孤舟 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 272
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451115

作品紹介・あらすじ

定年後のバラ色の人生を信じていた威一郎を待っていたのは、家族との深い溝だった。娘は独立、妻は家を出てしまい、残ったものは犬のコウタロウだけだった。現代の夫婦像を見つめた異色の長篇。
(解説/藤田宜永)

感想・レビュー・書評

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  • 著者、渡辺淳一さん(1933~2014年)の作品、ブクログ登録は5冊目になります。

    本作は、2008~2010年にかけて、雑誌「マリソル」に連載されていました。
    当時の著者の年齢は、75~77歳位になります。

    本作の主人公は、大手広告代理店を定年退職した62歳の男性が主人公になります。
    私の年齢が62歳で、今現在、嘱託社員として働いていますが、いずれは会社を去ることになります。
    そんな訳で、興味深く読み進めました。

    本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    大手広告代理店の上席常務執行役員まで務めた大谷威一郎。関連会社の社長ポストを蹴って定年退職した。バラ色の第二の人生を思い描いていたが、待ち受けていたのは夫婦関係と親子関係の危機。そして大きな孤独だった。犬のコタロウが側にいるだけのさみしい日々がつづく。人生最大の転機を迎え、威一郎の孤軍奮闘が始まる。定年退職後、いかに生きるかという一大社会問題に肉迫した異色の傑作長編。

    ---引用終了

  • p.2013/9/24

  • 男の寂しい老後のお話。勉強になります。

  • 定年退職して時間を持て余すひと、といまのわたしは少し似ているな。

  • ★購入済み★

  • 38年勤めた広告会社の常務執行役員を退職した男のやるせない日常を描いたもの。会社のお偉いさんから無職のおじさんへ変わった途端に、仕事絡みの付き合いがぶつぶつと切れてゆく様はある程度リアル。しかし、娘や妻が出て行ったり、デートクラブの女性に片想いしたりして筋書きに抑揚をつけているが、現実離れしたドタバタコメディーのようだ。テーマは良いのだが。

  • 引退したら暇になるのだろうか。
    今はまだ想像出来ないけど、何か準備はしておいた方が良さそうな気がする。
    男の言動や思考がリアルで面白かった。

  • ビーグルのコタロウが出てくるが、ほんの少しだけ。しかも、主人公の家族が愛情を注いでいるようには見えない。

    定年退職した男がこんなに豊かに暮らせるのも、金。まあ、上級国民のお話で、不愉快極まりない。

  • 収録内容は以下の通り。

    本編
    解説: 藤田宜永

    「失楽園」のような小説を想像して読んでいたが、思ったよりも平和な内容であった。自分の祖父母や父母のことのように感じた。

  • いい反面教師

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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