インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日 (集英社文庫(日本))
- 集英社 (2013年1月18日発売)
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感想 : 82件
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784087450293
作品紹介・あらすじ
世界各地の生活に根付く“小さな声"を求めて
貧困、紛争、汚染、疫病。まことしやかに語られる世界は、本当は一体どんな姿をしているのか。自らの目で確かめるべく26歳の著者は2年間、47カ国にわたる旅に出た。第7回開高健ノンフィクション賞受賞作。
みんなの感想まとめ
多様な文化や人々との出会いを通じて、真摯に世界を見つめる著者の旅の記録は、684日間にわたる壮大な冒険を描いています。26歳の女性が47カ国を訪れ、貧乏旅行を通じて得た経験は、単なる観光に留まらず、現...
感想・レビュー・書評
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26歳の女性が、アジア・中東・アフリカ・ヨーロッパを684日間、貧乏旅行でまわる。訪問した国数は47カ国。野宿は当たり前で、途中で身体を壊したり、とっても過酷な旅だ。旅行記は、たくさん読んでいるが、女性の旅行記で、ここまで過酷なものは読んだことはない。
文庫本で、だいたい280ページ程度の本だけれども、約50の短い章に分かれている。旅行の記録も書かれているが、彼女自身の感情の動きを示している部分も多い。物事を、とても真っ直ぐに見て、真っ直ぐに書いている。読んでいて、清々しく感じる部分も多かった。
書名の「インパラの朝」は、ケニアでサバンナ旅行に参加した3日目の朝に、一頭のインパラに遭遇した出来事を書いた章の題名でもある。
そこの部分を引用したい。
【引用】
すると、私の眼前に一頭のインパラが現れた。黄金の草地に足を着き、透き通る大気に首を立て、たった一頭でたたずんでいた。インパラは草を食むこともなく、歩きまわることもなく、緊張している様子でもなく、だからと言って気を抜いてくつろいでいるふうでもなかった。誰かに追われることもなく、何かを追いかけることもなく、静かにそこに立っていた。インパラの濡れた美しい目は、周囲のすべてを吸収し、同時に遠い世界を見据え、遙か彼方を見渡していた。
ヴァンは速度を緩めることなく、近くをそのまま走り過ぎた。私は体を乗り出してインパラの姿を追いかけた-そのしなやかな筋肉と悠然としたまなざしを。
【引用終わり】
書名にしているぐらいなので、彼女にとっては、とても印象に残った場面だったのであろう。
周囲のすべてを吸収し、遠い世界をも見据えることができる悠然としたまなざしを持つことを彼女は強く望んだのであろう。
確かに本書は、そのような本だ。
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海外旅行なんてもってのほか!なご時世、せめて旅行記でも読んで…と思って手を伸ばしたのですが、2年近くバックパッカーでアジア~アフリカ~ヨーロッパと旅をする、というレベルが違いすぎる旅で、旅行気分を味わう気分にはとてもなれない1冊でした(笑
ただ、同時に、今の時点では上手く言語化できないのですが、この清冽な湧水のような、飾り気のないのにエネルギーを秘めた文章が、自分の中に地下水脈のように静かに広がって、意識しないうちに影響を受けているような気がしています。
解説を見ると「青少年読書感想文コンクール」の高校の部の課題図書にもなったそうで、確かに若いうちに読んだら面白そう、と思いました。
さて、旅…と言うか旅行は、「一時的な非日常」だと思います。非日常に置かれるからこそ、新たな思索ができる面があると思うのです。
ただ、著者の2年近い旅の中では旅自体が日常化してしまう訳で、それなりに負荷がかかる状況の中でも、ふと行き合うトラブルや人との接触において、著者の真っ直ぐな意思の強さがあらわれていて、ここまで自分を貫き、考えて思いを綴れることには崇敬の念すら感じました。
そんな著者、カリフォルニア大アーバイン校で舞台芸術を学び、26歳でこの旅に出て今はノンフィクション作家というハイスペックながら波乱万丈な経歴。本著の後に政治家との対談や食に関する本も書かれているということで、読んでみようかなと思っています。
本著は300ページもない短い文庫本で、ごく短い文章で旅の中のエピソードを連ねていくスタイル。
どちらかと言うと、貧困国や恵まれない状況にある国(例えばイラン)での出会いにフォーカスされていて、著者の問題意識がそちらに向いていることが感じられます。
比較的裕福?なマレーシアでのエピソードは、旅行者として現地の人から犯罪の片棒を担がされそうになる話で、さて金銭的な裕福さと精神的な幸せは比例するのかどうか…と考えてしまいます。
アフリカに入ってからのエピソードはその思いをより強くするものばかり。アフリカを援助が必要な国、貧しい国として下に見てはいないだろうか。
ちなみに、個人的に印象的だったのは、モーリタニアのトゥアレグの1節。わずか3ページの文章ながら、サハラ砂漠の音のない夜の情景に強く惹きつけられました。
無邪気なコトを言うと、早くコロナ禍が終わって、遠くまで旅に出られるようになってほしい! -
沢木耕太郎さんの紀行小説「深夜特急」を彷彿とさせるノンフィクション。
300頁にも満たないこの1冊に、広大な世界が広がっていた。
異国の文化や国民の気質、それらを著者の目を通して感じたり疑似体験できることが、たまらなくおもしろい!
これだから読書はやめられない。
その国、人の考え方や感じかたによって交わされる会話も違う。
◯◯人というカテゴリーでしか知らない異国に住む生身の一人一人と向き合い、肌でその人の暮らしや思想、体験と向き合えることが、私の目にはとても眩しく映った。
まさに一期一会の世界が広がっていました。
日本にも言えることだけど、その土地の食文化や気候、慣習に身を置いて過ごすのは、想像するだけで楽しそう。
素晴らしい読書体験でした!
沢木耕太郎 著「深夜特急」を初めて読んだのは昔、新卒入社の夏。あの時、「もっと早くこの本に出会ってたら旅に出てたのに…」と思いましたが、こちらの作品もそうかもしれない。
『子供たちは、声には出せない大きな思いと、言葉にできないたくさんの意図を、その小さな体の深いどこかに密かに隠し持っている……そんなふうに感じられた。』
『臆せず抗せず慌てずいれば、地球は勝手に自転を続け、やがてすべてはあるべき場所へと落ち着いていく気がしていた』 -
ほぼ2年間にわたり、若い日本人女性がアジアからアフリカをバックパッカーとして体験した記録である。
バックパッカーという旅行スタイルは、安価で、できるだけ現地とより深くかかわることを目的としたものだと思うが、家畜を運搬するトラックの荷台や長大編成の石炭貨車で移動したり、南京虫に刺されるなど苛烈な体験をしたことにまず驚かされた。また、現地の子どもや大人たちとも深くかかわり、植民地・低開発地域としての歴史が深く人々に影を落としていることも的確に観察しており、その力にも驚かされた。
「日本からきている」=「裕福である、したがって我々に対し援助すべきである」という考え方のアフリカの男たちに対しては、関係は飽くまでも対等であるべきとして、諄々と説得をする筆者の力に感心するとともに、男性たちに深く根付いた劣等感に対する筆者の失望の大きさも感じることができた。
一方では、子どもや女性たちの純粋さと触れ合う場面が多く登場し、緊張を強いられる場面の多いこの作品においても、ほっと息をつくことができる。また、現地の人々に救われる場面もあった。
こうした旅行記は大好きだが、タイプとしては『深夜特急』型で、若者しかできないチャレンジングでかつ(チャレンジングであるからこそ)思索を深めていくタイプの旅行である。通常乗り越えがたいだろうと思われる場面を意志の強さ、粘り強さや機智により克服していく。また、体験の深さに比例して思索も深まり、中村安希さんという人間そのものが現地の人々に飛び込んでいく過程が読んでいて爽快だった。また、旅行全体を記述するのではなく、エピソードの一つひとつを窓から見るようにつなげていくというこの本の構成も効果的だった。体験もさることながら、筆者自身の筆力も見事だったと思う。
これまでどちらかというと「おじさんの旅行記」を中心に読んできたが、こうした若くて意思の強い女性の旅行記は初めてであり、体験のさまざまなエピソードを楽しみつつも緊張感をもって読了した。 -
きっかけ:友人のおすすめ
海外にあまり興味がなかったけど、エッセイとして楽しめた。アフリカに行く人の、それでもいく、をなんとなく感じられたのがよかった -
高野秀行さん『謎の独立国家ソマリランド』を本屋さんに受け取りに行ったときに文庫化を知ったので、「アフリカものをもう1作読んでみよう」と手に取りました。
副題のとおり、著者・中村さんのアジアからヨーロッパにわたる長期バックパッカー行の記録エッセイ。26歳のとき、中村さんは冷蔵庫その他の家財一切を売り払い、アパートを引き払って旅に出る。26歳といえば、沢木耕太郎さんが『深夜特急』の旅に出た年齢でもある。26歳は学生からすれば大人だし、大人歴の長くなった者からすれば、まだまだ自分の時間をフルに自分のために使える年齢で、踏ん切りをつけやすい年齢だな、というのはなんとなくわかる。日本的に「ざっと3年(以上)働いたしな…」という言い訳も立つし。
繊細なタッチで、目に入るものと自分の内側を見つめた、とても美しいエッセイ群だと思うものの、『深夜―』や『―ソマリランド』のように、エキサイティングさや洗練、鮮やかさといった部分ではさほど印象に残らなかったというのが、正直なところ。中村さんが意識されているのかいないのかは存じ上げないけれど、たどる大まかなルート(ただしアフリカは沢木さんのルートにはないけれど)と、しだいに物慣れすぎた旅行者に「転落」していく憔悴感も、『深夜特急』で沢木さんがすでに描写ずみのもののように感じた。女性は配偶者が同行していないと入出国できないという国を、偽装結婚めいたテクニックで乗り切る様子は、さすがに大胆ではあるけれど。
思うに、『深夜―』『―ソマリランド』の2作は、それぞれの著者が40代で書いている作品なので、波乱万丈の長旅という事実に、落ち着きや洗練、あるいはスットコといった自分の「味」を存分に発揮して、読者をひきつけることに成功しているんだろうと思う。もちろん、中村さんにもその「味」というのは確かにある。ご自身が日本社会へフィットしないことの苛立ち、でも海外へ出たからといってそこでもフィットしない苛立ちや、途上国の「貧しさ」を勝手に想像して、そのイメージが崩れていくときの焦り…芯に正義感があってすごく正直だと思う。それに、シリアのスークでお世話になったおっさんとの、セクシュアリティ(実はおっさんはホモセクシュアル寄りのバイセクシュアル)をめぐる対話などは、旅情とかそういうこととは別に、人間の内面と社会の仕組みのすり合わせの問題で、そこにも深く入っていける書き手だと思う。でも、ビジネスめいた道のりの手数料をタンザニアで要求されて、「この男は嫌いだ」とあからさまに好き嫌いや怨嗟の問題に持っていくのはどうかと思った。まあ、キャラクターの好き嫌いはあるだろうけど、その手続きはアフリカではデフォルトなんですよ、たぶん(『―ソマリランド』情報)。
決して軽々と書いているわけではなくて、身を削った大変な力作なのはわかるし、この本が知らない世界をのぞいてみるきっかけになった人もたくさんいるだろうとは思うんです、本当に。でもやっぱり私には、『料理の鉄人』のすごさをすでに観てしまってるから、『アイアンシェフ』には食指が動かない、という感じかなあ。読むタイミングと、組み合わせた本が悪かったのかもしれないけど…ちょっとごめんなさい。-
シンさん、お運びありがとうございます。今までどおり、Pipoで結構ですよ(ユーザー名が重複しそうだったので、ちょっといじりました)。
『深...シンさん、お運びありがとうございます。今までどおり、Pipoで結構ですよ(ユーザー名が重複しそうだったので、ちょっといじりました)。
『深夜―』は賭けがきっかけだったのに対し、こちらは少し悲壮感さえ漂う動機かとも思うのですが、真摯で清潔な筆致だと思いますし、内なる正義感や戸惑いが正直に描かれていますので、すごくフレッシュな感覚です。お時間があればぜひどうぞ。
私も、欧米系の雑誌の記事は好きでよく読みます。アフリカ関連などは、彼らのある意味の「当事者」感もあるのか、日本人の各記事よりも突っ込んだものが多いようにも感じます。
たった数行で、のんべんだらり読書だけではなく、のんべんだらりテレビ好きもバレてしまいましたね(笑)。2013/03/14 -
さっそくの御返事ありがとうございます。
ではPipoさんで!
なるほど、フレッシュなんですね。今度本屋に行く時は忘れないように気をつけます(...さっそくの御返事ありがとうございます。
ではPipoさんで!
なるほど、フレッシュなんですね。今度本屋に行く時は忘れないように気をつけます(笑)。
そして高野さんの本、『謎の国ー』じゃなくて『謎の独立国家ー』でしたね。うわ~恥ずかしい。
私もNewsweekやNationalGeographic、それにクーリエジャポンなどは好きです。
日本だとなかなかアフリカに当事者意識持つのは難しいですよね。ヨーロッパは地理的にも近いし元植民地の国も多いし時差もないし、よくも悪くも身近なんでしょうね。
テレビ好きはこちらもです(笑)。私の記憶が確かなら、NHKのBSでやっている「もういちど、日本」 という五分のミニ番組を録りためて ちょびちょび見ているはずです。逆に長いのはあまり見てないかも…。2013/03/15 -
本のタイトルは、私もよく間違いますので(笑)。本屋さんで「『○○』入荷のご連絡をいただいた者ですけど」と言ったら、その『○○』が全然違う、今...本のタイトルは、私もよく間違いますので(笑)。本屋さんで「『○○』入荷のご連絡をいただいた者ですけど」と言ったら、その『○○』が全然違う、今読みたくなった本だった、とか。
テレビ番組は私も、長いスペシャル番組や連続ドラマが苦しくなってきているようで、『世界の車窓から』的な旅行番組やドキュメンタリーを見ながら、「これが出てくる本、探そう」ときょろきょろしてばかりです。2013/03/15
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こころが大きく揺さぶられる一冊。すべてが生々しく、リアル。読み終わるとどっと疲れが出るくらい、内容も文体もパワフル。
自分の足で旅をして、自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分のこころで感じることの大切さを思い出させてくれる。 -
久々に旅行記が読みたくなって、手に取った本。
最初は、やけに淡々と書く人だなあ。なんて感じたが読み進めていくにつれて、この著者の性格が率直で、なかなかの切れ者なんだと気づいた(良い意味で)
根性と体力、精神面においても非常にタフ。
相手が誰であろうと、主張するべき時はしっかり主張する。
だからこそ、この過酷すぎる旅を成し遂げる事が出来たんだろう。
そして、この本では特に中東〜アフリカ地域に関しての現実と理論が大きくかけ離れている事を初めて知った。
私は中東やアフリカ地域に関しては、ニュースやネットで得た情報、もしくは学生時代に社会科で勉強した事がほぼそのままだと思っていた。
けれど、この本の中ではこれまでの意識をガラリと変える出来事の連続だった。
ネットやテレビが伝えられない、人々の表情、優しさ、おもてなし。。。
テレビやネットでは伝えられていない、現実、問題。。。
あたかも当然のように伝えられている情報は、実はその何十分の一でしかない。
本当の事は、実際に行って確かめてみないと何も分かりはしない。
私はこの本を読んで本当に、良かったと改めて感じる。
著者のフィルターを通してではあるが、著者の言う”騒音”から少しだけ離れることができたからだ。
ぜひ、できるだけ多くの人に読んでもらいたい一冊。 -
これほどまでに過酷な旅をした女性がいることを知り驚いた。自由という言葉が似合う女性だと思った。自分には絶対無理、と思うことでも、彼女のように現地の文化を受け入れ、どこへいってもありのままの自分を出せる姿はうらやましくも感じた。
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久々にこれぞ「旅」と感じさせてくれる話だった。
アフリカでの体験が多く書かれていて、人々の温かさや悪質な部分、貧困の実態について、リアルな姿を感じることが出来た。私もアフリカに行ったことあるので想像しやすく、
初対面の外国人でも家に招待されるエピソードも多々あり、日本では起こらないような体験が新鮮だった。女性一人では入国できない場合も、見せかけ上の結婚をするなど、芯が強い人だと感じた。
日本に生活していると安定を求めすぎてしまうきらいがあるので、定期的に旅をすることが自分にとっては必要だと思った。 -
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開高健ノンフィクション賞。中国~東南、中央アジア、イスラム圏、アフリカと、身一つで現地に溶け込んで旅をしていく著者。
危険といわれるイスラム各国での親切な人々、アフリカで非黒人であるために要求される数々のこと、また、貧しいから助けてもらうことに慣れて何もしない誇りを失った人たちへの厳しい目。哲学的というか、とてもいろんなことを感じ考えながら旅をしている。
日本から見れば経済的には貧しくても、食べ物には困らず彼らの基準の中で上を目指し幸せになろうとする人々の生活・・・それが、国際援助という名の欧米文明の侵入で壊されかねない現実がある。本当はいらない道路を作ったり、効率がいいから、輸出できるからと現地に合わない作物を作ったり。そうすることで失われるものがある。
援助、ということに著者は厳しい目を向ける。国連安保理で理事国になるポイント稼ぎをさせられているだけで、長期の展望なんかないと無力感にとらわれる組織の人々がいる。なにが本当の支援なのか。データだけではわからないことがあると、まざまざと見せつけられる。 -
各国での印象に残った出来事を繋いで行くスタイル。答えがない、唐突なエピソードも多いので初め慣れるまで戸惑った。旅をつらつら書いた旅行記かと思ってた。
精神性の豊かさと貧しさについて考える。わたしも自分の哲学をもっていたい。
こういった旅をなぜするのか。特に危険地域だったり、国際援助も偽善やバランスなど考えると、何が正解か、何が個人にできるかはもとより、個人の数週、数ヶ月の体験で目に見えることも限られている。例えば"日本"という章があって、どのような1つのエピソードが相応しい?それに対しての筆者の考えがこの本に残されているのは読む価値があると思われる。先日テレビでみた、沢木光太郎の自由に対しての考えと多少重なる部分を感じた。言葉だけを取ると、現地で乗り物の手段を使いこなすことが自由にどう繋がるのか、と言う気がするが、その奥のいいたいことはなんとなくわかる気がする。言葉にするのはとても難しい。
2022.1.18 -
2年近くに渡るユーラシア大陸、アフリカ大陸の旅をした記録をかなりの駆け足でダイジェストした本です。シニカルで勢いのある文章で、旅の一部を鋭角に切り取って放り出すような雰囲気で非常にかっこいいです。柔らかい旅行記に比べると埃臭さや土っぽい香りがプンプンして息苦しいほどであります。
世界と自分との境界線をどこで引くのかで、見えてくる世界が全く違うんだなあとしみじみ思う本でした。実は最初あまり共感できない状態で読み進めていたのですが、良く考えたら共感も感情移入も必要が無い、究極の個人主義の集合体としての集まり、それがもしかしたら本来の世界との関わり方なのかなと。そんなことを思いました。 -
こんな旅、ワタシにはぜったいムリだけど!
でも旅に出たい気持ちに駆られる本。 -
時間をかけてゆっくりゆっくり、旅をするように読みました。
本の醍醐味である疑似体験と学びがたくさんできます!
著者の足元にも及びませんが、視野が少し広くなったように思います。 -
著者が、ユーラシア・アフリカを2年間旅した記憶を綴った旅行記です。
冒頭に書かれているとおり、小さい声に耳を傾ける、というスタンスが旅の間中、貫かれています。
実際にその地に行ってみないと本当にはわからない貧困や、政治、国のあり方、旅先で出会った人との関わりなどが淡々とした文体で描かれています。
印象に残ったエピソードだけが書かれているので、始めは一つ一つの話がぶつ切りになっているように感じましたが、読み終えてみると、返ってイメージとして鮮明に残るような気がしました。
自分の知らない世界について考えさせられる一冊です。
2013.03.09 -
旅行記だが、スケールがでかい。本当にこんな旅行できるのか?と思うほど。またいろいろな国々での出会いやエピソードが面白いが、なんでこの筆者のまわりにこんなことが起きるんだろう、とうらやましくなる。きっと行動力が違うのだろう。視点もおもしろく、特に旅の終盤で述べている哲学的な部分は集大成のようでおもしろかった。
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〔善意とプライド〕の章が印象的だった。「ひとびとの小さな声に耳を傾けるー。」その言葉通り、訪れた土地での人とのかかわりが描かれる。旅行記としては沢木耕太郎の『深夜特急』ほどのドキドキ感はなかった。章ごとに途切れた印象があり、2年間の旅のつながりを感じにくかった。
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2013/02/22
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2012年13冊目。
ユーラシア・アフリカを2年間旅した日本人女性の記録。
見聞きし、体験した数々の物語への視点は、ウェットというよりはドライ。
素直、率直に心情が綴られている。
そんな著者だからこそ、「思いやり」「助け合い」などのあたたかい描写が現れると、心に響く。
一つの国につき短編一つ、くらいのペースで書かれているのが読みやすい。
その一つひとつの物語には、異国を旅するスリルや、おもてなしを受けるあたたかさがあふれている。
旅欲のあるときに読むと、ダメ押しされる本・・・ -
読友さんからお借りした本。 著者の危機管理大丈夫?って思う箇所があったけど、国際協力のあり方を考えさせられました。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
中村安希の作品
