海を見に行こう (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.24
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本棚登録 : 933
レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450217

作品紹介・あらすじ

同棲していた彼氏とケンカして、家出した茜。民宿を経営する叔父夫婦のもとに転がり込むが、そこはラブホテルに替わっていて…(「海風」)。結婚して10年。ずっとうまくいっていた妻との間に、大きな悩みを抱えてしまった航。久しぶりに戻った故郷で、昔傷つけてしまった女性と再会し-(表題作)。海辺の街を舞台に、人生に迷い立ち止まる6人の男女の再生を描く、ほろ苦くも心温まる小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 鎌倉が舞台の短編集。デビュー作の「はるがいったら」を読んでからいつもふわっと心地よく物語に引き込まれるのでほとんどの作品を読んでいます。表題作は家族小説で良かったけれど、私は「キラキラ」が一番好きでした。

  • kamosigiさんに薦められて読んだ「アシンメトリー」の印象が深くて、
    文庫書き下ろしで紹介されていたこちらを読んでみました。

    「海」が見えるある街を舞台に繰り広げられる6つのストーリー。

    最後の「海を見に行こう」を読んだとき、最終的にこの1冊にぐっと引きこまれて☆☆☆☆。

    個人的には「笑う光」に登場する有希のイメージを、なぜか麻生久美子で読み進めている自分がいた。34歳という年齢が具体的に出てきたからなのか、とくに意味はないけど。

  • 同じ海の街が舞台で繋がった短編集です。ゆるやかに連作となっています。6作品あり、基本は恋愛小説な感じですが、最後の表題作が家族の物語で胸がじわっと熱くなりました。どのお話も良いです。

  • ★3.5

    同じ海辺の街を舞台にした人生に迷い立ち止まる人々の6つの連作短編集。
    ・海風
     同棲していた彼と喧嘩して叔父叔母が経営してた民宿へ行くがラブホテルに変わっていた…。
    ・キラキラ
     隣の席の小橋君が気になっている女の子…。
    ・笑う光
     宅配会社の転勤で海辺の街にやって来た圭介。宅配先で昔の彼女に再会する…。
    ・海のせい
     同棲している尚人と怜子。ドライブしながら怜子は別れを切り出そうと決意しているが…。
    ・小さな生き物
     結婚して3年。まだ子供を作る勇気を持てない亜美…。
    ・海を見に行こう
     久々に海辺の街に帰省した航。妻との間に大きなわだかまりがあり…。

    東京から電車で数時間。いつも観光客に溢れ海と山があり故郷がここだと言うと羨ましがられる。
    舞台になってる海辺の街ってどこだろう…鎌倉かなぁって想像しながら読みました。
    連作短編集と言っても、同じ海辺の街を舞台にしているって事で、
    一話一話の登場人物に繫がりが無く、
    いつも飛鳥井さんが描く、生き辛い人や痛い人や弱い人が登場するのではなく、
    年齢も10代からお年寄りまで様々で、生き方も様々だけど普通に暮らしている人の
    6人の男女やその周りの人が苦悩から再生している姿が描かれていた。
    様々な感情が湧いて、それぞれの人々が前に向かって進んでゆく姿は良かったって思った。
    でも、飛鳥井さんが大好きで、ワクワクして読み始めたので、少し物足りなかった(ノω<。)
    しかし、人の心のデリケートな部分を描くのがとっても繊細で秀逸な飛鳥井さん。
    表題の「海を見に行こう」は、とっても良かったです。ウルッとしました。
    文中に「海は、ときどきこうやって教えてくれる。世界には沢山の哀しみが溢れているけれど、
    でも同時に、こんなにも美しくて愛おしい景色もあるんだということを」
    海をゆっくり、眺めに行きたくなりました♪
    家族の関係は濃密だからこそ、切なかったり厄介だったりする。でもとっても愛おしい

  • *同棲中の彼氏と大喧嘩して家出した女の子。妻との間に大きな悩みを抱え、故郷に戻った青年・・・海辺の街を舞台に、人生に迷い立ち止まる6人の男女の再生を描く、ほろ苦くも温かい小説集*
    ありふれた、よくある男女のすれ違いのお話なのに、海の表情が絡まっているせいか、様々な感情が入れ替わり立ち代わり。うまいなあ。読者の想像に任せたような、ふわりとしたラストもなかなか。

  • 少し力足らず

  • スピッツしか出てこない!笑
    ちょっと舐めていたかも。面白かったです。最後の話が一番良かったです!

  • 日経のエンジョイ読書で見て、鎌倉が舞台で近所であり、軽く忙しい時に気分転換に読むのには最適だと思い、書店で購入。
    具体的に鎌倉だと明示しているわけではないが、あの道とか、あの店とかi近隣に住む者としてよくわかる。特に電車の中で読んでいた時、横須賀線に東京から鎌倉に向かう場面があり、リアルにまさにここのことを言っているんだということもわかってリアル感があった。
    小説として、6つのストーリーからなる、短編集に見えるが、ひとつひとつが繋がっていて面白い。いわゆる青春モノではあるが、50代が読んでも楽しめた。

  • 飛鳥井さんの作品とマンガ家による装丁、相性いいですね。本書も、いくえみ綾さんのイラストが作品の雰囲気に沿っていて素敵でした。
    「海」が舞台ということだが、ただ爽やかなだけじゃないところがいい。自分も海の近くで生まれ育ったのでよくわかるのだけど、潮の匂いに時々嫌悪感を感じたり、観光客にもてはやされる景観を当たり前の風景として育っているため、大してありがたみを感じなかったり。そんな、ちょっとネガティブな感情も率直に描いているところに好感が持てた。
    6編の短編のうち2編は書き下ろしとのことだが、やはり他の4編に比べて、力量の差を感じました。明らかに、うまくなってる!さすがです。特に、ラストの表題作は秀逸な家族小説。私のように海の近くに故郷がある人には、少なからず主人公の航に思いを重ねる部分があるのではないだろうか。
    飛鳥井さんの連作短編が好きなのだが、思ったより「連作」ってほどではなかった。でも、よくよく読んでると、隠れキャラ的に他の作品の登場人物が現れて、もしやこれはあの?という発見はちょっと嬉しかった。
    次回はがっつり「連作」短編な作品も読みたいかな。

  • 海辺の町に住む人、やってきた人、帰ってきた人の物語を集めた短編集。
    全6編。

    男性が主人公のふたつ『笑う光』『海を見に行こう』が良かったけど、
    一番は『小さな生き物』かなぁ。

    まだ子供を持つつもりはない夫婦の奥様が主人公のお話。
    田舎に戻って子育てを始めた友達の元へ遊びに行く日になって
    生理がきていないことに気づき、戸惑う主人公。
    同行した別の友達との道中の会話や、途中でかかって来た旦那からの
    電話で少しずつ考え方が変わってくるのだが・・・


    結婚もしていないし、それどころか彼女すらいない私ですが、
    このお話の旦那様にも奥様にもなんだか共感できたのです。
    ふたりでこうやって少しずつ変わっていくのっていいよなーっと思う。

    挙げなかった残り3編は女性が読んだらまた違う感想になるかも。
    男性視点ではいまいち共感も楽しむこともできませんでした。

  • 飛鳥井さんの小説で始めて短編集を読みました。
    私は短編より、中身がごってりと詰まってる長編の方が好きなのですが、さすが飛鳥井さんの、お話。
    短編6作品とも全部味があって詰まった内容で感動して泣きそうでした。
    本当に飛鳥井さんの作品大好きです!

  • 海を軸にした短編集。表題作よかったああああ!!!あと「海風」!あと「キラキラ」!「海風」は最初主人公に「何だこの甘ったれたクソガキ」とイラッとしたけど、最後よかった。「笑う光」と「海のせい」は、その、まあ…全然共感できんかったけど。振れ幅がすごい。色んなスタイルの話が書けるのすごいなあと思う。「キラキラ」がもう甘酸っぱくて最高。表題作は悲しい話だけど好きです。生きててよかった、って思うのが辛いって悲しい。最高。苦しみながら生きてる姿が好き。

  • 海を舞台に6篇の短編からなる1冊

    〜海風〜

    ひょんなことで彼氏とけんかをし、家を飛び出してしまう主人公、茜
    彼氏は、追いかけてきたり、電話してくるのかと携帯を何度も見るが連絡はない・・

    電車は、どんどん進み、子供のころ遊びに行った海辺で民宿を経営していた叔父夫婦の最寄駅に・・

    歩きながら、場所を探すと海が見えてきて・・・

    いつの間にか民宿はラブホに代わっていた・・

    茜は、駆け落ち同然に家を飛び出し、今の彼氏と同棲をしていることを、叔父夫婦も知っており・・

    茜は自分の心を見透かされたかのように感じてしまう。

    しかし、ホテルで働きながら、いろいろなことを学び、勝手に女にお金を貸した勇一からその分の

    入金がある・・結局女に騙され、お金は帰ってこなかった、勇一は失ったお金を嫉視で働き、

    茜にかえす・・

    二人の距離が時間が戻り始める。。。

    他5編

    海に行きたくなる1冊


  • いちばん最後のお話が好きだけど、どれもいい。

  • 海辺で育った人の人生には良い時も悪い時も故郷の海が影響を与えている、といった感じの短編集。
    自分自身もかつては魚釣りに夢中になり、大学で海洋学を専攻するほど海が好きだったので、身近に海の存在を感じながら送る人生に憧れます。
    いつか海の近くに住めたらいいな。

  • 短篇集。

    「海風」
    先の事まで深く考えずに行動し、それを叱ってくれる家族に反発して駆け落ち同然で暮らし始めた男に家賃を他の女の子に貸されてしまい、怒って家出する人の話。
    思慮に欠ける行動と甘ったれた考えの主人公にイライラする。
    なんで反対されるのか、咎められたのか、ちゃんと考えないところが好きになれず。
    あまり読んでいて楽しい物語ではなかった。

    「キラキラ」
    高飛びをしてる中学生の話。
    気になる男の子がいるけど、色々自覚が無いというか、認めない感じが初々しくて可愛らしかった。

    「笑う光」
    不倫していた女性と再会した男の話。
    不倫してるけど自分と同じように相手も想ってくれてる、というのが思い込みだった事が怖かった。
    夫と不仲で「淋しそうな笑顔」と思っていたのが実は自分に対して「困ったやつ」と思われての笑顔だったなんて怖すぎる。
    気持ち次第で同じ出来事の見え方がこうも違うのか、と思わせる話は面白かったけど、後味の悪い話だった。

    「海のせい」
    ダメ男と別れられない女の話。
    イライラした。

    「小さな生き物」
    子供が欲しいと思えない女が、妊娠したかもしれない状況の中、子供が産まれた友人のところに遊びに行く話。
    子育てって大変な事で、頭で考えてると出来ないよ!と思ってしまうけど、やってる人を見ると「出来るじゃなくて、出来てた」なんだなぁ、と私も思う。
    最後、子供を持つことに対して前向きに考えが変わったみたいな終わり方で良かったです。

    「海を見に行こう」
    何かあって、急に実家に帰ってきた男の話。
    なんで実家に帰って来たのか、何があったのかが徐々に分かり、それまでなかなか話が見えなくてモヤモヤした。
    父親が素敵だった。

  • 嫌いじゃない。この人の作品は表紙のせいか内容が薄そうに見えるけど、柔らかい後味は文学作品的なものを感じる。

  • 後半の三作がとてもよかった。
    「海のせい」
    同棲カップルのすれ違い、別れを決めて切り出そうとしているけれど、タイミングがつかめず切り出せない彼女。
    微妙な分かり合えなさからもどかしくなったり、本当にこのまま付き合い続けていいのだろうか?と揺れ動く気持ちが、すごく絶妙に書かれていると思う。
    別れようと決めたのに、いいところもあると考えたり、過去の思い出がよぎって結局別れられなかったり。。。。
    怜子はこの先も同じことで悩んで、二人は上手く行かなくなるきがするけれど・・・

    「小さな生き物」
    結婚や子供についての価値観が対象的な考えの幼馴染三人組。
    子供ができたかもしれない、けどまだそれを受け入れることができない葛藤。
    結局妊娠ではなかった、と分かったときのもやっとした気持ち。
    台詞の一つ一つがリアルなものばかりだった。
    結婚とか出産とかすごいな、踏み切れる勇気もないな、と思うところがあるので電車のシーンはヒヤッとした。

    「海を見に行こう」
    夫婦と親子の、愛情を垣間見た。
    ラストはすこしドラマティックでくさい感じだったけれど、こんな優しい家庭もあるんだな、とホロッとした。

  • 海辺の街を舞台にした6つの話

    どれも迷ったり悩んだり少し切ない話

    「海風」「キラキラ」「海を見に行こう」は
    良かったねーと、ほっこり出来る話

    「笑う光」はモヤモヤが残ってしまう後味の悪い印象

    「海のせい」は仕事がつづかない気分屋で調子の良い無職の彼
    親友にも別れた方がいいと…
    別れる決心をするが…
    うーん…これもまたモヤモヤだけが残った話

  • 海辺の街を舞台にした6つの連作短編集。
    一番最後に収録された表題作が一番よかった。

  • 2015/12/10読了

    人間、特に日常的に海に面していない者からすると、海にたどり着いたときやその香りをかいだ時になんだか言いようも無い高揚感を覚えることが時たまある。
    ゆえに「海」という単語は不思議なもので、つい引き寄せられるものでもある。

    そういうわけでこの本はタイトル買いであった。

    恐らく同じ町なのか、新しい町だったり古い町 ないし、ふるさとだったりする「海のある町」
    海の香り、その記憶。

    物語としては大事件などは無いけれども、人生の中でふと立ち止まる瞬間のそばに、「海」がある という光景。
    やわらかくて小さなお話でした。

  • 東京から電車で1時間くらいの海辺の街(鎌倉か藤沢か、そのあたり?)を舞台にした短編集。
    向こう見ずな若い女性がラブホテルで働くことになる話でびっくりし、中学生のかわいらしい揺れる想いにきゅんとなり、表題作でじーんとしてしまった。喜怒哀楽、いろいろな人たちのさまざまなストーリーが展開しているけど、海はいつだってざぶんざぶんと泰然としている・・・
    人間ってちっぽけな存在だなぁ。

  • 鎌倉を舞台に(鎌倉とは出てこないけど静御前が踊る話や富士山麓が出てくるから多分)人生に立ち止まる男女6人の短編集。6人がそれぞれ関わるということではないがそれぞれ主人公が悩み、もがいているのが現代人ぽかった。主人公が自暴自棄っぽく終わる「笑う光」や、別れようと思ってた彼氏と結局別れない選択をした「海のせい」は読んだ後の後味がうーん…モヤモヤする感じなので星3です。

  • 大きな不満はないけれどなんだかなぁっていう気分のとき、分かち合えるような主人公たちに安心する。
    ただ「笑う光」「海のせい」は読んでいて気持ち悪くなってしまった。
    それ以外は大好きです。

  • 海をテーマにした短編集。
    おおむね恋愛話ですかね。
    まぁ、悪くはないですけどどの話も人間の嫌な部分がさりげなく描かれています。第一話の話は、結局主人公が彼氏とどうなったのか知りたいな、と思わせる出来でしたが他は。。。淡々と進んで結局何を描きたいのかよくわからない話もあって。
    可もなく不可もなく

  • タイトルからもっと爽やかな内容を想像していたけれど、カラッとした太陽の下の海ではなく、どんよりした天気の中の海という雰囲気。
    連短編の最後、「海に見に行こう」がすごくグッときて、泣けた。
    わたしも海を見に行きたいなあ。

  • それぞれの短編集と海の様々な一面をマッチさせた、とても面白い作品だった。少し人間の歪んだ一面も描かれていて、興味深かった。

  • 海辺の町を舞台にした小説集。

    印象に残ったのは「海風」と「海を見に行こう」。

    「海を見に行こう」は家族小説であり、家族のかかわり方、夫婦のかかわり方など、奥が深い。家業を継ぐか否か、という問題に直面したことがないため、わからないこともあるものの、漁師の息子が船酔い、かなづちだったら親はがっかりするんだろうな・・・と。それでも、こどもの活躍は親にとっては嬉しいし、こどもが元気に過ごしてくれることが何より安心なんだなと感じさせられた。

    2015.07.27読了

  • 2015.5.5

  • 海をモチーフにした短編集。恋愛小説、青春小説、家族小説と幅が広い。一番好きなのは女子中学生が主人公の爽やかな一編「キラキラ」。「笑う光」と「海のせい」は評価を下げた原因。特に「海のせい」はモラハラDV男と別れられないダメ女の典型のヒロインで救いのない話だった。

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著者プロフィール

飛鳥井 千砂(あすかい ちさ)
1979年生まれの小説家。北海道生まれ、愛知県稲沢市育ち、神奈川県在住。
2005年『はるがいったら』で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2011年刊行の文庫『タイニー・タイニー・ハッピー』が20万部のベストセラーとなる。他の代表作に『アシンメトリー』『君は素知らぬ顔で』『UNTITLED』『鏡よ、鏡』『女の子は、明日も。』『そのバケツでは水がくめない』など。

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