ミシンと金魚 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087446456

感想・レビュー・書評

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  • 本屋でふと買った。買わなきゃいけないように。
    1時間前、読み始めたら止められなかった。

    全体的な感想として、正直「怖い」。
    でも、そう感じる中に現れる「幸せ」な瞬間。
    幸せな人生ってなんだろう。

    ちょっと混乱するぐらいの衝撃的な読後感。

    人生の最後、カケイさんのように思えるのだろうか。

  • ⚫︎感想
    認知症のカケイさん視点で書かれた一冊。介護される側の視点や洞察は、著者が元ケアマネだからこそリアリティをもって書けたのだろう。読むのが苦しかったが、目を逸らすことはできない現実感と、幸せな人生だったと呼べる人生にするには、自分で幸せだと思えることを意識して日々送ることが大切だと改めておもった。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    認知症を患うカケイは、「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきた。ある時、病院の帰りに「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と、みっちゃんの一人から尋ねられ、カケイは来し方を語り始める。
    父から殴られ続け、カケイを産んですぐに死んだ母。お女郎だった継母からは毎日毎日薪で殴られた。兄の勧めで所帯を持つも、息子の健一郎が生まれてすぐに亭主は蒸発。カケイと健一郎、亭主の連れ子だったみのるは置き去りに。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続けるカケイの腹が、だんだん膨らみだす。
    そして、ある夜明け。カケイは便所で女の赤ん坊を産み落とす。その子、みっちゃんと過ごす日々は、しあわせそのものだった。それなのに――。
    暴力と愛情、幸福と絶望、諦念と悔悟……絡まりあう記憶の中から語られる、凄絶な「女の一生」。

  • カケイさんの壮絶な人生…認知症を患って最近の記憶はすぐ忘れるのに、昔の思い出したくないような記憶だけははっきり覚えてる…でもその中にも一瞬でも幸せな時間は確かにあった…その記憶さえあれば幸せなのか…本当は兄たちに守られていたカケイさん、もうすぐ死を迎える最後の最後に広瀬のばあさんから真相が知れて、幸せな花を見ながら人生の幕を下ろせて良かったんだと思う。

  • 文庫化がきっかけで。
    「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と尋ねられたカケイは来し方を語り始める。
    カケイの一人称で進んでいく物語。
    独特の文体がおばあちゃんに話しかけられてるみたいで心地よく、スラスラ読めた。
    カケイが語るのは紛れもない女の壮絶な人生。
    親になった今だからこそ、途中からは涙なしでは読めなかった。
    私も辛いことがあっても幸せな出来事を忘れないように、いつか幸せな人生だったと胸を張って言えるような日々を過ごしたいなと思った。

    ✎︎____________

    親切でもって言ったこっちの方が、バツのわるいおもいをする。世の中そんなふうになっちゃったんだねぇ。(P6)

    手柄話は、わすれたフリしてしまうのが、一番いい。それが一番、格好がいい。(P75)

    殴ってほしくないときには殴られて、殴ってほしいときには、殴られない。というのは、バツとしては、一等、おもい。(P112)

    なんかの折に、だれかに、
    しあわせだったか?と、聞かれたら、そん時は、
    しあわせでした。
    と、こたえてやろう。
    つべこべ言わず、ひとことで、こたえてやろう。(P118)

    しみじみ、おもう。
    わるいことがおこっても、なんかしらいいことがかならず、ある。
    おなし分量、かならず、ある。(P153)

  • ナツイチ2024の対象本ということで
    初めて手に取りあらすじを読んでなんだか惹かれるものを感じ読んでみました。

    文章も読みやすく、ページ数も多くなかったのであっという間に読了。
    始めは壮絶な人生にとても苦しくなりました。
    途中から幸せな事も語られ始め、辛い人生の中の救われる時間もあり、少しだけど良かったと安心しました。
    自分が老いてしまったとき、更には認知症で色々な事を忘れてしまったとき、私は自分の人生のどんな幸せなシーンを覚えているのだろうか。忙しくてとても大変な今だけど、思い出すのは今の子供達の笑顔なのかもしれない。

    胸がグッと苦しくなる一冊でした。

  • 壮絶な過去を持つ一人の女性。
    だけど周りからみたら、介助の必要な認知症のヨレヨレのおばあちゃん。どれほどのものを抱えているのか、外側から窺い知ることはできない。

    自分もいつか、つべこべ言わず、幸せだったと潔く答えられる日がくるのだろうか。

  • カケイさんの語りはフッと吹き出してしまうユーモアがあっておもしろいおばあちゃん。と思っていたけど、中盤からカケイさんの人生がどんどん明るみになるに連れて一人の女性の人生を知る読書になった。
    最終的に、わたしも人生を終える時には一言「しあわせだった」と言えるように自分なりに一生懸命生きたいと思う。
    どんな人にも、それなりの背景があってそれは比べるものでなく、唯一無二のものなんだと気づかせてもらった。

  • ナツイチの季節。ナツイチフェアの対象文庫で津田健次郎さんの朗読付きのこの本を購入。
    よまにゃチャンネルで最初の数ページは津田健次郎さんの朗読で聞くことができる。幸せ、幸せ。

    さて小説はというと、「今までの人生を振り返って、幸せでしたか?」と聞かれたカケイさんの記憶の中にあったものは…。
    少し認知症のあるカケイさんとヘルパーのみっちゃん、カケイさんの家族、読み進めていけばいくほど辛い。
    認知症だけど、本当はわかってる。

    辛いことがたくさんあったカケイさんの人生、悪いことがあっても良いことが必ずある。同じ分量必ずある。そう言いながら、カケイさんが最後に見たものは、幸せだといいなと願う。

    辛い本でもあり、希望を願う本だった。

  • カケイさんは、みんな、みっちゃん、と呼ぶ。デイサービス『あすなろ』のスタッフたちも、みっちゃんたち。ヘルパー『ほほえみ』のスタッフたちも、みっちゃんたち。はっきりとした記憶と漠然とした認識の混在する老女の話。

    ああああああああああああ道子オオオオオオオオ!!!!オーーーオオーーーオ……あかん……ダメ……こういうの本当今の立場になってからあかんくなった泣く……広瀬のばーさんがまさかそんな繋がりを見せてくるとか思わなくて広瀬のばーさん……あなたも……あなたの人生も、たくさん、あったんだな、あああああああ……ダメ無理泣く……これは家族愛の話なのだろうか。いやどうだろう。みのるは無理だな。兄貴も最初はオメー犬に任せるなやと思ったけど後半の株の爆上がり方が半端ないんですよ。ええええん……最後に見つけられた、道子のいたという証がもう……おあ……子供はな、そうよな、目を離したらそういうことするもんな、そりゃそうだ、手がかからないからって目を離して自由にさせてたら、うわああああああ身につまされる!!!!あーー!!無理!!!!全てが刺さる!!最初は話の進め方というか構成が複雑な雰囲気があるぞ大丈夫かな?ちょっと待って人間関係の図が必要もしれないぞ……と油断して読み進めたらこの破壊力ですよマジで勘弁してほしい油断させてから突き落とす系ですよこれは。マジおすすめ。読んで。でも読んでて悲しみもあまりにも強かったので星5にしたかったけど星4で……悲しみが……あまりにも強いので……

  • 2024.7.5読了

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