箱庭図書館 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.69
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本棚登録 : 3705
レビュー : 310
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451313

作品紹介・あらすじ

少年が小説家になった理由。ふたりぼっちの文芸部員のイタい青春。【物語を紡ぐ町】を舞台にひろがる、6つの物語。ミステリー、ホラー、青春、恋愛…乙一の魅力すべてが詰まった傑作短編集!

感想・レビュー・書評

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  •  読み進む途中で、本書は複数の投稿作品を乙一氏がリメイクしたものであることを知りました。なるほど。そのように気づかされて読むと、ひとつひとつの物語の風味が異なるようにも感じます。

     オリジナルの投稿作品がどのようなものであったのか知ることはできませんが、文善寺町という町を設定し、全体のキャラクターを再構成して、一つの箱庭に仕上げていった手法は鮮やか。

     「あれ、この登場人物はあそこに出ていた」と、それぞれの物語のつながりを、読み返しながら確認する楽しさがありました。何度も出てくる、読書中毒の潮音さんのキャラクターには微笑んでしまいます。潮音ではないですけど、通勤電車を特快から各駅に変えて座って読んでいました。

     乙一さんの作品は初めてですが、解説を読むとホワイト・ステップに近い作風とあります。雪の中に残された足跡によるパラレルワールド同士の会話。雪に埋もれた白い街の風景、ことばのない会話、すこし切ない親子の思い、良い雰囲気でした。

     現実の世界は、ちょうど2週連続の大雪で、雪に残された足跡を探すどころか、膝まで埋まって大変な雪かきでしたけど。

  • 短編…どれも ほんのりとホラーぽく恋愛ぽく。で温かかった。この短編…全てが他人のリメイクなんて やっぱり乙一さんはすごい!

  • 久々の乙一作品でした。

    いやー、乙一さん面白いなぁと
    再認識!

    こういう連作短編集が、
    好きだなぁ。

  • 読者の没作品をリメイクするという企画(読む分には普通の短編集です)。
    どれもすっきり読み終えられる作品でした。個人的に、陰気でつい自意識過剰になってしまうウジウジした少年が頑張る話が好きなので、◎です。

  • 私は最後のホワイト・ステップがお気に入りでした。
    現実にあったら素敵な出来事。
    自分の人生は間違いの選択で出来上がってるかもしれないと悩んだ時、そんな人生でも、悪いことばかりじゃない。
    何かのきっかけで何度でも変わることができるんだ、と思える話だと思います。
    切ないけれど、だからこそ生まれる物語もあるのだなあと。

  • ほどよき乙一ワールド

  • コンビニ日和!、青春絶縁体、ワンダーランド、ホワイト・ステップ。
    が特に刺さりました。(ほぼ全部)

    どの短編にも共通する街、登場人物。
    だけど時間も内容もバラバラに起こる物語。
    とても面白かったです。

    ホワイト・ステップ、
    平行世界等に関心がある方にはブッスブッスと心に刺さると思います。私がそうでした。

  • 久々の乙一。ネットで投稿された小説を乙一氏がリメイクした短編集、という建て付けのため、確かにだいぶ毛色が違う印象を受けました。
    とは言え、その毛色が異なる短編を1つの同じ街という舞台に集約して、互いにリンクさせる形で纏め上げた著者の手腕はさすが、と思いました。

    本作で気になったのは、世界の「狭さ」。
    著者の筆力は他の作品で知っているので、つまりは物語を紡いでいく観点で敢えて閉鎖的な世界にしたということか。どことなく鬱屈した基調で物語が進み、キャラクターも敢えてそこまで立たせないようにしたようにも思えてしまいます。
    ※「王国」も結局街を出たとは言い難いし、何より更に閉鎖的な場所なので。
    その中で、最後の短編で「別の観点での外の世界」を出したことや、雪融けのシーンと組み合わせたことで、狭い世界からの脱出を示唆していた…のでしょうか。考えすぎかな。

    リメイクするという試み、それ自体面白いとは思うのですが、それで小説がすごく面白くなったのかと言うとどうなんだろう、となってしまいそう。
    著者の付加価値はしっかり付加されていたと思うのですが、結局元ネタと著者の方向性が合っているのかが大事で、最後の短編は合っていると思ったのですが、それ以外はどうなのか。

    ちなみに、最初の短編の書き出しを踏まえると、著者の「普通漢字で書くところを敢えてひらがなで書く」書き方ってどういう意図なんだろうなぁ、と思いました。

  • 一般の方から作品を募集して乙一さんがリメイクしたものが6作品入った短編集。それぞれ個々の物語だけど、舞台になる町は同じで、それぞれの物語の中で人物が繋がっている。その繋がりで普通の短編集以上の楽しみ方ができる。

    特に「ホワイト・ステップ」が良かった。雪の足跡だけで繋がるパラレルワールド。主人公が見つけた足跡の持ち主は、主人公の世界では事故で死んでしまっていることが判明する。それぞれの視点が切り替わり、物語は二転三転する。いつか溶けてしまう雪だけで繋がっているのが、儚い。

  • 娘が中学校の図書室から借りてきた。「すっごいおもしろかった!」というので、10年くらい前にハマった乙一さんを読む。ん。乙一ぽくない。けどやっぱウマおもしろい!と読み進む。あとがきを読んで「そういうことか」。子どもっぽいという人もいるかもだけど、ならば子どものままでいいわ、と思うほどに私は乙一の小説が好きです。

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著者プロフィール

おついち
1996年、17歳でジャンプ小説・ノンフィクション大賞を『夏と花火と私の死体』で受賞し作家デビュー。2003年『GOTH』で本格ミステリ大賞を受賞。叙情豊かな描写と斬新な語り口で時代を代表する若手ミステリ作家となる。著書は『暗黒童話』『暗いところで待ち合わせ』『ZOO』『箱庭図書館』人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』のノベライズ『The Book』など多数。マンガ・絵本の原作、映画・舞台の脚本執筆、別ペンネームでの活動(?)など、縦横無尽な創作活動を続ける。

「2016年 『銃とチョコレート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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