ミーツ・ザ・ワールド (集英社文庫(日本))

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  • 集英社 (2025年1月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784087447309

作品紹介・あらすじ

実写映画化決定!
【第35回柴田錬三郎賞受賞作】
死にたいキャバ嬢×推したい腐女子

焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。
人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。
「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く――。

「どうして婚活なんてするの?」
「だって! 孤独だし、このまま一人で仕事と趣味だけで生きていくなんて憂鬱です。最近母親の結婚しろアピールがウザいし、それに、笑わないで欲しいんですけど、子供だっていつかは欲しいって思ってます」
「仕事と趣味があるのに憂鬱なの? ていうか男で孤独が解消されると思ってんの? なんかあんた恋愛に過度な幻想抱いてない?」
「私は男の人と付き合ったことがないんです」

推しへの愛と三次元の恋。世間の常識を軽やかに飛び越え、幸せを求める気持ちが向かう先は……。
金原ひとみが描く恋愛の新境地。

【著者プロフィール】
金原ひとみ(かねはら・ひとみ)
1983年東京生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。04年、同作で第130回芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、各国で翻訳出版されている。10年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を、12年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を、20年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を、21年『アンソーシャル ディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で第35回柴田錬三郎賞を受賞。

感想・レビュー・書評

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  •  常識を軽々と飛び越え…などと書くと、個人的に村田沙耶香さんを連想しますが、金原ひとみさんの本作は、似て非なる常識の飛び越え具合で、その熱量は強く勢いを感じさせながら、見事な着地点を見せてくれました。

     歌舞伎町を舞台に、擬人化焼肉漫画をこよなく愛する27歳の由嘉里の新たな世界との出会いを描く物語です。
     登場人物は、理解し難い世界で暮らす全くもって意味不明な若者たちばかり。しかし、その思考や会話の端々に、ハッとさせられる部分が多々あり、単純にこの子たちを拒否できず、目が離せません。この価値観を揺さぶってくる会話に引き込まれます。

     腐女子で自分が好きになれず、将来への不安と焦りを抱える由嘉里が、これまで関わることのあるはずもないキャバ嬢やホストなどと出会い、「人を鏡として自分を映す」ことで、自分の姿やあり方を客観的に見つめ直していく展開です。

     由嘉里は、生身の人間と関わり他者を知ることで自分を知り、居場所を見つけていきます。そして、他者との違いを受け入れることで、自分を受け入れ変容・成長する物語でもあります。
     新たな"世界"との出会いは、何も歌舞伎町やぶっ飛んだ人たちという意味ではなく、究極は新たな自分との出会いだったのですね。

     全ての生きづらさを抱える人に、金原ひとみ流の寄り添いが感じられる作品でした。

  • 他人と分かり合うことの難しさ、いや、そもそも分かり合おうなんておこがましいということが、よくよく分かった一冊でした。
    腐女子の由嘉里と、死にたいキャバ嬢のライ。
    全く違う世界で生きてきた二人が出逢い、影響を及ぼし合い‥‥というお話だと思っていたら、そんな単純な物語ではなかった。
    読んでみて思ったこと、感じたことはたくさんあって、色々書き残したいのだけれど、とても難しい。
    どんなに言葉を選んでも誰かを傷つけてしまいそうで
    躊躇してしまいます。
    由嘉里も最終的に自分がライに対してできることは彼女を傷つけないことだけだと気付きます。
    相手をどんなに愛していても、決して分かり合えないことがある。愛していることが相手を苦しめることもある。
    自分以外の世界は、どうやったって理解できない。でも、理解できないけれども存在しているということは分かりました。
    読んで良かった一冊。

  • 2022年第35回柴田錬三郎賞
    2025年10月24日映画公開予定

    金原ひとみ作品を少しずつ読んでいくつもりですが、とりあえず映像化された本作を。
    焼肉擬人化漫画を推す腐女子銀行員が、合コンに失敗した夜、歌舞伎町で酔いつぶれそうなところを美女キャバ嬢に助けられる。そこから「普通の腐女子」が知らなかったキャバ嬢・ホスト・歌舞伎町文化という異世界に足を踏み入れていく。
    恋愛未経験女子×希死念慮キャバ嬢のルームシェア。エンタメ性の高さが映像化の決め手なのだろう。

    小説としては新しく、会話だけでなく地の文までSNS的口語で覆われている。感情の生っぽさは強く伝わるが、構成や整えられた文体でストーリーを把握したい私には少し読みにくかった。
    ただ、自分の世界観を貫き切る力こそ、人気の続く理由なのかもしれない。

    • 1Q84O1さん
      ですね
      どうにかならないと困ります┐(´д`)┌ヤレヤレ
      ですね
      どうにかならないと困ります┐(´д`)┌ヤレヤレ
      2025/09/06
    • ultraman719さん
      この映画知らなかった…
      この映画知らなかった…
      2025/09/06
    • おびのりさん
      今年の10月ですよね?
      おそらくultraさんの好みではないと思います
      今年の10月ですよね?
      おそらくultraさんの好みではないと思います
      2025/09/06
  • 初読み。
    蛇のピアス?を昔に映像化で観たけど、その頃は個人的に合わず。よくわからなかった記憶。

    今回読んでみた事で独特の世界観を感じることができました。頭殴られて違う世界に飛び込んで生きてる感覚というか、、
    歌舞伎町で暮らす擬似体験というか、
    結局は色んな人がいて、色んな価値観があり、
    それを全部理解や分かり合えるのは難しいこと。

    違う世界を数年生きた感覚になれるような、読書ってすごいなと。。

  • 登場人物の全員が生きづらさを抱えている。

    生きづらさって比べられない。
    容姿端麗のキャバ嬢に「あなたみたいになりたかった」と言う腐女子。
    「あなたみたいになりたい」っていう「あなた」は幻想・妄想だよね。
    「私の何を知っているんですか」ってドラマとかでもよく出てくるセリフのやつだ。

    キャバ嬢ライは「死にたい」わけじゃないんだろうな。世界とは融合できない、無に戻るのが正しい感じ…だろうか。わかった気になるけど、これはライにしかわかんないのかもね。

    金原ひとみさん自身も小中高生時代には生きづらさを抱えていたようで、「子供に向いていない人がいる」とお父さんに言われたのだそう。
    「子供に向いていない人」って、ものすごくいい表現。さすが、金原さんのお父さん。私も幼稚園の時に、誰とも話す気にならなかったことを覚えている。笑。

    心の病はすぐに良くなる人もいれば、何十年も良くならない人もいる。
    理由なんてなくても、心を病んでしまう人はたくさんいる。
    心の病は難しい。




  • Audibleで。歩きながら。
    映画化に惹かれて聞き始め
    最初はなんだこれって、感じだった。
    でも、生きる辛さと生きていて欲しいという思い、生きていると楽しいとかぐるぐるきて、読了(聴き終わり(笑))は感慨深い作品でした。
    食べること、話すこと。
    ゆかりの周りに厳しくも優しい人達がいて。
    ここは物語だね。
    恋愛はもともと気持ち悪いものだから、気持ち悪くない人が現れるまでまてばいい。。。
    なんだか、この言葉。
    生き急がなくていいよと言われた感じ。
    ライはゆかりが気になるからきっと何処にいるかな。

  • 映画の蛇にピアスを見て、食わずぎらいしていた金原ひとみさん。先日の情熱大陸を見て番組内で、自身の中にある破壊衝動や、希死念慮とどう向き合い、文学に昇華してきたか心情を包み隠さず語っており見入ってしまった。さっそく何冊か購入した。

    ミーツ•ザ•ワールドは登場人物が腐女子×キャバ嬢×ホストなどなどで、普段私の周りにはいない人たちの会話がおもしろい。

    他者理解の難しさと、わからないことを前提に、それでもわかろうと努力する姿勢の美しさを感じられた。由嘉里がライと出逢い別れたあとの母親との会話が見どころですね。

    タコピーの原罪をアニメで観たところで、ライにタコピーがくっついてたらどう変化があっただろう〜なんて妄想した。

  • 由嘉里、ライ、アサヒ、ユキ、オシン‥‥登場人物が魅力的だった。

  • 初の金原 ひとみ作品。TV『情熱大陸』で興味を引かれ、映画も鑑賞して原作を読んでみたいと思い手に取りました❗️

    読む前は金原作品を凄く硬い文章で読み難い作家さんかなぁと、勝手にイメージしていましたが、読んでみると割りとテンポ良く、自分とは無縁のその世界にどっぷり浸かることができました。

    ゆかりんとライとアサヒ、ゆかりんとアサヒとオシンとユキ、それぞれ一緒にいる時間ををもっと読んでいたいなぁーと思ったけれども、これくらいが丁度いい長さなのかなぁとも思っています。

    ゆかりんのライに対する行動はお節介で、少しダサいと思うけれども、決して嫌いなキャラクターではありません❗️

    個人的には、ライ目線のスピンオフなんかを読んでみたいなぁと思ってしまいます。

  • 「孤独を抱えても、生きる理由を見つけたい。
    夜の新宿で出会った二人が、世界と再びつながる物語。」

    『蛇にピアス』や『ナチュラルボーンチキン』で知られる金原ひとみさんの最新作。
    これまでの作品よりも、静かで、どこか柔らかい温度を感じる物語でした。

    社会の“外側”に生きるような二人の女性が、
    東京・新宿という街で、刹那的でありながら確かな「生」の実感を探していく姿が印象的です。
    夜の街のざらつきや孤独を背景に、それでも誰かと関わりたいという願いがにじむ。

    好みは分かれるかもしれませんが、金原ひとみさんの新しい一面が感じられる一作。
    彼女の作品世界を追いかけてきた読者には、ぜひ手に取ってほしい本です。

  • 初読み作家。
    由嘉里27才銀行員、恋愛経験ゼロ、焼肉擬人化アニメに陶酔する腐女子。そんな由嘉里の一人称の物語。

    句点が極端に少ない文体に戸惑った序盤。

    歌舞伎町キャバ嬢:ライに拾われ一緒に暮らすことになった。2次元にしか興味がなかった由嘉里が、2.5次元的なライやホストのアサヒと接するうちに、生身の他人と共存できていく…句点が程よい文体へ変わっているではないか! 

    『死にたみ』のライを、思い止まらせるため、必死になる由嘉里…自己肯定感も出てきた♡

    振り切った登場人物が多かったが、他の作品も読みたくなった。

  • 私とは縁がなかった世界に住む人達。人と人が出会って、関わりを持ち、それを持続させるということは簡単ではなく、まして、人を理解したり、助けたいなどと考えることは烏滸がましいんだろう。それでも、誰かを求めてしまうのは悪いことではないと思う。映画も是非、観たいです!

  • 昔夜職をしていたことがあるからかすごく刺さりました。
    ホストのアサヒが良い奴すぎて、友達になりたい!
    「私たちの街では、いつも人が入れ替わっていくのよ。どんなに頻繁に通ってる常連だってある日突然来なくなったりする。キャバとかホスクラの子達はもっと短いスパンで、来てはその時間だけ楽しんでいずれ来なくなる。ライみたいにいつ死んでもおかしくないような人も、それはもう何人も来ては消えて、二度と会わない人もいれば、2年後とか5年後とかにふらっと現れたりする人もいる。もう覚えてなくて、何時間も飲んで話した後に覚えてる?って言われて始めて思い出したり。そんなヤツらがね毎日毎日来てはいなくなって、また通い始めたりまた来なくなったりを繰り返すの。」

  • 人との関わりについて、分かり合えないもどかしさがあるけれど、それでも一緒にいたいという気持ちが伝わる作品でした。
    そして自死について、忌み嫌われることだけど、本当にそう捉えることなのか考えさせられました。作品のテーマは重く深いものなのに、登場人物のキャラが良く、会話の内容が面白すぎて一気読みです。金原さんの作品は、『ナチュラルボーンチキン』が面白過ぎたので、こちらの作品も手に取りましたが、デビュー当初と作風が変わったなぁと感じました。ゆっきゅんさんの解説にもありましたが、この作品が転換となっているようで、他の作品も読み進めたいと思います。

  • 消えた方が良いと思っている女性に助けられた腐女子の話。これまで彼女の人生には登場しなかった人たちとの出会いをきっかけに人生が進んでいきます。
    人を好きになることや別れや死というものを登場人物たちが考えながら生きています。登場人物はとても優しい人たちばかりです。
    自分は人の死や別れについては悲しくなるし怖いので考えたくないと思ってしまうタイプなので、日々こんなに真剣に考えて生きている人たちってすごいなと思いながら読みました。この本を読んでいつも考えたくないと思っていたことに対する苦手意識を少し減らせたように思います。

  • 4人の世界が愛おしく、無限に続けばと願ったのだが…
    〜私たちの街では、いつも人が入れ替わっていくのよ。〜
    由嘉里とともに気づき学びを得ながら読み終えて、素敵な物語だなと。MIMを調べたらサイトもあってまた余韻。

  • 金原先生はオタクの表現力がとてもうまいなぁ。
    あえて文章を切らない作り方が、取り憑かれてるように話す話し方とか好きなものしか視界に入らなくなっている瞬間の表現にぴったりハマっていて、説明なくてもオタク感を感じてしまいました。

  • 映画前に読もうと思い手に取りました。
    人によって恋愛観も死生観も様々で、けれどそういった当たり前のことを忘れてしまい固定観念を信じる、現代の"普通の人々"に向けた作品なのかな、と感じました。
    緻密な描写、理不尽な展開、ハッピーエンドではないけれど温かさを残した終わり方、好きが詰まった作品でした。

  • ゆかりちゃんの言動には共感できないところもあるし、それ言う?もう余計なお世話やって〜と考える事も多々ありましたが、気がつくと私もライが大好きで、ゆかりちゃんと同じような言動とはいかなくても、似ているようなことをするんじゃないかと思いました。

    私が欲していたのは、この世界観なんだ!とビビッと来ました。ワクワクしました。トキメキました。
    私もアサヒとライとオシンとユキに出会いたいです。

    なぜだか分からないですが、私はミーツ・ザ・ワールドの世界観にずっと出会いたかったような気がします。

    結婚して出産してというような一般的と形容するのは違うと思いますが、世の中で疑問を持たれないルートが自分にはとても無理で、多様性だよねとか言いながらそんなもんはなくて、そのルートが当たり前だとどこかで思っているような世界も嫌で、だからこそアサヒ、ライ、オシン、ユキに出会って話を聞いてほしい、私の考えを聞いてほしいと思うのかな、友達になりたい!

    はぁ〜、幸せな読書でした。
    絶対映画見に行く!

  • 正直文章に慣れるまでちょっと時間がかかった。
    大好きな相手を分かりたくても分からない、分かり合えない辛さや絶望感は自分自身が最近味わったことだったから共感する場面が多かった。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2003年に『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞を受賞。10年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、12年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、20年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、21年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で柴田錬三郎賞を受賞。他の著書に『AMEBIC』、『オートフィクション』、『fishy』、『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『デクリネゾン』、『腹を空かせた勇者ども』、『ナチュラルボーンチキン』『YABUNONAKA -ヤブノナカ-』など。

「2025年 『マザーアウトロウ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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