怪物 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.38
  • (19)
  • (64)
  • (88)
  • (23)
  • (2)
本棚登録 : 554
感想 : 66
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450774

作品紹介・あらすじ

〈死〉の匂いを感じる力を持つ刑事、香西。定年間近の彼は失踪者の足取りを追いかけ、やがてゴミ処理施設の研究者、真崎に行きつく──。正義と悪が織り成す衝撃の結末とは!?(解説/三橋曉)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • そんな匂い嗅ぎたくないし!
    そんな特殊能力要らんし!
    しかし、この能力は、警察官、特に刑事さんには、有効かも?
    でも、精神的にやられそう…
    はじめは、正義感ある刑事さんやったのに、ある事件から…
    能力はないにしても、人とは思えんヤツと手を組む…
    それが命取りか…元々そうなんか…
    そこから、段々と…この人も…
    結局、怪物に取り込まれたのか、それとも、元々、怪物やったのか分からんけど、何か仲良しになっとるやん。
    怪物たちよ!もう自身を死んだと思って生きてるってどんな感じなん?
    生きてる意味も見出せず、怪物みんなで、これからもやっていくのか?
    処理を…
    ハッピーエンドとは思えん終わり方やな。まぁ、読むのそんなん多いけど(^◇^;)

  • 死の匂いを感じることが出来る香西刑事、定年間近に起こる事件と過去との繋がり、という話。特殊能力を持つ刑事とかすっごい好きワクワク、と思ってたのも束の間、あああ何故そんなことに、と精神的ジェットコースターが止まらない。

  • いつの間にか表紙が変わっていたんですね。
    以前のシンプルな感じも雰囲気があって好きです。


    警察サスペンス小説に特殊能力捜査の要素をひとつまみ。基本的にはシリアス進行。
    主人公の香西が持つ’生物が死の間際に放つ匂いを嗅ぎ分ける’という能力が、絶妙に決定打には欠けながらもいい感じの具合だったのだが、いま一歩活かされきれなかった印象。

    が、それよりも何よりも足りないのは掘り下げ。

    警察畑で定年まで勤め上げた男が、やむに止まれず道を外す、まさに心の奥底に潜む「怪物」や魔に呑まれる無念・葛藤・悲哀の描写といった本作の根幹と思われる部分がごっそり抜け落ちているのは致命的。

    割と物語序〜中盤あたりで香西自ら進んで道を外れて突き進み、あとは真崎にいいように振り回されるのを見ているだけ。

    「怪物」のことを’老い’と理解すればまだわからなくもないが、それは恐らく意図とは違うと思われる。



    2刷
    2021.11.7

  • 死の匂いを嗅ぐことが出来る定年間近の刑事の話。
    その能力から、死体を溶かして殺すという男に辿り着く。

    単純な刑事物、ミステリではありません。
    ボタンを掛け違えるように少しずつ物語が狂っていく様が恐ろしい。


    「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。」
    まさしくニーチェの言葉通りの話です。

  • そんな特殊能力あり得んし…と思いながら読み始めたものの、気がついた時にはもう福田和代ワールドに引き込まれていた。
    ラストは何となく予測がついたけど、そこまでの持って行き方が重くて闇が深くて好き。

    それにしても。里紗の言動がおかし過ぎんか。

  • なかなかに「そんなことある?」という内容の話だけど、面白かったです。
    実際に、この物語にあるような設備があったら恐ろしい…そして私はこの登場人物たちとは一切関わりたくないかな…(笑)

    本文中では「怪物」という題名の由縁はこの人物ですよ-のような表現があるけれど、個人的な感想としては主人公も最後には怪物になってしまったのだろうなぁと思いました。

    ただ、女性の登場人物が何故突然研究員と仲良くなったのか、その背景が気になって仕方がない。何か実は未来にも思惑が?と思ったり。

    主人公は刑事さんですが、刑事がどんどんと謎を解いていくような純粋な刑事モノが好きな人にはあまりお勧めしないですね。
    スリル味わいたい人や頭脳戦みたいなミステリー作品が好きな人は、割と好みかもしれません。

  • 特殊能力を持ちつつ、解決出来なかった殺人事件に後悔している定年間近な刑事が軸の話。話が進むほどに意図せず、いつの間にか暗黒面に落ちていく。

    痕跡を残さずに人を処理することが出来たら、、、
    誰かにために、誰かを殺す必要があったなら、、、

    「怪物」に触れて、「怪物」になって行く話です。

  • 向井理さん主演でドラマ化されていたのを観た後、原作を読むまでしばらく間が空いた。真崎(向井理さん)はほぼ原作のイメージ通りで端正な顔ゆえにぞくりとした。

    「死の匂い」を察知してしまう刑事 香西。15年前に起きた少女殺人事件の犯人と知っていながら堂島を無罪放免にした後悔を抱えている。あろうことかその堂島が政界進出を目指していると知り・・・

    被害者と同様にかつて彼に性的いたずらを受けた女性が名乗り出たことから事件は急展開。権力の壁に阻まれて堂島を野放しにしてしまった無念を果たすべく、彼女と協力して策を練る香西だったが・・・

    失踪した男たち。DNAをも溶かしてしまう生ゴミ処理用バイオ装置を操る謎めいた若い男。

    怨恨や欲望の絡まない殺人ほど不気味なものはない。。

  • 設定が漫画みたい。途中から急展開で結構楽しめた。

  • なかなか面白く読んでいったのですが、しかしあまりにも簡単に完全犯罪になるし、とにかく守るために消す…なんかいいのか?とはおもったけど。

全66件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

福田和代の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
湊 かなえ
高野 和明
ピエール ルメー...
湊 かなえ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×