- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087450217
作品紹介・あらすじ
同棲していた彼氏とケンカして、家出した茜。民宿を経営する叔父夫婦のもとに転がり込むが、そこはラブホテルに替わっていて…(「海風」)。結婚して10年。ずっとうまくいっていた妻との間に、大きな悩みを抱えてしまった航。久しぶりに戻った故郷で、昔傷つけてしまった女性と再会し-(表題作)。海辺の街を舞台に、人生に迷い立ち止まる6人の男女の再生を描く、ほろ苦くも心温まる小説集。
感想・レビュー・書評
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海にまつわる短編集。
6人の男女の再生が描かれた、ほろ苦くも温かなお話。
読み終えたとき、大切な人と海を見に行きたいな、と思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
海(鎌倉?)を舞台にした短編集。
哀しいけど落ち着いてて、しんみり読めた。
みんなどうにもできない悩みを抱えてて、その中でも小さな希望を見つけて生きる。
読んでるうちに励まされる小説だった。 -
海辺にふさわしく、さわやかに、でも切ない話でまとめられた連作短編です。
旅立ちの時期にもぴったりかもしれません。海を見に行きたくなりました。 -
水色と白緑
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何が面白いのか言葉にできないけど、ストレスなく読めて面白かった。
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海を軸にした短編集。表題作よかったああああ!!!あと「海風」!あと「キラキラ」!「海風」は最初主人公に「何だこの甘ったれたクソガキ」とイラッとしたけど、最後よかった。「笑う光」と「海のせい」は、その、まあ…全然共感できんかったけど。振れ幅がすごい。色んなスタイルの話が書けるのすごいなあと思う。「キラキラ」がもう甘酸っぱくて最高。表題作は悲しい話だけど好きです。生きててよかった、って思うのが辛いって悲しい。最高。苦しみながら生きてる姿が好き。
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同じ海の街が舞台で繋がった短編集です。ゆるやかに連作となっています。6作品あり、基本は恋愛小説な感じですが、最後の表題作が家族の物語で胸がじわっと熱くなりました。どのお話も良いです。
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海を舞台に6篇の短編からなる1冊
〜海風〜
ひょんなことで彼氏とけんかをし、家を飛び出してしまう主人公、茜
彼氏は、追いかけてきたり、電話してくるのかと携帯を何度も見るが連絡はない・・
電車は、どんどん進み、子供のころ遊びに行った海辺で民宿を経営していた叔父夫婦の最寄駅に・・
歩きながら、場所を探すと海が見えてきて・・・
いつの間にか民宿はラブホに代わっていた・・
茜は、駆け落ち同然に家を飛び出し、今の彼氏と同棲をしていることを、叔父夫婦も知っており・・
茜は自分の心を見透かされたかのように感じてしまう。
しかし、ホテルで働きながら、いろいろなことを学び、勝手に女にお金を貸した勇一からその分の
入金がある・・結局女に騙され、お金は帰ってこなかった、勇一は失ったお金を嫉視で働き、
茜にかえす・・
二人の距離が時間が戻り始める。。。
他5編
海に行きたくなる1冊 -
いちばん最後のお話が好きだけど、どれもいい。
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海辺で育った人の人生には良い時も悪い時も故郷の海が影響を与えている、といった感じの短編集。
自分自身もかつては魚釣りに夢中になり、大学で海洋学を専攻するほど海が好きだったので、身近に海の存在を感じながら送る人生に憧れます。
いつか海の近くに住めたらいいな。 -
後半の三作がとてもよかった。
「海のせい」
同棲カップルのすれ違い、別れを決めて切り出そうとしているけれど、タイミングがつかめず切り出せない彼女。
微妙な分かり合えなさからもどかしくなったり、本当にこのまま付き合い続けていいのだろうか?と揺れ動く気持ちが、すごく絶妙に書かれていると思う。
別れようと決めたのに、いいところもあると考えたり、過去の思い出がよぎって結局別れられなかったり。。。。
怜子はこの先も同じことで悩んで、二人は上手く行かなくなるきがするけれど・・・
「小さな生き物」
結婚や子供についての価値観が対象的な考えの幼馴染三人組。
子供ができたかもしれない、けどまだそれを受け入れることができない葛藤。
結局妊娠ではなかった、と分かったときのもやっとした気持ち。
台詞の一つ一つがリアルなものばかりだった。
結婚とか出産とかすごいな、踏み切れる勇気もないな、と思うところがあるので電車のシーンはヒヤッとした。
「海を見に行こう」
夫婦と親子の、愛情を垣間見た。
ラストはすこしドラマティックでくさい感じだったけれど、こんな優しい家庭もあるんだな、とホロッとした。 -
海辺の街を舞台にした6つの話
どれも迷ったり悩んだり少し切ない話
「海風」「キラキラ」「海を見に行こう」は
良かったねーと、ほっこり出来る話
「笑う光」はモヤモヤが残ってしまう後味の悪い印象
「海のせい」は仕事がつづかない気分屋で調子の良い無職の彼
親友にも別れた方がいいと…
別れる決心をするが…
うーん…これもまたモヤモヤだけが残った話 -
海辺の街を舞台にした6つの連作短編集。
一番最後に収録された表題作が一番よかった。 -
2015/12/10読了
人間、特に日常的に海に面していない者からすると、海にたどり着いたときやその香りをかいだ時になんだか言いようも無い高揚感を覚えることが時たまある。
ゆえに「海」という単語は不思議なもので、つい引き寄せられるものでもある。
そういうわけでこの本はタイトル買いであった。
恐らく同じ町なのか、新しい町だったり古い町 ないし、ふるさとだったりする「海のある町」
海の香り、その記憶。
物語としては大事件などは無いけれども、人生の中でふと立ち止まる瞬間のそばに、「海」がある という光景。
やわらかくて小さなお話でした。 -
東京から電車で1時間くらいの海辺の街(鎌倉か藤沢か、そのあたり?)を舞台にした短編集。
向こう見ずな若い女性がラブホテルで働くことになる話でびっくりし、中学生のかわいらしい揺れる想いにきゅんとなり、表題作でじーんとしてしまった。喜怒哀楽、いろいろな人たちのさまざまなストーリーが展開しているけど、海はいつだってざぶんざぶんと泰然としている・・・
人間ってちっぽけな存在だなぁ。 -
鎌倉を舞台に(鎌倉とは出てこないけど静御前が踊る話や富士山麓が出てくるから多分)人生に立ち止まる男女6人の短編集。6人がそれぞれ関わるということではないがそれぞれ主人公が悩み、もがいているのが現代人ぽかった。主人公が自暴自棄っぽく終わる「笑う光」や、別れようと思ってた彼氏と結局別れない選択をした「海のせい」は読んだ後の後味がうーん…モヤモヤする感じなので星3です。
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大きな不満はないけれどなんだかなぁっていう気分のとき、分かち合えるような主人公たちに安心する。
ただ「笑う光」「海のせい」は読んでいて気持ち悪くなってしまった。
それ以外は大好きです。