エンド・オブ・ライフ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087446333

感想・レビュー・書評

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  • 佐々涼子『エンド・オブ・ライフ』集英社文庫。

    2013年に京都の診療所を訪れてから7年間取材を重ねて描かれる様々な在宅での終末医療の現場。

    高齢者にとって『ピンピンコロリ』というのが、理想の死に方なのだが、医療や延命治療が進んだお陰で、なかなか死ねないという時代になった。

    本書の中には家族との思い出に残るひと時を過ごし、直後に亡くなったまだ若い主婦が描かれていた。果たして、自分にそういう覚悟は出来るだろうか。高齢者で頭が惚けてなければ、ある程度の終活も可能であるが、末期癌などで突然の余命宣告を受けた場合は動揺の方が先に立ち、何も出来なくなるのではないかと思う。

    生きることも死ぬことも本当に難しい時代になったと思う。増してや在宅での介護となると本人だけでなく家族も大きな負担を強いられることになる。本書でも夫が妻の在宅介護を行う姿が描かれているが、並大抵のことではないと思う。

    やはり余り家族には迷惑を掛けずに『ピンピンコロリ』といきたいものだ。自分もそろそろ終活の準備とその時を迎えるための心構えを持ちたいものだと思う。

    本体価格780円
    ★★★★★

  • 「誰かが生きられなかった今」を生きる人の矜持 佐々涼子さん『エンド・オブ・ライフ』を語る | 話題の著者 | 東洋経済オンライン(2021/02/11)
    https://toyokeizai.net/articles/-/411042

    ノンフィクション作家 佐々涼子 | 対談連載「たすくのタスク」(カニジル8杯目 2021年9月発行)
    https://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/kanijiru/backnumber/vol8/series/31184.html

    「ああ、楽しかった」~ノンフィクション作家・佐々涼子~|NHK(2024.02.22)
    https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2024/02/story/2024_0222/

    エンド・オブ・ライフ | 集英社インターナショナル 公式サイト
    https://www.shueisha-int.co.jp/publish/endoflife

    エンド・オブ・ライフ/佐々 涼子 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-744633-3
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • 死ぬ前に家族と潮干狩りに行きたいー。死にゆく人の望みを献身的に叶える医師と看護師がいる。その一人、訪問看護師の森山文則は、自身がステージ4のすい臓がんであることを知る。「看取りのプロ」は病とどう付き合い、死とどう折り合いをつけるのか。著者は、自らの母の病気とその看病をする父の話を交え、死を迎える人と寄り添う人を活写する。終末期のあり方を問うノンフィクション。Yahoo!ニュース 本屋大賞2020年ノンフィクション本大賞受賞作。

  • 自身の終末期のあり方、ボヤーっと考えたりもするが確固たる方向性はまだ決められていない。本書のような先達の考えを参考に、その日が来る前に考えておかねば

    #エンド・オブ・ライフ (文庫)
    #佐々涼子
    24/4/19出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/4aGsDuj

  • 息子が寝静まってから一気読みしました。読みながら反省することがたくさんありました。女性作家さんの柔らかい文体で語られる看取りにまつわるノンフィクション。秀逸でした。本を通して森山さんに出会えたことに感謝。たぶん私の道標になる。この本に出会えて良かった。

  • 様々な終末医療の在り方を問う。病が治らなくても、苦痛をコントロールできる医療体制があるのは安心だ。
    苦痛を和らげるために鎮静を行うというのは、終末期にある患者にとっては二度と目が覚めない可能性もあるため本人の意志が重要となるようだ。明日が来ないのに眠ろうとする意思決意とはどういうものか。苦痛に耐えられない状況でないと、想像がつかない。
    私たち健常者も毎日寝るときは当たり前のように明日が来ることを前提に寝ているが、もしかしたら目覚めないかもしれないと思うことで、毎日を精一杯生きられるだろうか。
    本書にもあった通り病になることで気づかされる幸せというのは多いのだろう。
    人生は長さは関係ない。どう生きたかがすべてなんだ。すべて平等に人生の時間はみな限られているから、その中で自分の幸せと周りの人の幸せのために何が出来るかを考えていると、課題をどう乗り越えるかが肝心であって、人を憎んだりする不毛な時間はこれっぽっちも無いことがわかる。

  • 著者の友人で在宅医療の看護師の男性、著者の母、在宅医療で取材した人々の最後の日々を描く。
    様々な生き方(そして死に方)がある。

    医療の専門家であり、たくさんの看取りをしてきた看護師の男性が、死に近づいていることを受け入れられず、食事療法、湯治、ホリスティック医療にのめり込んで行く様子が胸に迫った。
    どんなに健康に気をつけていても癌になる人がいるし、喫煙・深酒していてもならない人もいる。持って生まれた体質、生活習慣、ストレスなど多様な要因があって、なぜなるのかはわからない。しかし著者も書いているように、人間は意味がないことに耐えられない。「だからこそ、自分の生き方を見直してみたくなる。なぜ病になってしまったのだろうか。今までの生き方が間違っていたからではないか。そして心も身体もすべて委ねる大いなる存在が欲しくなり、それにすがりたくなる。」(P180)
    自分の身近な人にも、そういう人がいたのでよくわかる。
    その状態から、仕方なくではあるけれど治ることを諦めて、死を受け入れるという気持ちになるのは、大変なことなのだと改めて感じた。
    著者の母は、自分の母が60代でパーキンソン病になったことから、健康や食事には人一倍気を配っていたが、60代で難病になり、身体の自由が奪われる。
    ただ、これらの人たちが不幸かというと、そうは思わない。若くして重い病となったのは不幸かもしれない。若いから進行もはやいし、痛みも強い。でも、家族も若いから支える力があり、最後まで一緒にいられた。
    著者の父は一日も休まず妻の介護を完璧に、愛情深く行った。こんな配偶者を得られたことは幸せ以外のなにものでもないと思う。母が入院したとき、父と娘は毎日通ったが、病院は人手が足りず、ろくな介護をしなかった。二人は怒り、看護師に訴える。読んでいるこちらも義憤にかられるが、この世界では同じ状況でも家族も見舞いに来ず、放置されている患者もきっといるだろう。暗澹たる気持ちになる。

    しかし、家族に愛されて幸せに見送られる人ばかりが描かれるわけではない。
    ベジタリアンだった(本人としては体にいいという信念を持っていた)のに激しい痛みを伴う病気になり、妻子との関係も悪化し、自殺した男性も出てくる。
    だが、結局「たいていは生きてきたように死ぬ」(P77)のなら、今どう生きるかだけを考えて生きるしかないのだろうとも思った。死に至る病は、予防できないことがほとんどなのだから。
    自分以外の人を愛して大切にすることが、自分の最期を決めるということなのかもしれない。

  • ありがたい話なのだが、私は同居する家族など最も近しい人の死を、物心がついてからというもの経験したことがない。だからなのか、身近な人の死も、自分の死もとても恐ろしいものとして漠然と自分の中にある。
    この本がくれるのは、死はただ恐ろしいものではないという意識と、「生きたようにしか死ねない」私たちにこれからの生き方を考えるきっかけ。
    これから何があっても避けられない大切な人の死にはできる限り正面から向き合って、贈られるものをしかと受け止めたい。閉じる方向へ向かっていく自分の命を、納得のいく形で閉じられるように生きていきたい。そう思わせてくれる作品だった。

  • 毎日のように人の死を見ており、死に慣れているが読んで良かった。学ぶことが沢山あった素敵な一冊。

  • 一万円選書(2024.6)

    過去や未来に引きずられず、今を精一杯生きること。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。著書に『エンジェルフライト』『紙つなげ!』など。

佐々涼子の作品

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