海を見に行こう (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 932
レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450217

感想・レビュー・書評

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  • kamosigiさんに薦められて読んだ「アシンメトリー」の印象が深くて、
    文庫書き下ろしで紹介されていたこちらを読んでみました。

    「海」が見えるある街を舞台に繰り広げられる6つのストーリー。

    最後の「海を見に行こう」を読んだとき、最終的にこの1冊にぐっと引きこまれて☆☆☆☆。

    個人的には「笑う光」に登場する有希のイメージを、なぜか麻生久美子で読み進めている自分がいた。34歳という年齢が具体的に出てきたからなのか、とくに意味はないけど。

  • *同棲中の彼氏と大喧嘩して家出した女の子。妻との間に大きな悩みを抱え、故郷に戻った青年・・・海辺の街を舞台に、人生に迷い立ち止まる6人の男女の再生を描く、ほろ苦くも温かい小説集*
    ありふれた、よくある男女のすれ違いのお話なのに、海の表情が絡まっているせいか、様々な感情が入れ替わり立ち代わり。うまいなあ。読者の想像に任せたような、ふわりとしたラストもなかなか。

  • 日経のエンジョイ読書で見て、鎌倉が舞台で近所であり、軽く忙しい時に気分転換に読むのには最適だと思い、書店で購入。
    具体的に鎌倉だと明示しているわけではないが、あの道とか、あの店とかi近隣に住む者としてよくわかる。特に電車の中で読んでいた時、横須賀線に東京から鎌倉に向かう場面があり、リアルにまさにここのことを言っているんだということもわかってリアル感があった。
    小説として、6つのストーリーからなる、短編集に見えるが、ひとつひとつが繋がっていて面白い。いわゆる青春モノではあるが、50代が読んでも楽しめた。

  • 飛鳥井さんの作品とマンガ家による装丁、相性いいですね。本書も、いくえみ綾さんのイラストが作品の雰囲気に沿っていて素敵でした。
    「海」が舞台ということだが、ただ爽やかなだけじゃないところがいい。自分も海の近くで生まれ育ったのでよくわかるのだけど、潮の匂いに時々嫌悪感を感じたり、観光客にもてはやされる景観を当たり前の風景として育っているため、大してありがたみを感じなかったり。そんな、ちょっとネガティブな感情も率直に描いているところに好感が持てた。
    6編の短編のうち2編は書き下ろしとのことだが、やはり他の4編に比べて、力量の差を感じました。明らかに、うまくなってる!さすがです。特に、ラストの表題作は秀逸な家族小説。私のように海の近くに故郷がある人には、少なからず主人公の航に思いを重ねる部分があるのではないだろうか。
    飛鳥井さんの連作短編が好きなのだが、思ったより「連作」ってほどではなかった。でも、よくよく読んでると、隠れキャラ的に他の作品の登場人物が現れて、もしやこれはあの?という発見はちょっと嬉しかった。
    次回はがっつり「連作」短編な作品も読みたいかな。

  • 海辺の町に住む人、やってきた人、帰ってきた人の物語を集めた短編集。
    全6編。

    男性が主人公のふたつ『笑う光』『海を見に行こう』が良かったけど、
    一番は『小さな生き物』かなぁ。

    まだ子供を持つつもりはない夫婦の奥様が主人公のお話。
    田舎に戻って子育てを始めた友達の元へ遊びに行く日になって
    生理がきていないことに気づき、戸惑う主人公。
    同行した別の友達との道中の会話や、途中でかかって来た旦那からの
    電話で少しずつ考え方が変わってくるのだが・・・


    結婚もしていないし、それどころか彼女すらいない私ですが、
    このお話の旦那様にも奥様にもなんだか共感できたのです。
    ふたりでこうやって少しずつ変わっていくのっていいよなーっと思う。

    挙げなかった残り3編は女性が読んだらまた違う感想になるかも。
    男性視点ではいまいち共感も楽しむこともできませんでした。

  • 海を舞台に6篇の短編からなる1冊

    〜海風〜

    ひょんなことで彼氏とけんかをし、家を飛び出してしまう主人公、茜
    彼氏は、追いかけてきたり、電話してくるのかと携帯を何度も見るが連絡はない・・

    電車は、どんどん進み、子供のころ遊びに行った海辺で民宿を経営していた叔父夫婦の最寄駅に・・

    歩きながら、場所を探すと海が見えてきて・・・

    いつの間にか民宿はラブホに代わっていた・・

    茜は、駆け落ち同然に家を飛び出し、今の彼氏と同棲をしていることを、叔父夫婦も知っており・・

    茜は自分の心を見透かされたかのように感じてしまう。

    しかし、ホテルで働きながら、いろいろなことを学び、勝手に女にお金を貸した勇一からその分の

    入金がある・・結局女に騙され、お金は帰ってこなかった、勇一は失ったお金を嫉視で働き、

    茜にかえす・・

    二人の距離が時間が戻り始める。。。

    他5編

    海に行きたくなる1冊


  • いちばん最後のお話が好きだけど、どれもいい。

  • 海辺の街を舞台にした6つの連作短編集。
    一番最後に収録された表題作が一番よかった。

  • 大きな不満はないけれどなんだかなぁっていう気分のとき、分かち合えるような主人公たちに安心する。
    ただ「笑う光」「海のせい」は読んでいて気持ち悪くなってしまった。
    それ以外は大好きです。

  • それぞれの短編集と海の様々な一面をマッチさせた、とても面白い作品だった。少し人間の歪んだ一面も描かれていて、興味深かった。

著者プロフィール

飛鳥井 千砂(あすかい ちさ)
1979年生まれの小説家。北海道生まれ、愛知県稲沢市育ち、神奈川県在住。
2005年『はるがいったら』で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2011年刊行の文庫『タイニー・タイニー・ハッピー』が20万部のベストセラーとなる。他の代表作に『アシンメトリー』『君は素知らぬ顔で』『UNTITLED』『鏡よ、鏡』『女の子は、明日も。』『そのバケツでは水がくめない』など。

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