柿のへた 御薬園同心 水上草介 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451184

作品紹介・あらすじ

薬草栽培や生薬の精製につとめる、御薬園同心の水上草介。のんびりやな性格で“水草"と綽名されながらも、御薬園界隈で起きる事件や揉め事を穏やかに収め、成長していく。連作時代小説。(解説/東えりか)

感想・レビュー・書評

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  • 202110/小石川御薬園の御薬園同心の水上草介シリーズ全3作まとめて。これはめちゃめちゃ良作!読めてよかった!御薬園という設定も、個性豊かで魅力的な登場人物達もいい。言動や外見等の描写も見事なので、どのキャラにも息吹を感じこの世界を楽しめる。

    1)柿のへた 御薬園同心水上草介
    2)桃のひこばえ 御薬園同心水上草介
    3)花しぐれ 御薬園同心水上草介

  • 江戸小石川御薬園同心・水上草介は、薬草の栽培や生薬の精製に携わり
    人並み外れた草花の知識を持つものの、のんびりした性格と
    吹けば飛ぶような性格から「水草(みずくさ)さま」と
    あだ名で呼ばれ親しまれている――

    界隈で起こる揉め事や困りごとに、草介の草花の知識と生薬の効能で
    穏やかに収めていくという9編連作のお話です。

    生薬となる草花の名前が、9編それぞれのタイトルになっていて
    表題にある「柿のへた」もその一つ。読むなら今でしょうと思いましたのに
    お話は春の季節のことであらぁ...の肩透かしでした。(笑)

    初回に登場する、南町奉行所に勤める小石川養生所の見廻り方
    高幡啓吾郎同心が、定町廻りにお役替えになってしまって
    一話限りのお人なのかと少し寂しく思っていましたら、のちに再び
    登場してくれてうれしかった♪なかなかいいお役どころで一目ぼれです。

    水草さまは少々のことには動じない、ひょうひょうとしたその風貌と
    人々や植物を愛する気持ちが優しくて温かです。

  • 小石川植物園に実際に行って植物に囲まれたくなった。優しい登場人物達の優しい物語

  •  江戸時代、幕府直轄の薬草園として存在した、小石川御薬園。
     その一画を世襲管理する御薬園同心・水上草介の視点から、御薬園や園内の養生所(施薬院)での出来事や人間模様を描く、連作時代小説短編集。
     主役がのんびり気質の青年で、まさに『草食系』であり、作風も淡白ながら温かみのある筆致である。
     薬草の栽培や生薬の精製、新種の植物の試作など、細々とした日々の業務が丁寧に描写され、何より、植物に深い愛情を寄せる主人公の感性が優しい。
     植物に関する豊富な知識と鋭い観察眼をもって、周囲の人々に持ち込まれる相談事や揉め事を、穏やかに収束させていく。
     ヒロインは、御薬園を預かる芥川家の娘・千歳だが、男勝りで気が強く、かなり直情径行に過ぎるため、読み手の好悪の反応は分かれそうで、ややテンプレ型の造形とも言えるが、ギリギリご愛敬の範疇に収まるだろうか。
     剣戟や政治劇の無い、人情系職業小説の一環としても楽しめる。

  • 御薬園同心水上草介 

  • 【読了メモ】昔、毎日新聞の書評欄で目にして以来、気になってた一冊。

  • のんびりした文章が心地良い
    草花の説明も楽しく読める

  • 小石川御薬園で働く、“御薬園同心”の水上草介が主人公の連作短編。

    植物オタクの草介にとって、御薬園同心はまさに天職。植物の知識を活かして様々な問題を解決していきます。
    薬草等の種類や効能についてもわかりやすく書かれていて、興味深く読ませて頂きました。

  • のんびりしているようで芯がぶれない水上の様子に心ひかれます。
    また、身近な植物の効用もよくわかり、読んでいて楽しいです。

  • じいじ(私の父)が孫(私の子)に読ませて欲しいと渡された本、その2。とりあえず私が読んでみた。。。

    御薬園同心、水上草介が主人公。のんびりとした性格で、そののんびりとしたペースで話が進み、江戸物が嫌いでなければ、読みやすい本と思います。

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著者プロフィール

東京生まれ。フリーランスライターの傍ら小説執筆を開始、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年には『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、単行本デビューする。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を得る。15年刊行の『ヨイ豊』で直木賞候補となり注目を集める。近著に『葵の月』『五弁の秋花』『北斎まんだら』など。

「2023年 『三年長屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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