オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ (6) 東京バンドワゴン (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2013年4月19日発売)
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レビュー : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450569

作品紹介・あらすじ

堀田家に春がきた。勘一のひ孫たちも大きくなり、にぎやかな毎日を送っている。そんなある日、一家にとって大切な人の体調が思わしくないことが分かり…。大人気シリーズ第6弾!(解説/田口幹人)

感想・レビュー・書評

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  • 東京・下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」
    この店とカフェを営む大家族の堀田家に持ち込まれる謎の数々をご近所さんや店の常連さんとともに解明していく人気シリーズ、第6弾。
    堀田家の1年を、春夏秋冬と四季を通して描いていく。

    春には、
    店の前に本棚の上にそっと置かれたりんごが・・・。
    ただのいたずらか、それとも何かのメッセージなのか?また、健人くんがその友人・光輝くんと起こしたといういさかいに堀田家の大人たちは納得できず・・・。

    小さな恋にまつわる友情と、大人達が子ども達を信じてきちんと見守る覚悟にどきりとするものがある。
    大人は子どもたちを指図したり叱ったりして、指導という名のもとに自分たちの意に沿ったものにしようとするけれど、根本は生きていくために必要な厳しさと人と共に生きていける優しさを身を持って伝えていくことが大切なんだよね。つい忘れちゃうけど・・・。
    背中で教えるのは、職人さんや親父だけでなく
    すべての大人の背中を子どもたちはしっかり見ていますよね。

    夏には、
    我南人さんの後輩、風一郎さんの家族への愛を。
    秋には、
    何やら屈強な男が店の周りに・・・。マリアさんの妹の幸子さんも登場して、続けて読んでいる読者には、「ああ、あのときの・・・。」と遠い親戚に会ったような懐かしさが。
    冬には、
    藤島さんの秘密を厳しくも温かく見守ってくれる勘一さんに、じーんとなって。

    どの話も、スケールの点では身近に起こるとは言い難いけれど、似たようなことはあるかもしれないなあと思ったりする。
    人の話をしっかり聞かずに早とちりしたり、人を妬んだり、出来心とはいえずるいことをしたり。
    大切な人との別れや人一倍辛いことに出会えば、どっぷりつかってその中にいることに慣れてしまい、立ち上がり一歩前進する勇気が持てなくなってしまったり。

    それを機知に富んだ言葉で諌めてくれ、そっと背中を押して力づけてくれ、弱いところさえも認めてくれる。
    勘一さんを始め、登場人物たちは誰もがやさしく温かい。そしてしゃんとしている。

    季節の彩りにあふれる毎日の食卓やちょっと贅沢な手の込んだ料理を出してくれる小料理屋「はる」さん。

    情に厚く、知恵があり、食の楽しみもあって、前を向いて歩いていける。
    これまた大好きな「みおつくしシリーズ」にも、似ていましたね。

    人は弱いですから、いろいろ間違いも起こしますよ。<中略>でも、それに囚われていては生きてる甲斐がなくなってしまいます。<中略>しっかりと自分の足で歩いて行くことですよ。周りの人に支えられてでも、それが恥ずかしくても、自分が情けなくても、歩いていかなきゃならないんです。(P209)

    サチさん、確かにその通りです!

    しっかりと毎日を過ごしていきましょう。それができれば、それだけで十分なんですよ。(P277)

    1日1日が大切なんですよね。
    その1日を作っているのは、働くこと、食べること、話すこと、笑うこと、かしら。

    「むしろ長生きしてよ、孫や曾孫の、おめぇたちに届ける土産話を仕入れたくなってきたぜ」(P352)

    はい。勘一さんたっぷり長生きして、私たちにも楽しい話をたくさん聞かせてください!!

  • 大好きな東京バンドワゴンシリーズ・第6弾。
    ですが・・・
    第5弾までに堀田家の人々に起こった事件の数々を説明しながら進められる導入部分がまどろっこしくて・・・
    でも、これがないと前作までを読んでいない人にはしんどいのか・・・?
    それでもやっぱり大好きな東京バンドワゴン。
    楽しみながら読みました。

    昨年、ドラマ化された際には大層楽しみにしていたのですが・・・
    東京バンドワゴン好きの私としては長年、頭の中で描いてきた堀田家の人々のイメージがどうしてもドラマのキャスティングと一致せず、途中でドラマを観るのを止めてしまいました。
    当初、我南人を玉置浩二さんが演じるの???と思っていたのに、ドラマが始まってみれば、他の誰よりもぴったりのキャストだったような気がしています(笑)。

  • 辛いことはたくさんあるけれど、一つ一つ整理して荷物を下ろして生きていくことが大事なんだなと思った。

  • これ程の家族の成長物語を日本の小説で読んだ記憶が無い。
    海外では名作が多い。ディケンズやマンにゲーテ、アメリカの作家などユーモアたっぷりに家族の喜怒哀楽を、表情豊に書き繋げる素晴らしい作品を読むことが出来る。
    しかも大人の嫌らしさを描写している部分も、陰湿になり勝ちな日本の文学の悪習に染まらずに、むしろ子供目線にも気配りがされて、それでいてシッカリと寓話化されて、成長物語になっている。
    ユーモアが底辺に味わいを添えて、気持ち良く読める。
    まれにみる素敵な物語に魅了されて至福の時間を過ごせますね。

  • 東京バンドワゴンシリーズも6冊目
    あいも変わらず賑やかな朝食風景や
    堀田家の小さな庭の四季折々の風景。
    お馴染みの面々。
    ただ、いつもと同じでないのは子供たちの成長
    鈴花ちゃんとかんなちゃんは2歳になり、研人は中学生!
    花陽は受験生だもんなぁ。

    そんな堀田家におこるちょっとしたミステリー

    店の前のワゴンに置かれた林檎。
    仲の良かった光輝君を研人が泣かせたという連絡。
    友情と恋バナなのか? 勘一のお説教も炸裂する
    「春 林檎可愛やすっぱいか」

    青が映画出演! 我南人の曲が盗作された?
    「夏 歌は世につれどうにかなるさ」

    久しぶりに訪れた木嶋。なんだか東京バンドワゴンの
    周りに怪しげな奴がうろついているとか・・・
    そんな中屈強な黒服男に囲まれた老婦人が現れる
    「秋:振り向けば男心に秋の空」

    藤島社長にストーカー?
    それも女性と男性一人ずつ・・・
    明るくて男前な藤島社長にも暗くて悲しい過去がある。
    そんな過去との決別か・・・
    「冬:オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ」

    「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」って日本語に訳すと
    「人生は続く」という意味なんだそうだ。

    どんどん登場人物が増え続けてる東京バンドワゴンシリーズだけれど
    堀田家自体はとても親類の少ない家系。
    だからこそ勘一は人の縁を人一倍大切にしているんだろう。
    そして、堀田家のおせっかいはうつる(笑)
    みんな何がしかついつい手を差し伸べてしまうのだ。

    寂しい別れがあったり、新しい命の予感がしたり
    人生は本当にいろんなことがあるけれどそれでも続いていくんだね。

  • 通勤電車が読書室なのですが、久しぶりに降りる駅を乗り越してしまった。シリーズ6作目なのに、いまだにウルウルしてしまう。我南人で涙腺がユルむのは毎度だが、今回は勘一!

  • 花陽と研人も一歩ずつ成長していく姿が読者としてはうれしい。すでにかっこいい人になりつつあるなと思う。いつも賑やかな堀田家と東京バンドワゴンだけれど、今回は、最後、藤島さんの過去との決別や堀田家の弔いがあり、ちょっとしんみりとしてしまった。しんみりしたけれど、胸が温かくなりました。それにしても、藤島さんと花陽ちゃんってことはないのかな。今回のことで大きくなった花陽ちゃんを一女性として認めてくれる日がくるといいなと思ってしまった。
    今回は、なんとなく『LOVEだねぇ』が少なくて、我南人さんの活躍も少なかった気がします。なんだか残念。

  • 堀田家とその仲間達が大好きだ!\(^o^)/ 我南人がワールドツアー真っ最中ということで、出番が無いのかなぁ( ´△`)と思って読んでたけれど、毎回フラッと帰国して「LOVEだねぇ」をビシッと(?)決めてくれます♪最後の勘一の弔いの話は泣けた(ToT)でも、亜美さんの弟の結婚や小料理居酒屋〈はる〉の夫婦の妊娠発覚など、お祝いムードで終わったから良かった(^^) それから遂にドラマ化決定でとても嬉しい!!早く10月にならないかなぁ(*^^*)♪

  • 安心して読める心温まるストーリー。
    いつものように、堀田家の朝食からはじまる。いつも思うのだけれど、堀田家の朝食は「ほんとに朝ごはん?」と思うくらい品数が多くて、おいしそう。
    しっかり地に足をつけて生きていることの象徴なのだろう。
    今回のテーマは「喪失と再生」といったところか。逝ってしまった人に向き合い、前に進もうとする姿に勇気をもらい、新たな命の芽生えと絆に未来を信じる気持を感じた。

  • シリーズ第6段。

    (1ヶ月くらい前の読了だったが、レビューし忘れていたため、慌てて入力中。)

    大好きなシリーズの、6作目。
    研人たちも、はや、中学生。

    既巻の登場人物の再登場もいくつもあり(忘れてしまっているキャラもいたり)、
    「ああ、人気シリーズなんだなぁ」と、再認識。

    今回の1冊では、研人のエピソードが好きだったかな。
    友達を思っての言動、
    友人父への勘一の啖呵、
    盗作疑惑の種明かし(なんと???中1少年の作曲とは?)
    →しかも、堀田家のお財布の助けにもなってしまったり♪

    1作ごとに登場人物もしっかりと歳を重ねているこのシリーズ、少年少女の成長から目が離せない!!
    ・・・と、勘一のお歳が心配でハラハラ…。
    (実際、悲しい別れも描かれていたし)

    ★4つ、9ポイント半。
    2019.10月中~下旬? 新。

    ※各おハナシの冒頭の、微笑ましくもカオスな、堀田家の食卓のシーンが、大好きだな。

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著者プロフィール

小路幸也
1961年、北海道生まれ。2003年、『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』でメフィスト賞を受賞しデビュー。「東京バンドワゴン」シリーズをはじめ著作多数。近著に『マイ・ディア・ポリスマン』『猫ヲ捜ス夢 蘆野原偲郷』『花歌は、うたう』などがある。魅力的な登場人物と温かな筆致で、読者からの熱い支持を得ている。

「2019年 『あの日に帰りたい 駐在日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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