レディ・マドンナ 東京バンドワゴン (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.07
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本棚登録 : 1036
レビュー : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451009

作品紹介・あらすじ

下町で古書店を営む大家族の堀田家に、今日も謎に満ちた客がやってくる。なんと一家の大黒柱・勘一に恋のうわさが舞い込む予感も!? 大人気「東京バンドワゴン」シリーズ第7弾!(解説/若木ひとえ)

感想・レビュー・書評

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  • 東京・下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」。
    大家族の堀田家に持ち込まれる謎を解き明かす、シリーズ第7弾。

    基本的に年1冊、春に文庫化されているそうで、季節の彩りとともに家族やご近所さん、お仲間たちとの冬から秋への1年間が描かれている。
    ちなみにこの巻は、TV化にともなうサービス(?)で夏に出たようですが・・・。

    4つのお話の中では、特に「春」の章で、我南人さんのミュージシャン仲間である中川さんのために、みんなで芝居を打つシーン。真面目に不真面目というか、人を思って真剣に、優しい嘘の芝居をする。
    でも、結局みんなわかっていて・・・。

    他にも、
    研人くんを思うお母さんの亜美さんのかっこいいことといったら!
    おませなかんなちゃんと鈴花ちゃん、藤島さんとのやりとりなど、メインのストーリーの周りを固める小さな出来事の積み重ねに豊かな時間が流れていてうれしい。

    サチさんが、それぞれの季節ごとの章の最後に孫の紺と言葉をかわした後のつぶやき。
    そこだけ強調すると、まるで自己啓発本の一文のようで若干説教くさいと思われるかもしれない。
    けれどいろいろな込み入った出来事が起こり、多くの人々が関わりおおごとになり、堀田家の人たちにより事情が解き明かされ、納得のいく結末に収束していく。
    そんなやり取りのあとで、サチさんが言葉にすると重みを増すんですよ。根っこのない口先だけの言葉ではなく、しみじみと味わいがある。
    もしかして、私自身が小さな経験を重ねてきて、事実や体験からくる(小説の中であっても)言葉の重みを以前より感じるようになっているのかしら?


    心の細波が立ってこそ、凪のときのありがたみがわかるってもんですよ。(P117)

    どんなに辛い、忘れたいような過去でも、それを思い出にできるような未来に向かって歩いていく。(P285)

    若い人たちの明日への道筋を作ってあげるのは、あなたのような年寄りの仕事じゃありませんか。<中略>
    そうして、あなたが背中を押せば、誰かがその道を進んで、その誰かがまた道を作ってくれます。(P352)

    辛い出来事や失敗も気づきをもたらし、未来への糧にする。
    いつか、自分がしてもらったことに感謝しながら、次の世代のために小さな足元を照らす光になれるよう、今を丁寧に、明るく楽しく暮らしていく。

    時折立ち止まって自分のあり方を確かめられるように、手元に置いておきたい言葉の数々です。

    • だいさん
      >辛い出来事や失敗も気づきをもたらし、未来への糧にする。

      ポジティブが考え方、とってもいいですね!!
      書いてある、言葉の数々も身にし...
      >辛い出来事や失敗も気づきをもたらし、未来への糧にする。

      ポジティブが考え方、とってもいいですね!!
      書いてある、言葉の数々も身にしみますね。
      2014/06/22
    • nico314さん
      だいさん、こんにちは!

      もっともっとずーっと前に読んだ本にも、素敵な言葉や登場人物がでてきたとおもうんです。
      ただ、今の自分の方がア...
      だいさん、こんにちは!

      もっともっとずーっと前に読んだ本にも、素敵な言葉や登場人物がでてきたとおもうんです。
      ただ、今の自分の方がアンテナが高くなったというか、そういう気づきを求めているということなのかもしれません。
      2014/06/22
  • 大好きな「東京バンドワゴンシリーズ」第7弾。
    やっぱり、堀田家は良いですねぇ~
    ライトミステリーですが、『昭和の家族』の香りが楽しめます。

  • 東京バンドワゴンシリーズ。やはりこのシリーズは居心地がいいです。読んでいてもっともっとこの物語世界に居たいと思わされるんです。でも面白くてグイグイ読んじゃうのですが。
    いつものパターンと言えばいつものパターン。でもこの「いつも」が狙っている「偉大なるマンネリ」なのでしょうが。ただ当初に比べてストーリーの展開が早くなっている気もします。サクサク進むというか、小さい波が何度も何度も繰り返しやってくるような感じ。それもシリーズ進んだからこそなのでしょうが。大家族物語であり一人一人にきちんと背景があり物語がある。それを幽霊(?)となったサチさんの目で語られるから、一人一人の内的感情は文章化されていないんですね。それでいてサチさんの妻として母として祖母として曾祖母として、そしてひとりの女性としての目で一人一人のことを語られるから、みんなの人となりがスンナリ入ってくるのですね。だからこれだけ大人数が出たり入ったりする物語なのに読み易いんですね。

  • 安定感バツグン!
    期待を裏切らないLOVEでした。

    亜美さんの意外な特技に驚き、これは将来的には、堀田家でまたバンドができるんじゃなかろうか??と思うほど。
    んー、ご近所や周りにいる人たちみんな巻き込んでもできるのかも?!

    シリーズが始まったころは、花陽と研人の成長が楽しみだったけれど、今はそれにプラスでかんなちゃんと鈴花ちゃんの成長も楽しみです♪

  • 小路幸也さん、東京バンドワゴンシリーズ第7弾「レディマドンナ」読了。あぁ、なんて優しく温かい物語なんだろう。久しぶりに読んでも、朝の賑やかな食事や子供たちの成長、大家族が織りなすドラマに胸がほっこり温かくなる。今回は表題にあるように「女性」のアレコレが描かれています。個人的にグッときたのは、我南人の音楽仲間中川さんの話「鳶がくるりと鷹産んだ」です。こういう流れには特に弱いです。その他の話もどれも良いです。まだまだシリーズは続くので、堀田家のその後を楽しみに読みたいと思います♪

  • 堀田家は、下町で古書店「東亰バンドワゴン」を営む四世代の大家族。一家の大黒柱である勘一は、齢八十を超えてもなお元気に店を切り盛りしている。なにやら、そんな勘一をお目当てに通ってくる女性客がいるようで…?さらには、蔵から貴重な古本が盗み出されて一家は大混乱!次々に事件が舞い込む堀田家を、“母の愛”が優しく包んで、家族の絆をますます強くする。

  • 続けて読んでいると、家族の一員になったつもりになる。藤島さんの今後が気になる。

  • 2017/11/12
    読んでる間の幸福感。
    今回はお家の間取りが書いてあってよりイメージが具体的になりました。
    私も東京バンドワゴンで古本買ってカフェでお茶しながらのんびり読みたい。
    私は物語が好きで本は読めたらいいグループに入るのでこんな立派な古本屋のいいお客ではないけど。
    子供たちの成長が嬉しい反面寂しかったり、みんな元気だけどお年寄りのみなさんや猫たちが心配だったり、まるで現実のご近所さんのよう。
    せめて本の中だけはこの幸福がずっと続いて欲しい。

  • 久しぶりに読んだシリーズの7作目。
    相変わらずのベタな人情物語と言えなくもないけれど、読みながら涙を流した。
    今回の目玉は貫一の亡くなった妹さんが残した葉山の別荘に関する、貫一曰く「三方1両損」的な処理。
    みんなが幸せになる。

  • 東京バンドワゴンシリーズの第7作。
    随分前に読み始めたのだけど、ちょっと飽きて、半分くらい読んだところで、積読状態になっていた。

    久々に、続きを読んだ。
    こういう話を読むと、サザエさんを連想してしまうけれど、サザエさんと違うのは、登場人物たちが年を取っていくところ。勘一のひ孫のかんなちゃんと鈴花ちゃんも3歳になった。

    智子さんが登場。まだ、どのような人物だったのかは、思い出せた。
    のんびり、続きを読んでいこう。

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著者プロフィール

小路幸也
1961年、北海道生まれ。2003年、『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』でメフィスト賞を受賞しデビュー。「東京バンドワゴン」シリーズをはじめ著作多数。近著に『マイ・ディア・ポリスマン』『猫ヲ捜ス夢 蘆野原偲郷』『花歌は、うたう』などがある。魅力的な登場人物と温かな筆致で、読者からの熱い支持を得ている。

「2019年 『あの日に帰りたい 駐在日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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