深重の海 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 68
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450064

作品紹介・あらすじ

紀伊半島は南東部、太地湾辺りは古くから鯨取りで栄えた土地柄である。明治11年12月24日、熊野灘の沖に現われた一頭の巨大鯨。小舟に乗った数百人の男たちが立ち向かう。これが大遭難、世にいう"背美流れ"の発端となり、慶長年間からの伝統的な捕鯨組織が崩壊しはじめる。明治の激流に呑まれ、滅びゆく運命をたどる海人たち。愛と闘いをドラマチックに描いた感動の長編。第79回直木賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 重い。しかし、引きこまれる。
    直木賞納得。

  • 明治初期、次第に追い詰められて行く太地の捕鯨を描いた作品。
    米国による乱獲で鯨は減少するなか、太地の漁民たちは古式な漁方から進化を求めず、無理をして遭難し。。。。
    次から次に起こる災難にひたすら耐える太地の漁民たちが延々と描かれます。なにもそこまで描かなくてもと言いたくないほどそこには救いというものもなく。もう少し明るい兆しでもあればと思うのですが。
    紀州の訛りに加え捕鯨の専門用語、リアルといえばリアルでしょうが、少々読み難い。また巻頭に地図があるにもかかわらず、文中に出てくる地名が地図上に表示されていないのにもイラついてしまいます。そんなわけで苦労しながらの読了です。
    なんかネガティブな言い方ばかりしましたが、世界との格差の有った明治初期の世相と、巨大な鯨を小さなな手漕ぎの小舟で漁をする、まさに「板子一枚下は地獄」と言われる男の世界の勇壮さを見事に描いた作品です。

  • 人はこうまでしても生きなければならないのか……

    重く苦しい読後感だ。
    久しぶりに手ごたえのある小説に出会った。
    伊東潤の書いた日経夕刊のコラムで取り上げられていて、手に取ったのだが、まだまだ知らずに出会っていない素晴らしい作品はあるのだろう。

    明治初期、太地を舞台に鯨捕りを題材にした本作は過酷な状況下で生きる人間の業をあぶりだしている。
    次々に訪れる艱難辛苦を経て、それでも雑草のように生きる男たちの物語は涙すら呼び起さない凄絶なものだ。
    そして、圧倒的な資料に基づいたと思われる捕鯨の場面の熱量がものすごい。慈悲なき人間と鯨の闘いの場面には、人が生きることの意味を問うているようだ。

    那智勝浦に行ったのは、もう三年前か。当時、この作品を読んでいれば、現地でもっと違う景色を見ていたはずだ。それが悔やまれる。

  • yonda...

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著者プロフィール

1978 年に『深重の海』で第79 回直木賞、95 年に『夢のまた夢』で第29 回吉川英治文学賞を受賞。『下
天は夢か』『柳生兵庫助』『武田信玄』『松風の人』『勝海舟』など著書多数。

「2020年 『叛骨 陸奥宗光の生涯 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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