ばけもの好む中将 平安不思議めぐり (集英社文庫)

著者 : 瀬川貴次

• 集英社 (2013年4月19日発売)

感想・レビュー・書評

[shi18さんの感想 · 2023年9月4日]

陰陽師シリーズ(夢枕獏)好きとしては、怪異系は見過ごせない。ちょっと1冊だけ読んでみようと手を出した。

12人の姉がいること以外は平凡な中流貴族の宗孝が、容姿端麗で名門の出ながら唯一にして最大の欠点はばけもの好みという宣能に気に入られるところからはじまる平安怪異譚。いや平安コメディか。弘徽殿の女御が意地悪だったり、宣能の父である右大臣が月のはえる庭をつくらせていたりと平安エピソードが混ぜこまれる。ときどき登場する現代語のツッコミもおかしみ。

どうやらシリーズはもう10冊以上あるらしい。源氏物語にからむところは読みたいような気もするけれど冊数が多いので手を出したくないと葛藤中。表紙に漂うBL味も気になるところだが、続編を読むかはいったん保留。

[海と青硝子さんの感想 · 2023年4月26日]

ばけもの大好き変人中将に、ひょんなことで気に入られ、怪しい夜歩きに付き合わされる羽目になった、十二人も姉がいる以外は普通の貴族・宗孝くん。いいキャラですねえ。
魑魅魍魎の実在が信じられていた時代、忌み避けるのではなく、我が目で確かめようという中将、妖なんかより人間の方がよっぽど恐ろしいと知り抜いているのかも。

[みずたまさんの感想 · 2023年3月1日]

ばけものという題名でなんとなく読まずにいたけれど、面白いです。もっと現実離れしたお話かと思ったら、人間味あふれるお話で引き込まれました。12人の姉設定も良いですね。主人公は嫌々ながらも結局巻き込まれていくというお人好しな性格ですが、ただ弱いだけじゃなく必要な時には力をみせるところが良いですね。あっという間に読み終わりました。まだまだお話は続くので、まだ見ぬ姉たちがどんな風なのか楽しみです。

[158さんの感想 · 2023年1月26日]

タイトルで『虫愛づる姫君』を思い出した。十二人の姉を持つ右兵衛佐宗孝は縁あって、ばけものを好む左近衛中将宣能とばけもの探しに出かけることに…。平安王朝ミステリー。
「不思議めぐり」というだけに、なんか不思議なできごとだったなあ…って感じの事件解決が多かったが、最後にきちんと伏線が回収された。テンポのよい文章で楽しく読んだ。

[ゆっちさんの感想 · 2023年1月4日]

時代物妖怪もの好きなので期待しすぎた。妖怪の裏に結局人間の業がある　っていうのはいいんだけど、その業があんまりウェットに見えないからかな？

[帝塚山大学図書館 学生選書会さんの感想 · 2020年10月28日]

https://lib.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=503163

[東雲さんの感想 · 2020年6月13日]

「捕らえるなんて、そんな無粋な」
　笑いを含んだ、やわらかな低音が返ってきた。
「怪異は愛でるものだよ。遠くの月を眺めるように、手の届かぬ高貴な女人に恋するようにね」
(P.33)

[三田主水さんの感想 · 2020年2月29日]

http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2013/05/post-e5ac.html

[haruさんの感想 · 2019年12月24日]

2019年7月18日購入。

[Ｙさんの感想 · 2019年9月8日]

男二人であっちらこっちら。

著者プロフィール

1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。
「ばけもの好む中将」、「暗夜鬼譚」シリーズ（ともに集英社文庫）、『怪奇編集部「トワイライト」』（集英社オレンジ文庫）など著作多数。

「2019年 『百鬼一歌　菊と怨霊』 で使われていた紹介文から引用しています。」