚とか母性とか。単位が個じゃなくて戸だから変わらないんだよな。

  • 妊娠・出産の話は人による要素が大きく当たり障りがあり過ぎてなかなか人と共有しづらい。一方で、その衝撃の大きさから自分だけにとどめておくのも難しい。著者の冷静な振り返りが、読んできて小気味よく、こういった形でこの衝撃を消化するんだという発見にもなった。

  • 驚くほど共感できることばかりだった。この人と友だちになりたい。
    そして息子がこの本の表紙みて「あ!はやぶさだ!」と言っていて、そんなの描いてあると思わなかったらほんとにはやぶさぽい電車があって、好きなものはきっとそこだけ光ってるくらいに目につくんだろうなと驚いた。

    ・まじで夫婦別姓くらい早くしてほしい。アメリカの映画でも「お母さんの旧姓」がパスワードの秘密の質問になってることも驚きだった。
     虎に翼見ててずっと憤ってた100年前から同じ議論ぐるぐるしてること(進んではせめていて欲しいけど、進んでいるようにあまり思えない)
    ・無痛分娩一択。痛みに強いだの弱いだのないと書かれてたりもするが、実はあるのかもと思ったのも、自分が経験して初めてわかったこと。
    ・つわりあるあるの食べ物も共感しかなかった。私の周りの妊婦アカウントは、ミスドとマックのポテトのことをよく考えていたし、私もそうだった。
    ・おじさんへのむかつきと、ちゃんと考えて行動できる男性は「おじさん」ではないという区分も、本当にいつもそれを思っている。私は「おっさん」と表現したいが。
    ・アベノマスクへの「検品はいいから、そのマスクは二度と再び世に放つな。地中深くに埋めてくれ」笑った
    ・育児の愚痴期待されつつオカルト話するのも、良かった。妊婦も母親も、世の中の定型に入れられようとするのがイラっとする。
    ・マリメッコのバスタオルを助産師さんに大事にしてもらった話よかった
    ・子ども周りの用事は、ワンオペとして怖さあるけど、それに立ち会いたい(新し経験として面白い)と思う気持ちもすごくよくわかる。電車好きな子どもなのも勝手に親近感を募らせる。
    ・母親の観察眼「ゴディバのところで靴下落ちてましたよ」
    ・継承していきたい「うるさくないね、かわいいね」子どもの頭のあたりに声を置くように
    ・子どもの名前をつけることにすごく重責を感じたな、幼名→大人になってからの名前と変えていくスタイルだったらいいのにな。なるべくジェンダーを規定したり、呪いにならない名前にしたかった。
    ・綺麗なものが大好きという男女関係ない気持ち。勝ち負けのあるゲームが嫌、という本質。
    ・泣いちゃう童謡もわかるし、宇多田ヒカルの「あなた」は子どものことを重ねていつも泣きそう。泣きそうになる歌増えた。もう恋愛の歌もそうとは聞けない。
    ・あとがきに書かれていた著者の弟のチッチとの関係にも泣きそうになった。そんな相手がいることも子どもにとって幸せ。

    メモ
    ・ケイトブッシュ「嵐が丘」
    ・映画 クワイエット・プレイス
    ・結婚のない母系社会 モソ人
    ・スターウォーズ ベビーヨーダ、マンダロリアン
    ・女の子は本当にピンクが好きなのか 堀越秀美
    ・シナぷしゅオープニング曲、オズの魔法使い「虹の彼方に」、メリーポピンズ「お砂糖ひと匙で」「眠らないで」「2ペンスを鳩に」、「椰子の実」
    ・グッドオーメンズ
    ・赤い鳥小鳥
    ・フィールドオブドリームズ
    ・韓国ドラマ ムービング

  • 妊娠、出産、産後に私が感じていたなんとも言えない不安な気持ちやイライラが見事に言語化されていて、何度も頷きながら読んだ。

    -明らかに出産は、とんでもない出来事で、産む当事者である女性にとって負荷が大きいのに、周囲の人が、その大変さを不当に軽く扱っているように思えたことだ。

    いやほんと、想像以上でした

  • 最高だった、こういうエッセイが読みたかった
    妊娠、出産、育児、インスタとか近しいSNSにはキラキラな部分しか載らないから、こういうリアルを知りたかったの!!!とおもいました、松田青子さんありがとう

  • 超面白い!!!!

  • 読んだきっかけ
    たまたまSNSか何かで出産や子育てについての赤裸々本だと見かけて読んでみた。いずれ子供も欲しいなと思っていたので、ネガティブな話頭にも入れたかった

    読んだ直後の感想
    正直ジェンダーに関する話が多く少し辟易したところもあったが、それも含めて著者がここまで正直に自分の考えを綴ってくれたことの感謝。1人の出産、子育て経験記を読めて参考になった

    印象に残ったポイント
    ☀︎妊娠、出産、子育ては想像以上に大変そう
    産む瞬間以外にも痛かったり、しんどいことは多く、それがあまりき赤裸々に書かれていたので、事前に知ることができてよかった
    出産直後の母たちをゾンビに例えた著者は恐ろしい。。。
    また食事制限もあったり、肌も荒れやすくなったり、自分が想像する以上に気にするポイントが多いんだろうと感じた

    ☀︎ベビーカーは広げたまま電車に乗ってOK
    国土交通省のガイドラインに記されている。これは知らなかった。ただ実際にはラッシュ時は避けるとか、配慮は必須なんだろうなあ。

    ☀︎母性
    母ならではの母性が存在するのか私には分かりようがないし、この本を読んでそこに性差はないように思った。わたしは母からの無償の愛を感じていて、こればいわゆる母性なのかなと捉えていた。なぜなら他の人からは感じたことがないから。夫からもわたしを大事に思ってくれている気持ちや愛を感じるけど、無償、とは思えない。わたしも子供ができたらそう感じられたら嬉しい!

    やりたいこと
    ☀︎やはり日々の運動(著者は子供ができてから2回ぎっくり腰になってるらしい)

  • 妊娠出産育児あるある。これTwitterで見たネタだ…!が沢山あり、ウンウン頷きながら読んだ。男性にも読んでほしい一冊

  • 私は以前から「母性」とか「我が子」とか「妊婦」とか「懐妊」とかいう言葉がなんか気持ち悪いと思っていた。子を持ちたくないわけではないけど、その言葉が自分のことを表すものとなると不快だなと。
    ・国のために産んでいるのではない。生殖にまつわるすべては個人的なことだし、国は本来、人々の様々な選択をサポートするためにあるだけだ。
    この言葉がよかった。
    さっき挙げた言葉たちが気持ち悪いのは、言葉に纏わりつく「おおらかで無償の愛で全てを包み込む母」的なイメージに自分が括られることに嫌悪感があるからではないかと思う。
    このイメージってキリスト教の聖母子とか家父長制の家庭の中での良妻賢母とか宗教的・政治的に謳われたものであって、今でも子どもを産む女性は社会に貢献してる(産まない人は貢献してない)みたいな言い方されることあるけど、いや、お前らのためじゃないよ。というか。
    個人的にやってることだからあんまりそっち側のレンズを介した目で見ないでもらえる?みたいな。
    うまくまとまらないけどそんなことを考えた。
    あと我が子という言葉も、なーんか血のつながっている子を産むことこそ正義で無条件で愛すべきみたいな感覚が滲み出ているような気がして好きになれない。
    そりゃ子どもが夫や自分や自分の家族に似ているところがあったら嬉しくて可愛いだろうけど「我が子」だから愛するんじゃなくて生まれてきたその人そのものを愛すんじゃないのかい、という。

  • 自分の妊娠を機に読んだ作品
    どちらかと言うとエッセイ系は苦手だったけど語り方がおもしろくクスッとする場面も参考になる場面もあった。
    作中に出てくる映画や本はほとんど知らないものだったので例になっていても共感できなかったことだけが残念だった

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著者プロフィール

作家、翻訳家。著書に、小説『スタッキング可能』『英子の森』(河出書房新社)、『おばちゃんたちのいるところ』(中央公論新社)など。2019年、『ワイルドフラワーの見えない一年』(河出書房新社)収録の短篇「女が死ぬ」がシャーリィ・ジャクスン賞候補に。訳書に、カレン・ラッセル『狼少女たちの聖ルーシー寮』『レモン畑の吸血鬼』、アメリア・グレイ『AM/PM』(いずれも河出書房新社)など。

「2020年 『彼女の体とその他の断片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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