隠れ菊 (上) (集英社文庫)

  • 集英社 (2013年7月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784087450958

作品紹介・あらすじ

浜名湖畔の料亭に嫁いだ通子(みちこ)。ある日、夫の指示で会った女に「ご主人をいただきにきました」と言われ、平凡な女の日々は一変、妻の座と店の運命を賭けた闘いが始まる。柴田錬三郎賞受賞作。

みんなの感想まとめ

妻としての立場と店の運命を賭けた女同士の心理戦を描いた物語は、緊張感と引き込まれる魅力に満ちています。著者の独特な文体は、情念や駆け引きを鋭く描写し、読者を惹きつけます。特に、登場人物の複雑な感情やビ...

感想・レビュー・書評

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  • 連城三紀彦氏が亡くなった。私は氏の『白光』が大好きなのにもかかわらず、氏の作品を3冊しか読んだことがなかった。追悼の意を込めて、未読の作品を読みたい衝動に駆られ、まとめ買いした。

    他の作品について調べ、本書を読んでみて驚いた。まるで有吉佐和子と渡辺淳一を足して割ったかのような、女の情念を描いた物語であったからだ。私の既読の作品は前述の他『戻り川心中』と『人間動物園』であったので、私にとっては完全に連城氏はミステリ作家であり、こうした小説も多く書いているということを知らなかったのだ。

    例に渡辺淳一を挙げたが、本書は少なくとも近年の渡辺淳一作品よりも断然キレのある文章だ。ズブズブでドロドロな駆け引きや醜い感情を描いているが、不思議に引き込まれ、どこか華やかな部分もあって良い。どのような結末に落ち着くのかも気になる。

  • 「連城三紀彦」の長篇作品『隠れ菊』を読みました。
    『夜よ鼠たちのために』、『運命の八分休符』、『黄昏のベルリン』に続き、「連城三紀彦」の作品です。

    -----story-------------
    〈上〉
    浜名湖畔の料亭に嫁いだ「通子(みちこ)」。
    ある日、夫の指示で会った女に「ご主人をいただきにきました」と言われ、平凡な女の日々は一変、妻の座と店の運命を賭けた闘いが始まる。
    「柴田錬三郎賞」受賞作。

    〈下〉
    莫大な借金を抱えて新しい店を始めた「通子」。
    夫を奪いにきた女と商売の面ではパートナーとなり、複雑な心境のまま世間の荒波に飛び込んでいく。
    女の表も裏も書き尽くした傑作長編。
    (解説/「池上冬樹」)
    -----------------------

    1994年(平成6年)4月1日から1995年(平成7年)3月31日まで『静岡新聞』で連載され、第9回「柴田錬三郎賞」を受賞し、『ゆずれない夜』、『あなたには渡さない』のタイトルで何度もテレビドラマ化されている作品です。

     ■波の崖
     ■近い別れ
     ■負け戦
     ■うすぎぬの海
     ■一花繚乱
     ■春の嵐
     ■鬼の情
     ■潮の余白
     ■解説 池上冬樹

    浜名湖畔の料亭・花ずみの跡取りと結婚した「通子」… 名女将と評判の姑が亡くなりまもなく一年になる日、「通子」は夫の「旬平」の指示で一人の女と会う、、、

    女は「通子」に言った―「ご主人をいただきにきました」… とりだした離婚届には、すでに「旬平」の署名が。

    この日から、平凡な主婦だった「通子」の日常は一変、妻の座と店の運命を賭けた闘いが始まった……。

    莫大な借金を背負って新しい花ずみを始めた「通子」… 夫を奪いにきた女「多衣」と商売の面ではパートナーとなり、複雑な心境のまま世間の荒波に飛びこんでゆく、、、

    従業員の裏切り、痴話喧嘩の果ての殺人未遂と、数々の災難におそわれながら、「通子」は自らの奥に秘めていた花を咲かせてゆくが、突然の政治スキャンダルに飲みこまれ……。


    普通の主婦が老舗料亭の女将になり、板前の主人や浮気相手の造り酒屋の女社長、幼馴染の会社社長などと荒波に飲まれながら、波乱万丈な人生を力強く、逞しく切り拓き生きていく… そんな物語なのですが、、、

    登場人物たちの恋愛観… それも、かなりドロドロした恋愛観が理解できなかったし、「通子」自らもフライングと自嘲する稚拙な判断に何でっ!? と感じる部分が多く、作品に入り込めなかったですね。

    特に終盤のマスコミ対応については、想像力を働かせて、ちょっと考えれば、自分や仲間にとって不幸な展開になることはわかるはずなのにねー まぁ、それでも、その禍を転じて福と為すわけだから、長い目で見れば判断は間違っていない ってことになるんでしょうが、、、

    やはり、気持ちが理解できないし、感情がシンクロできないんですよね… ドラマだと、これくらい分かりやすい方が良いのかな? ドラマ向けの内容かもしれませんね。


    以下、主な登場人物です。

    「上島通子」
     主婦。旧姓立石。

    「上島旬平」
     通子の夫。料亭「花ずみ」の板長。

    「矢萩多衣」
     旬平の愛人。金沢の酒蔵「矢萩商店」の社長。

    「上島キク」
     旬平の母。故人。「花ずみ」の名女将。

    「上島儀平」
     旬平の父。故人。

    「上島優美」
     通子の娘。高校生。

    「上島一希」
     通子の息子。中学生。

    「笠井芯太郎」
     通子の兄の友人。建設会社の社長。

    「堀口八重」
     「花ずみ」の女将。

    「前田秀次」
     「勝浪」の板前。「花ずみ」の元板長。

    「矢場耕一」
     「花ずみ」の板前。

    「立石啓介」
     通子の兄。

    「立石佐知子」
     啓介の妻。

    「野沢伸五」
     大手繊維会社社長。かつての「花ずみ」の得意客。

    「大角六扇」
     日本画の大家。

    「吉岡鶴代」
     儀平の愛人。

    「吉岡純代」
     鶴代の娘。優美のクラスメート。

    「大瀬健策」
     「勝浪」の主。

    「秋葉謙三」
     「小松食堂」の主。

    「秋葉安代」
     秋葉謙三の妻。

    「山下剛ノ介」
     キクと関係があった国会議員。

  • 読みながら何故かストーリーを知っていると思ったら過去にドラマで見ていました。

    ドラマで愛人役だった緒川たまきさんですが、読んでいてもイメージそのままで声が聴こえてくるようでした。

    妻と愛人の間には夫だけでなくビジネスも入り込んだ話しです。心理を読みながらの会話はさっぱりしながらも奥が深く、読むスピードがどんどん加速しました。

  • ミステリーかと思って読み始めたけど、なんか違うぞ。

  • ドロドロの女愛憎劇を期待して購入。
    過去にNHK BSでドラマ化されてたって、後で知った。
    リアルタイムで観れなかったのは、ちょっと残念。
    テレビ朝日のドラマ化は、何だか物足りなさを感じ、ならば原作と思い上下巻、同時購入したものの…
    あれ?途中で、ドロドロが浄化されしまい、読書意欲も軽減。
    折角、購入したので下巻も頑張ります。
    '19.01.19読書完了

  • はじめは、文章の表現が難しく読みっらかった。妻と愛人、色々な女が出てきて、憎み合うだけでなく、いろんな感情が絡みあって面白かった。

  • 前半を読んで感心したのは、小説の方ではなく、NHKでやってたドラマの方。そのままやん!ってびっくり。完全にあのキャスティングで読んでます。

  • 『あなたには渡さない』
    テレビ朝日/毎週土曜放送
    2018年11月10日から
    ――――――――――
    『隠れ菊』
    NHK BSプレミアム/毎週日曜放送
    2016年9月4日から

  • 冒頭の妻vs愛人の場面からゾクゾクして引き込まれました。抒情的な描写もありながら展開が早く、あっという間に読み終えてしまいました。私はあまりよく知らないのだけど花登筺さんの世界ってこんな感じなのかな?連城さんといえば、ミステリーやどんでん返しといったイメージが強いので、細腕繁盛記的な女性が主役のお話も書いていたことに単純に驚きました。
    本当に引き出しの多い作者だったんだなあ……。ただ、旬平さんが、女性2人で取り合いになるような魅力ある男性に見えない点だけが少し残念。

  • 連城三紀彦の人間ドラマ長編。
    ある女性の波乱の半生を描いた、テレビドラマのような作品。
    連城三紀彦でなければ興味を持つことのないタイプのものだが、登場人物たちの多彩な感情が入り混じって流れるように進む展開は、著者の作風にマッチしており、飽きることなく読めた。
    大掛かりな仕掛けがあるわけではなく、若い人に受ける要素は乏しいが、脈絡がしっかりついており、長い話でも違和感や強引さがない、秀逸な大衆小説だと思う。
    3+

  • 単なる主婦だった女性が、名女将の義母が亡くなった後立ち上がる。ページをめくる手が止まらない。

  • 柴田錬三郎賞を受賞した長編の復刊。この著者にしてはとても長い。

    料亭に嫁いだ通子。姑でもあり、誰からも愛される完璧な女将であったキクの死去から一年が経った頃、突如妖しい女が通子の前に現れる。

    言ってしまえば本妻と愛人のバトルという話だが、著者のたいへん巧みな筆がそれを面白く、かつ美しく仕上げている。
    どの人物も深く、深く掘り下げられ、二転三転するシナリオに適度にもったいぶった書き方、鮮やかな語り口で、読み出したら止まらないこと間違いなし。絶対に読むべき。
    いつも気丈で、頭の回る主人公・通子の活躍ぶりが爽やか。

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著者プロフィール

連城三紀彦
一九四八年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。七八年に『変調二人羽織』で「幻影城」新人賞に入選しデビュー。八一年『戻り川心中』で日本推理作家協会賞、八四年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞を受賞。九六年には『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。二〇一三年十月死去。一四年、日本ミステリー文学大賞特別賞を受賞。

「2022年 『黒真珠 恋愛推理レアコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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