- 集英社 (2025年1月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784087447316
作品紹介・あらすじ
ユーラシア大陸に拡がる人類史上最大の帝国、その礎を築いたチンギス・カン。
波乱に満ちたその生涯と、彼と出会った様々な英雄たちの生きざまを描く歴史大河小説、好評第四巻。
豊海(バイカル)に派遣した人員をメルキト族に殺害されたテムジンは闘いを決意し、一千騎を用意する。もともとメルキト族と対立する盟友のジャムカも一千騎を率い、テムジン軍を出迎えた。メルキト族の長トクトアもすばやく三千騎を召集したが、テムジンとジャムカはそれに痛撃を加えて軍を引いた。
その後、ジャムカはケレイト王国のトオリル・カンの弟ジャカ・ガンボの姪であるフフーを妻に娶り、テムジンのもとには南から蕭源基らが訪れて再会を果たす。槍の達人ジェルメは、テムジンを二度斬った強者、玄翁に関するある事実を、テムジンに打ち明ける。
そしてついに、トオリル・カンがメルキト族との闘いに臨むため約二万騎を召集し、テムジンとジャムカはそれに合流した。二人は先鋒に選ばれ、ケレイト王国軍の一員として、森を背にした強大な敵との一大決戦に挑むことになる。
【著者略歴】
北方謙三(きたかた・けんぞう)
1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。81年『弔鐘はるかなり』で単行本デビュー。83年『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。2004年『楊家将』で第38回吉川英治文学賞、05年『水滸伝』(全19巻)で第9回司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で第1回舟橋聖一文学賞、10年に第13回日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』(全15巻)で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞。13年に紫綬褒章を受章。16年「大水滸伝」シリーズ(全51巻)で第64回菊池寛賞を、17年同作で第6回歴史時代作家クラブ賞特別功労賞を受賞。20年に旭日小綬章を受章。24年『チンギス紀』(全17巻)で第65回毎日芸術賞を受賞。『三国志』(全13巻)、『史記 武帝紀』(全7巻)ほか、著書多数。
感想・レビュー・書評
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「テムジンは、おまえたちの兄というだけではありませんよ」
「わかっております。草原の民の兄であり、父である、と思えればいい、と俺は思っております」
「草原の、ですね」
「母上もそう思っておられますか」
「私にとっては、掌に血塊を握りしめて生まれ出でてきた、はじめから化けもののような子ですよ。どんなふうな化けものかは、テムジンの人生しだいでしょうが」(334p)
地に草原あり
地はひとつ
天もひとつ
天に祈り、天から何かを受け取る
テムジンが次第とそう感じてきている
テムジンが化けものに変わるときが近づいている。
テムジン麾下の兵力は3500人に育った。総て少数精鋭であり、数倍の兵力に対しても、簡単には負けないまでになっている。
勢力図は3巻とは変わらない。けれども、モンゴル族内の力の差は大きく移り変わり、近隣のタタル族、メルキト族、ケイレイト王国とテムジンとの関係も変わった。幾つかの戦いのあと、兵力以上の地力を育てつつある。決戦の秋(とき)は遠雷のように近づいている。
母親だけが、将来のチンギス・カン(王)たるテムジンの真の父親を知っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
会戦シーンで、複雑な戦法、戦術、指揮官と現場の連携、切所の判断、準備と反省等々について、これでもか、というくらい書き込んである。今のところはテムジンとジャムカの若き2英傑の成長がメインのテーマだが、彼らが自分の運命と向き合い、自分が何をなすべきかを自問するかを描くよりも、戦場シーンのほうが目立っている感じ。
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ケレイト王国の大きな軍に加勢したテムジンとジャムカが互いに先鋒として協力し合い、強大な敵であるメルキト族に挑む場面から始まる、第4巻。
背後に潜む金や西遼といった大国の影が少しずつ見え始め、今後の玄翁軍との戦いも気になるところ。
ボオルチュらの働きによって少しずつ大きくなってきた軍備、鉄や小麦の生産体制の整備、テムジンの兄弟らの話が続く。
相変わらず登場人物は増え続け、馬乳酒や酪、肉を焼いて食べて、ひたすら修行して。という印象。 -
テムジンとジャムカの共闘・友情が熱い第四巻。タルグダイは息を吹き返し、タタル族が不穏な動き。テムジン父暗殺の真相も絡んで次巻、いよいよタイチウト氏&玄翁との再戦がありそうな展開に期待が膨らむ。
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盟友ジャムカとの本格的な共闘から始まった第4巻はイェスゲイ暗殺の真相が見えてきたところで幕。
同時にいくつものプロットが動いており、全く飽きることがない。
巻を重ねるごとに登場人物が増えていくが、明らかな敵役でも剣技・乗馬術や潔さなどの魅力を備えている。今のところ何の魅力も感じないのは本巻で大敗を喫するセングム、そしてサチャ・ベキくらいおらず、並大抵の業ではないと思う。
次巻は玄翁との戦い、イェスゲイの仇討ちの進展を楽しみに読み進めたい。 -
ついにテムジンとジャムカが共闘、一気に話が展開するかと思ったら、まだまだモンゴル族統一は遠いのか?
第五巻ではテムジンとタイチウトの決戦が見られそう。この先が待ち遠しいです。
それにしても肉は旨そうだな・・・ -
少しずつ力を蓄えているテムジン。
早く玄翁を倒して、ひとつ上に行って欲しい。 -
テムジン・ジャムカが頭角を表し、完全に時代のうねりの中心になったかと思いきや、更なる大国の気配も感じられ始めた。
大国のパワーポリティクスのせいで小国や市民が振り回されるのは現代と全く同じ構図だ。
長たちが、それぞれのやり方で、それぞれの戦いをする様が、キャラクターが立っていて面白い。 -
長大な全容のまだ導入にしかならないのだろうが、一人の青年の成長と、社会が少しずつ国家を形作っていう様に、毎巻ただただ圧倒される。
スケールの大きな物語が、史上稀に見るスケールの大きな帝国を築き上げていく様を見届けられることにワクワクしてる。
万城目学さんの解説もいいです。
著者プロフィール
北方謙三の作品
