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本 ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784087446784
作品紹介・あらすじ
2023年度の文芸誌掲載の歴史・時代小説から精選した11編を収録。新進の作家から円熟の書き手までの新作が味わえるアンソロジー。
収録作:朝井まかて「身のほど知らず」/永井紗耶子「賭けの行方 神君伊賀越え」/谷津矢車「鯉」/逢坂剛「水船地獄」/高瀬乃一「鑑草」/澤田瞳子「星見の鬼」/西條奈加「庚申待」/菊地秀行「開かずの間」/赤神諒「蛟竜逝キテ」/砂原浩太朗「半夏生」/木下昌輝「恋双六」
感想・レビュー・書評
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オール讀物2023年1月号朝井まかて:身のほど知らず、小説現代1,2月合併号永井紗耶子:賭けの行方神君伊賀越え、谷津矢車:鯉、オール讀物7月号逢坂剛:水船地獄、小説新潮7月号高瀬乃一:鑑草、オール讀物8月号澤田瞳子:星見の鬼、小説新潮9月号西條奈加:庚申待、小説宝石10月号菊地秀行:開かずの間、WEB STORY BOX11月号赤神諒:蛟竜逝キテ、小説現代11月号砂原浩太朗:半夏生、オール讀物12月号木下昌輝:恋双六、の11編に木内昇さんのあとがき:歴史の中の一粒にも、を加えて2024年7月集英社文庫刊。砂原さんの神山藩ものが好み。木下さんはホラー風味があり面白い。いずれの作品もひねりが効いていて楽しい。
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どれも珠玉の一冊。
特に赤神諒「蛟龍逝キテ」と木下昌輝「恋双六」が良かった。「蛟龍逝キテ」は、橋本左内を扱った他の作品も読んでみたいと思った。 -
珠玉の歴史の欠片たち。
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時代小説ザ・ベスト2024。
菊池秀行「開かずの間」木下昌輝「恋双六」。
時代小説とホラー、SFが融合した二篇。伝奇に近しい趣が醸し出されます。とても好き。やはり、自分の読書好きの中に流れる伝奇の血が騒ぎます。
どちらも強い想いは祈りであり呪いになる、という点は共通項か。夢枕獏っぽいよね。
高瀬乃一「鑑草」砂原浩太朗「半夏生」。
どんな人間でも誰でも、その人自身の主人公である、というのはどこか文言。漫画かな小説かな、多くの作品で言われていることであるのですが、この二篇でより強く心に刻まれる言葉になりました。
自分の人生、家族の人生。それらを振り返るきっかけとなる品物の存在感が、淡々としていてよいです。きっかけというか、スイッチを押してくれる存在なのか。
音楽を聴くと思い出す、匂いに気づくと思い出す、風景を見ると思い出す。様々なものの存在が、個人個人の中で重きをなすものになっていて、もちろんそれぞれ違うものなのですが、振り返る思い出す瞬間の機微というのが共感と郷愁を誘います。
心躍った二篇と、心に染み入った二篇。
アンソロジーの作品





