TOKYO一坪遺産 (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (2013年10月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784087451290

作品紹介・あらすじ

1300万人以上が暮らす東京には、一坪を無限の広さに変える達人たちがいた──。東京駅の靴磨き、新宿の宝くじ売り場、隅田川の路上生活者など、その見事な技に建築探検家が迫る!!(解説/水道橋博士)

みんなの感想まとめ

多様な空間の可能性を探る本書は、東京の一坪に秘められた無限の広がりを感じさせてくれます。高層ビルが立ち並ぶ都市の中で、靴磨きや宝くじ売り場といった小さな営みが、どれほどの自由や創造性を生み出しているか...

感想・レビュー・書評

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    高層マンションやビルを建てるのは、住むことを欲している人がいるんじゃなくて、仕事を作っているってことを再認識した。

  • すでにある空間が考え方によっては、果てしなく広くなるという考え方に共感した。
    本の中や、自分の部屋や、街の片隅は、宇宙であり、私は何処へ行こうと自由だと、確信した。
    現代の建築批判も、大きく同意。都心は建物立てすぎ。
    プーケットのビーチで波の音を聴きながら、この本を読めたことがいい思い出だ。

  • 表紙の写真…
    本物のギターをくり抜いて
    中にドールハウス作っちゃってる!
    すごいです。
    タイトルどおり一坪…
    いや一坪にも満たない小さな宇宙たち。

    他、コンパクトに収納できる宝くじ売場とか
    パッと道具を広げて開店し
    夜には道具一式残さず撤収する
    東京駅路上の靴磨き屋とか
    駐車場とガーデニングを両立させた
    すんげ〜!一軒家も載っています。
    駐車スペースに止めた愛車のボンネットに
    がんがん植木鉢が載っけてあって
    車を動かすときは、鉢どけるの。
    ぜひ実物写真を本でご確認ください。
    びっくりしてほしい(笑)

    後半は豆本など観念的な「小宇宙」へも
    話が広がっていきます。

  •  建築家、作家、絵描きなど多岐に亘る活動をする著者の本。お初です。

     東京都下を歩いて見つけた、小さな土地を有意義に、自分の世界として使いこなす“達人”たちを紹介する内容。中野の駐車場で植物を育てる老夫婦、東京駅の靴磨きのムラタさん、新宿の宝くじ売り場の女性、などなど。

     冒頭、著者の幼少期の、兄妹たちと暮らしの中で子供ならではの発想で独自の空間を生み出した空想力が紹介されている。 机の下の秘密基地だったり、駐車場の野球場だったり。そして、「空間の大きさと心地良さは比例しない」と著者は言う。

    「欠如を実感し、それを補うために新しい視点というものが生まれるのであれば、たとえどんな狭いところだがそこで楽しむことができる。人間は本来それができる生物なのではないか。」

     この導入で、自分にも意識の中で無限の空間を思い描いていた時代があったなと懐かしく思い出す。そのあとで、数々の空間利用の達人たちの例を紹介され、忘れていたものを思い出すとともに、新たな可能性にも気づかされる。発想の転換を得られる、なかなか爽快な一作。

    「人間とっての空間というものは、住むための箱を作ってハイ終わり、ではなくて、はっきり言うとはじめは未完成であってもいいのである。人間は生活を続けている中で、徐々に適応し、工夫し、さらに付け足して自分だけに合う空間を作り上げていくのだから。」

     と、住む場所、家についての新たな視点を紹介、限られた空間を知恵と工夫で乗り切る達人たちの技を通じ、

    「つい人は物に対して一つの機能しか無いと思ってしまう。(中略)たくさんのものを持っているにもかかわらず、それぞれ一つだけしか機能が無いと思うから、さらにたくさん集めて揃えなくてはいけない。」

     と、今の物質至上主義の社会に物申す。
     この世には、まだまだ、活かすべき空間にあふれている。大都会東京でさえも。

    「どんな所にも隙間があるという確信なんてものを、今どれくらいの人が持っているのだろうか。」

     この隙間は、実在の物理的なものではなく、人の考え方、頭の中のことも言っているようだ。

    「家とはこうあるべきという思い込みから離れてゼロから考えて作る」

     いちど、思考をリセットして考える必要が、我々にはあるのかもしれない。今、New Normalが求められるこの時代。新しい生活様式を模索する、よいキッカケを頂いた。

  • へえーーと思いながら読み、最後の章の語り口のマシンガンっぷりに若干引き、水道橋博士の解説読んで、しゃべるの得意な人なんだなと納得。
    話すみたいに文章を書く人なんだなあと思った。

  • 常識とは何だろう。

    目の前にある空間は、自分一人の解釈や想像を膨らませることで、いくらでも楽しめる可能性がある。

    世の中に対しての自分の解釈や想像力で、行動で、豊かになる可能性が今以上に沢山あるのかもしれない、と考えさせられます。

  • 宮田さんおすすめ

  • 2015/8/5

  • 僕の好きな江戸川乱歩の「パノラマ島奇譚」の話が出てくる11章が面白い。紹介される著者の言う「空間小説」(空間の描写に優れた小説)というのにハマりそうで気になる。萩原朔太郎「猫町」、佐藤春夫「美しき町」、江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」、横光利一「街の底」、宇野浩二「蔵の中」

  • 紙一重だ。それも、面白い方に。

  • ブルータス 水道橋博士推薦

  • なかなか面白かった。小説と思って買ったのにちゃうやーーんと思ったけど、ふむふむと思いながら読みました

  • 建てない建築家 坂口恭平さんがこれまで発信してきた
    ・映画 モバイルハウスのつくりかた:3万円でマイホームが持てる!
    ・TOKYO 0円ハウス 0円生活:都内で0円で生活する!
    ・独立国家のつくりかた:政府に不満があるのなら自分で政府を作ろう!
    に続いて、
    今回は坂口恭平さんが都内を歩いて出あった人々は
    都心の狭い土地でも無限の広がりを持たせる視点を持っていた。

    駐車場を庭と兼用する方法、店舗を持たずに店を持つ方法、グランドピアノやランボルギーニを持つ方法などなど
    目からウロコがぼろぼろ落ちる!
    宇宙を缶詰に詰める方法とかも面白い。

  • 4〜5

  •  遺産かどうかは不明ではあったが、またまた面白い視点で楽しめるルポ?前によんだモバイルハウスが非常に面白かったので、少しおとなしめの味に見える。
     著者の思想にすっかり感化され、散歩がてら文字とおりの「隙間」を探す日々に。都心から離れていることもあり、近所はまさに隙間の宝庫。つくってみたい基地もどきの案がどんどん出てくる。何か本当に作ってみるか、というぎりのとこまで気持ちが上がっている。
     

  • 見方を変えるだけで、ただの狭い空間に思えたものが、大きな広がりを見せる、あるいは、都市のど真ん中にあらわれた可動式なプライベートな空間に、ワクワクする。/何人かの路上生活者も同じようなことを言っていた。つまり、自分の家は小さな寝室に過ぎないということだ。そんな風に、自分が暮らしている空間を捉え直すことによって、彼らは無限大の家に住んでいるのである。p.30/「この作家は、まず蟹缶を買ってきて、缶を開けて、中に入っている蟹を食べました。その後、彼は外側のラベルを剥がし、内側に貼り直し、缶の蓋を閉じ、ハンダ付けでまた密閉したのです。さあ、どうなるでしょう」p.34/一つの空間に、駐車場と庭という二つの機能を持たせる。これも、新しく空間を生み出すために有効な考え方だ。駐車場と庭はそれぞれまた複数の機能を含んでいるのではないかと僕は考えている。p.54/「いいや、仕事を三ヶ月休んで、毎日東京中の靴磨きの人たちの仕事っぷりを調べたんだよ。それで、自分なりに色んな人の方法をミックスして今のやり方を作り上げたのね。昔はさ、道が汚かったから泥を落とすだけでよかったんだけど、今はね、道路は綺麗だから泥なんか付かないから。光らせないといけないんだよ」p.68/「いや、普通の本屋じゃもちろん買えないですよ。未来工房を始めてすぐ古本屋の集まりが発行している『日本古書通信』っていう小冊子に広告を載せたんですよ。そしたら会員が五、六十人ぐらい集まった。その後は、口コミなんかで広まっていったんですよ」p.141

  • 都会の中で一坪にも満たない空間を形成する達人たち。自宅駐車場を使ったガーデニング、東京駅前の靴磨き、宝くじ売り場などと著者の少年時代の体験から空間を多層的に捉えることで広がる思考。建てない建築家による現代建築への批判と鋭い考察。

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著者プロフィール

1978年、熊本県生まれ。料理家、作家、建築家、音楽家、画家。2001年、
早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年、路上生活者の住居を収めた写真
集『0円ハウス』を刊行。2008年、それを元にした『TOKYO 0円ハウス 0円生
活』で文筆家デビュー。2014年『徘徊タクシー』で三島由紀夫賞候補、『幻
年時代』で第35回熊日出版文化賞、2016年『家族の哲学』で第57回熊日文学
賞を受賞。著書に『cook』『自分の薬をつくる』『お金の学校』『ゼロから
始める都市型狩猟採集生活』『現実宿り』『よみぐすり』など。

「2022年 『中学生のためのテストの段取り講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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